今日はこちらについて書いていきます。
５ーALAは殆どの動物および植物において
細胞小器官の一つであるミトコンドリアで合成される天然のアミノ酸です。
生命が誕生した時から存在していたと考えられていて
動物および植物の体内において
生命活動の維持に重要な役割を担うことから
生命の根源物質とも言われます。
５ーALAの体内生産量は加齢や疾患によるミトコンドリア機能の低下により
減少することが知られていて
小動物領域でも、高齢あるいは治療中の犬猫に
５ーALAを適時補填することで
ペットの健康寿命を延ばす可能性があると期待されています。
主たる働きを少し専門的に書きますね。
ズバリ生体にとって重要な補因子となるテトラピロール化合物の供給です。
そして、必要に応じて様々な組織における細胞内へのヘムの供給です。
ヘムは生体において
赤血球に必要なヘモグロビン
毒物などの解毒作用に関わるチトクロームP450
ミトコンドリアの電子伝達系において電子を伝達する役割を担う複合体などの構成因子として利用される。
特に電子系のなんちゃらは生命活動を維持するためにエネルギーとして利用されるATPを産生するために必要なので
５ーALAが非常に重要な成分であることがわかる。
またヘムは補因子としてだけでなく、概日リズムや
糖脂質代謝の調節に関わる遺伝子に対して
転写調節因子としてリガンドの役割を担っているとも報告があります。
結局、脂質代謝との関連は？
５ALAが脂質代謝を改善する可能性についてはいくつか報告があります。
供給により、電子伝達系の複合体が活性化されてATPレベルが上昇することが報告されていることから
ATP産生を活性化することでTCA回路におけるアセチルCoA供給に必要な脂質の代謝が促進されます。
ミクロレベルではもっと色々されてるんですが、カタカナばかりになるのでやめときましょ。
僕もよくわからんです。
実際に脂質代謝異常がある犬にエネアラを８週間給与して影響を確認した報告があります。
10歳のチワワくんで1日１回１粒与えられました。
基礎疾患としてクッシング症候群があり
慢性腎臓病、脂肪肝、胆石なども臨床所見も認められていたそうです。
給与前と給与後２ヶ月で血液検査を実施。
中性脂肪の値は249→120ということでした。
リポ蛋白分画ではVLDL中性脂肪、LDLコレステロールにおいて顕著な改善がありました。
また、AST、ALT、ALP、GGTにも改善傾向が認められ
脂肪肝や胆のう環境の改善にも寄与する可能性が認められました。
ということですが、出来ればただ脂質異常だけ見つかったような子のデータが欲しいなと思いました笑
クッシングに効いたかもしれませんし、全然きかなかたけど単純にクッシングの治療がうまくいったのかもしれません。
とりま、僕が脂質代謝異常だけあったような子に使ってみた数例の子の印象では
よく効いたイメージです。
近年はペットにおいても高齢化に伴い様々な病態が問題になっていますが
５ALAはその中でも脂質代謝異常の改善が期待されています。
犬猫では人と異なり、脂質代謝異常が動脈硬化や脳梗塞といった
生命に関与することが証明はされていません。
しかし、脂質代謝異常は膵炎や肝臓疾患、尿路結石のリスク因子になることは示唆され
一定の水準で積極的な介入を試みることが推奨されます。
現在一般的に行われている介入は低脂肪食への変更
補助療法（ビタミン、不飽和脂肪酸（アンチノール、強肝剤投与
薬物療法（フィブラート系もしくはスタチン系です。
ですが、微妙で、特に薬物療法は安全性が担保されていません。
事実、飲んでるからか肝臓の値ぶっ飛んでない？という子に何回か遭遇しています。
肝臓の値高いから飲ませているのかはわかりませんが。
とりあえず、当院では脂質系の薬をおいていません。
そんな感じでエネアラは第一選択肢としては非常に優秀なんじゃないのかなと思うわけです。
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平日は少しばかり、病院のセキュリティ（ボデイガード）をお願いしようと思います笑