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私は、数年前、アメーバのブログ友達・悠人さん主宰の「blog句会」に参加する機会をいただいておりましたが、そのときは親戚の者から歳時記を借りていました。
このネット句会は、悠人さんのブログ上で20回ほど開催されたあと、一時閉会となっていました。が、先月「再開します」と呼びかけていただき、ぜひ参加したいと思い、この機会に自分専用の歳時記を持つことにしました。
悠人さんは、藤田湘子の門下生というお立場で勉強を重ねてきた方です
「句の型を句作を通して学びましょう」と提案してくださり、
今回は、『上五 (季語)+や(切字)』『中七』『下五(名詞)』という型を学ぶことになりました。
この型で、以下の三句を作り句会に参加しました。
★月光や威厳増したり法観寺
法観寺は、通称「八坂の塔」。
京都市東山区にあります。
法観寺の境内は狭くて、そびえ立つ五重塔のすぐ近くに一般住居やお店が並んでいます。
歴史あるこの塔は、人々の生活を近くから、ずっと見下ろしているようです。
観光客も多く、周辺はいつも賑やかな印象。
しかし夜になるとまた違った雰囲気が漂います。
月の光が古塔ひとつを浮かび上がらせている、という様子を表現したいと思いました。
今回の約束は、体言止め(名詞が句の最後にくる)。
それで「古塔」という言葉でなく、お寺の名称そのものを出すことにしました。
「ほうかんじ」は、ちょうど5文字なので。
『中七』は最初、「われを見下ろす」という表現を思いついたのですが、それでは何か、おかしいのです。「見下ろす」という言葉で法観寺の偉大さは伝わると思うのですが、月光と法観寺の『調和』を表現できていません。
それで、ストレートに(月光によって)「威厳増したり」という言葉を使うことになりました。
型を意識することで生まれた句です。
★月白や病後の兄が弾くピアノ
この句をつくったとき、私は屋外にいました。
兄の家に近づいていき、ピアノの音を耳にして『兄だ』とわかったのです。
そのあと、家のなかに入り、兄と会話しました。
顔をみて言葉をかわすより前に、ピアノの音が兄の回復を伝えてくれた。そういう場面を俳句にしました。
★白靴や猛追かわし今ゴール
白靴の主が、徒競走で勝利をおさめる瞬間をよんだ句です。
私が今まで目にした「白靴を季語につかった俳句」は、その白さが夏という季節のなかでさわやかに輝いている、といった感じのものでした。
そういうのが正統派だと思います。
自分の句は異例だろう…という自覚はありましたが、それよりも、もっと別のことを意識して、この句をつくりました。
もっと別のこと、というのは「動きのあるものを俳句におさめる場合」についてです。
もう4年くらい前。悠人さんのblog句会で、私は、動き続けるもの(※このときは「列車」でした」を何とか俳句にしようと挑戦していました。
そのとき悠人さんは『俳句は一瞬の画をきりとって、そこを写生するものなので、動画ではないと思いますよ』とおっしゃったのです。
白靴の俳句は、最初「白靴や迫る走者を振り切りて」というモノだったのですが、これを名詞で終わるかたちに変えると同時に「静止画にしなければ」と考えました。
それで「到達点」であるところの『ゴール』という言葉を選ぶことになりました。
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悠人さんへ
句会のお世話、どうもありがとうございました。
私は基本の勉強をしていない者なので、「型を学ぶ」という機会をいただいたことに、感謝しております。
また、句会参加により選句の機会をいただけることも、嬉しいことです。
「素人が選句していることに違和感」というご意見もあることに今回気づいてハッとしました。たしかに「指導力のあるプロ」のような方が選句している場合が多いですものね。
それでも、第1回blog句会から、悠人さんは参加者に「選句の楽しみ」をあたえてくださいました。
目の前に情景が浮かんでくるもの、作者は、どんな気持ちで詠んだのだろう?と想像がふくらんでくるような句を、あこがれをもって選ばせていただいています。
次回も楽しみにしております。