藍染めの話 | 星野洋品店(仮名)

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とある洋品店(廃業済み)を継がなかった三代目のドラマ感想ブログ

〈褐色〉と書いて「かっしょく」と読むと焦げ茶色のことですが、「かちいろ」と言えば黒に見えるほど濃い藍染めのことです。「かちいろ」が〈勝ち〉に通じるので、武家で好まれる色でした。

 

藍染めにすると糸が丈夫になるので、禅宗の修行僧の作務衣も藍染めです。今川義元は禅に傾倒していたこともあって、『どうする家康』の作中では褐色の着物を着ています。『おんな城主 直虎』では公家風の装束だったなー。そっちのほうがよかったなー。

 

一方、息子の今川氏真の着物は、父のものより浅い藍染めの〈縹色(はなだいろ)〉。〈花色〉とも言います。花色という色は色あせしやすいんですが、氏真くんは老害扱いされるまで長生きし、褐色の義元は数え42で討死しちゃった。

 

 

しかし、『どうする家康』の氏真くんって、長生きしそうもないよね? この人物造形なら、正室の早川殿を手にかけたうえで自害コースが自然に思えるな。