日本の心(33) 
神に愛された日本〈素晴らしき日本人女性〉
2023-11-04 

https://ameblo.jp/minaseyori/entry-12827244224.html

ポール・リシャールの前回記事
日本の心(4)
リシャールの名詩『日本国に告ぐ』
2019-09-12 

https://ameblo.jp/minaseyori/entry-12524380575.html

(今回記事)
http://www.kokuchukai.or.jp/about/hitobito/paulrichard.html

ポール・リシャールは、1874年(明治7年)に南フランスに生まれ、長じて神学博士ともなったが、宗教によって衣食するのを欲せず、法律を学んで弁護士となった。その間、文壇においても名をなし詩人としても高名であった。

彼は哲学・宗教に関心ふかく、ヨーロッパの物質文明は没落の運命はさけられぬと観取し、光を東方に求め、インドに移り、インド革命のリーダーのアラビンダ・ゴーシュと交わった。

大正五年(1916)、旅行のつもりで来日した彼は、日本の魅力の虜となり、ついに4年間滞在、その間、実に深く日本の精神文化に分け入り、もっとも日本を識る外国人の1人となった。

「議会政治的・黄金政治的個人主義」の民主主義は、やがて欧米でも行詰ると予言し、当時、民主主義に心を奪われていた日本人に警告を発した。

 

『日本の児(こ)等に』と題する詩に、日本には7つの栄誉と使命があるとして、

かつて他国に隷属せざりし世界の唯一の民!一切の世の隷属の民のために起つのは汝の任なり 
新しき科学と旧き智慧と、ヨーロッパの思想とアジアの精神とを自己の内に統一せる唯一の民!

 これら二つの世界、来るべき世のこれら両部を統合するのは汝の任なり 

 建国以来、一系の天皇、永遠にわたる一人の天皇を奉戴せる唯一の民!汝は地上の万国に向って、人は皆一天の子にして、天を永遠の君主とする一個の帝国を建設すべきことを教へんが為に生れたり

と、格調高く日本人を激励した。同様の書に『告日本国』がある。35日間、1歩も外に出ず、精神を凝らし、天来の声を綴ったという。

大正9年1月、リシャール夫妻は、三保最勝閣(さいしょうかく)を訪れ、智学先生の歓待をうけて数日滞在した。霊峰富士を仰いで、彼は「大地が天に向かって合掌している姿だ」といった。その後、ヒマラヤ山麓に住み、さらにフランスからスイスに移り、晩年をアメリカに過した。



 

昭和35年、86歳の彼は、「神の子の自覚をもった世界唯一の日本が、その自覚を示した明治の憲法を改めて、神を無視し人間を動物視したものにしたことは残念の極みである」という趣旨の演説を、ロサンゼルスで行った。

彼が三保において智学先生(註)のお話を聞き、感銘を語った時から40年を経て、なお彼は日本国体の真髄への理解と確信に少しの動揺もなかったのである。90歳をすぎて彼は星の国アメリカで没したという。


 

(註)田中智学(たなか ちがく)先生
明治17年(1884年)宗教団体「立正安国会」を創業(昭和59年に創業百年を迎えた)。「立正安国会創業大綱領」の第一則には“宗教ヲ以テ経国ノ根本事業トスベシ”と大抱負を述べ、縦横無尽の活躍をおこされた。日蓮仏教徒。

法華経の御説法
 吾が身も吾が父母先祖も吾が国土も吾が子孫も、諸共に成仏する教でなければ、信じて益なく持って効がない。

 それを教える為に、日蓮聖祖この国に出現なされた。

これを伝えたのが本化妙宗である。        

(『妙宗』第四編第七号 明治34年7月より)

●田中智学先生の直接間接に教えを被った人、影響を受けた人、智学先生の教えや主張を支持した人たちの一部抜粋


坪内逍遥
北原白秋
ポール・リシャール
宮沢賢治(門徒)
與謝野鉄幹・晶子夫妻
幸田露伴
高浜虚子
横山大観

 

※主教団体の名前が似ている「大日本立正交成会」の創立は1938年3月5日。それよりも50年前の1884年に創立した「立正安国会」とは全く別の組織。


 ポール・リシャール氏が三保に泊って居る中に、驥尾(きび)の間から富士を觀望しての理想が、何處(どこ)から見ても美しい山だけれども、此の山は實に神秘的な山だ

(中略)

 

これは世界の大地が天に向って合掌して居る形だといふ見立てをした(中略)

 合掌といふことは敬ひである、他に向っては敬ひであり、自らに對しては愼みである、

又承認を與へた意味でもあり、それから威嚴を整へた意味でもあるのが合掌だ、

そこで天台大師は『合掌は身の領解なり』

― 身體で佛法を會得したといふ表示だといった、

整った姿、彼と此と調和した姿、相手に奉謝した敬ひの姿であると共に、又自らの愼みを表現して、彼の愼みと此の愼みとが共通合體した形である、

 

富士の形が地の代表者として天に向って合掌したといふ見立ては、實に莊嚴にして偉大なる見立てといっていい。

(「最勝閣來訪者の數々」『師子王談叢篇』六より)

 

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日本の心(24)

『大和魂』(大和心)の源流
2020-10-06 

https://ameblo.jp/minaseyori/entry-12629550258.html
「かくすればかくなるものと知りながらやむにやまれぬ大和魂」吉田 松陰