お粗相をするようになったワンちゃんの1例 | みなとまちアニマルクリニックの「裏」ブログです。

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こんにちは。こちらは「非公式」ブログです。書いている内容は、あくまでも著者の一意見であり、賛否のご判断はお任せします。読み飛ばす程度に呼んでください。僕は自戒のつもりで書いてます。

 

先日、尿漏れや尿失禁を主訴にいらした方がいました。

 

他院様でアトピーの治療を受けているということでした。

 

お薬飲み始めてしばらくすると

 

今までなかったお漏らしをするようになったそうです。

 

飲まれている薬袋にお薬の名前は書かれていませんでした。

 

お薬を見ると

 

ああこれはグルココルチコイド製剤つまりはステロイド剤だなとわかりました。

 

もう一つは抗生剤でした。

 

身体検査上は皮膚の炎症が気になる以外は特に問題ありません。

 

元気食欲もあるということで

 

主訴については先ずは尿検査で焦らず行きましょうということにしました。

 

もう一つ僕の目論みがありましたので聞きました。

 

痒みは実際にいかがなんでしょうか?と。

 

あまりうまく皮膚炎がコントロールできていないみたいです。

 

じゃあ騙されたと思って、僕のいうとおりにしてみてください。

 

責任は取りません。と。

 

(あくまでの僕の距離の詰めかたで苦手な人はいると思います笑 

 勝手に僕の波長は清水の方に割と合うと思ってます)

 

2週間、スキンケア剤(三千五百円)とアポキル1日1錠だけ飲んでいただくことになりました。

 

 

昨日、その方が来院され

 

皮膚も良くなるわ、尿失禁もなくなるわとすごく感謝していただきました。

 

僕の目論見はたまたま当たったようです。

 

披露するとなんてことはない

 

ステロイドで医原生に尿失禁が起こってるんじゃないかということです。

 

だからステロイドやめりゃよくなるんじゃないかと考えました。

 

昨日の尿検査では実際に尿中に細菌がいて

 

酸性度がアルカリに偏っていました。

 

元々がわからないので

 

それだけが原因とは限りませんが

 

ステロイドで免疫抑制かけてしまい

 

細菌が増えやすい温床を拵えてしまったのかと思います。

 

僕の頭の中をさらにご披露すると

 

たまたま目論みが当たったからよかったものの

 

例えば最初から「ステロイドが間違ってる」という趣旨のことを言ってしまうと

 

他院様を間接的に批判することになりますし

 

目論みが間違った時に僕の信頼度はガタ落ちです。

 

だから上記のようなヘラヘラした詰め方をしてしまうわけです。

 

お恥ずかしい。

 

ちなみに犬アトピー性皮膚炎に対して急性増悪期の

 

ステロイド利用は推奨度がAです。

 

記事的にステロイド批判に取られかねないので

 

書いときますが

 

僕も普通に必要なら使います。

 

立派なステロイド獣医です。

 

併用されていた抗生剤については言及しません。

 

前の記事を読んでください。

 

ということでしばらくアトピーとかステロイドについて書いてみようかな。

 

では。