(前回記事)
心の履歴(132)
関東人と関西人の違い
2009/03/09
https://ameblo.jp/minaseyori/entry-12743625619.html
(今回記事)
心の履歴(133)
美しい女性は雇用すべからず
2009/03/11 著
1974年(S49)初秋のこと。
素敵な女性が中途入社。上野洋子(仮称)二十五歳。独身。東北出身。役人OBの知人のお嬢さん。
東京支店は、蜂の巣を突っついたような大騒ぎとなりました。
彼女を巡っての意外な展開に、意外な結末となったお話です。
掃き溜めに鶴でした。
金魚の中江運呼の情報によりますと、銀座松屋(百貨店)に勤務も、上司との不倫関係で松屋を退職。
席は事務所二階の総務課の空席だった机。
皆に背を向けて。
ここには社判の箱などを置いていました。
事務所二階の男連中は色めき立ちました。
いつも朝礼が終わったら、秘密の喫茶店に集合するBB課の連中は、なかなか会社を出ようとしないのです。
彼女の背後1メートルに近づいただけで赤面する40代男(仮称、菊地)もいました。男連中は二階ではおとなしく、三階の我等の所に来てあ~やこ~やと騒がしい。
私はいつもの通り彼女の座っている机に行き、その上に置いてある社判で契約書の冊子に押印。
椅子に座れないのでしゃがんで彼女と向き合いながら。
成る程!成る程! 男連中が騒ぐのも無理はない。.
今で言えば、二十代中頃の松たか子の瞳に涼しさプラス。
私 「退屈やろ」
彼女、にこりとしてうなずく。
「手が空いていたら、これにゴム印を押しといて」
私は一旦三階に上がって暫らくしてから再度二階に捺印された書類を受け取りに行きました。彼女は新たにすることが無いのでじっと机でしゃちこばっています。
「田吉君(29歳、総務)、新しく入った人には何か仕事を与えなきゃ。彼女、じっとして緊張しっ放しじゃないか。そうでしょう、彼女!」
「はい」
翌日
「ここの会社に来て肩が凝ったでしょう。肩をもんであげようか?」 彼女、微笑みながらこっくりとうなづきました。
私は肩を揉んであげました。
揉みながら田吉君に言いました。
「君は、女性の心が分からん奴だ! わしを見習え! ねぇ、そうだろう、洋子さん」
彼女、クスクス。
それからと言うもの、洋子さんに何かを依頼しますと、てきぱきと処理してくれました。
それを横目で、にぎにぎしく私を睨んでいる田吉君。
横目で鋭い眼光。さてさて。
他方、二階の連中は相変わらず朝から三階に来て洋子さんの話ばっかし。
私に「どうしたら女性とスムーズに話が出来るのですか?」等と聞いて来る。
余りにも五月蝿いので怒りました。
「いい加減にせんかい! そんな事を言っている奴にろくな者がいない!好きなら好きと本人に言えば良いじゃないか!」
「恥ずかしくて言えません」
「アホか!そんな事も言えないで仕事が出来る訳がない!」
それから数日後、意を決した26歳の高川君(仮称)が、夕方、皆出払っている二回事務所で洋子さんに告白したのです。
「私と付き合って下さい」
彼女は即答。
「あなたは私の趣味に合いませんわ」
翌日から二階の連中が三階に来てこの話でもちきり。
私は大笑いしました。
以後、社内での洋子騒動も収まりました。
男連中は皆、洋子さんの趣味に合わない事を自覚したのです。
しかし、本当の騒動はその三ヵ月後からでした。
尚、後日談ですが、外からの公衆電話で洋子さんに何名かがアプローチ。子持ちの男も。皆、断られたとのこと。
つづく
心の履歴(134)
妻帯男の嫉妬の行く末は?
2009/03/11 著
https://ameblo.jp/minaseyori/entry-12743753407.html
心の履歴30代①入社編:目次
2022-04-08
https://ameblo.jp/minaseyori/entry-12736672224.html
m