沖縄が米国から返還されてから50年の節目なのですが、改めて何故に長い間、沖縄が米国に占領されていたのかを、1978年に機密解除されたホイットニー文書と、1998年に機密解除されたウィリアム・ジョセフ・シーボルド文書の要点を以下に述べる。

 

この解除された機密文書で、これまでの私達の教わったことは。全くの嘘話であることが明らかになっている。

 

これまで伝えられている昭和天皇のマッカーサーへの言動。

 

「日本国天皇はこの私であります。戦争に関する一切の責任はこの私にあります。私の命においてすべてが行なわれました限り、日本にはただ一人の戦犯もおりません。絞首刑はもちろんのこと、いかなる極刑に処されても、いつでも応ずるだけの覚悟があります。

しかしながら、罪なき8000万の国民が住むに家なく、着るに衣なく、食べるに食なき姿において、まさに深憂に耐えんものがあります。温かき閣下のご配慮を持ちまして、国民たちの衣食住の点のみにご高配を賜りますように」

 

この言葉に、マッカーサーは驚いた。彼は、昭和天皇が命乞いにくるのだろうと考えていた。自らの命と引き換えに、自国民を救おうとした国王など、世界の歴史上殆ど無かったからだ。(中略)

 

処が、ホイットニー文書によると全く逆であった。

 

一言で言うならば、「今も続く沖縄の米軍基地は、昭和天皇が自己の命を守る為に米国に懇願した結果」である。

自らの長期存命を望むと何度も言っていた昭和天皇。

 

米国では石炭労働者のストライキが頻発。日本の労働者もそれを真似てストライキ。ところがそのストライキの矛先がいつ自分(天皇)の戦争責任に向くことを恐れており、米国での石炭ストライキがすぐに解決することを望んでいた。

 

昭和天皇は生き長らえたいと切に願っている、 とホイットニーに何度も述べたとホイットニーは言っている。

 

更に天皇が心配したのは国民の命や生活ではなく、身内の者が年金がもらえなくなることであった。


他方、1998年6月2日に米国で機密解除された文書によると、1947年9月の昭和天皇の米国への意見は、琉球諸島を米軍が賃貸で長期間軍事占領して欲しいというものであった。

これに対して、マッカーサー元帥の代理人ウィリアム・ジョセフ・シーボルド(註1)は、

「昭和天皇の要望は間違いなく主に私利私欲に基づくもの」(a hope which undoubtedly is largely based upon self-interest)と断定し、その旨をマッカーサー元帥に報告している。

(註1)ウィリアム・ジョセフ・シーボルド
1947年から1952年まではジョージ・アチソンの後を継いで駐日政治顧問および連合国軍最高司令官総司令部外交局長と
ダグラス・マッカーサー元帥の代理人も務めた。

シーボルトが断定する昭和天皇のこの場合の私利私欲とは、
もしも天皇制を否定する共産主義ソ連や中国が日本を占領した場合、自分の命が危ういから、米国に日本を占領して欲しいという自己保身を意味し、そこには日本国民のことは念頭に無いことを意味する。

 

 

上記の証拠資料を以下に掲示する。


DECLASSIFIED 98/6/2
機密文書解除 1998年6月2日


UNITED STATES POLITICAL ADVISER FOR JAPAN
対日アメリカ合衆国政治顧問
Tokyo, September 22, 1947 No. 1293
東京、1947年9月22日


SUBJECT: Emperor of Japan's Opinion Concerning the Future of the Ryukyu Islands.

主題:琉球諸島の未来に関する日本の天皇(昭和天皇)の意見


The Honorable 
The Secretary of State, Washington.

ワシントン国務省長官宛

 Sir:
I have the honor to enclose copy of a self-explanatory memorandum for General MacArthur, September 20, 1947, containing the gist of a conversation with Mr. Hidenari Terasaki, an adviser to the Emperor, who called at this Office at his own request.

謹啓
私は、1947年9月20日付、マッカーサー元帥宛に一目瞭然のメモのコピーを同封した。

それには昭和天皇の顧問である寺崎秀則氏自身が望み、この事務所(ウィリアム・ジョセフ・シーボルドの占領軍東京事務所)を訪れてきた寺崎氏との会話の要点を記載してある。

It will be noted that the Emperor of Japan hopes that the United States will continue the military occupation of Okinawa and other islands of the Ryukyus, a hope which undoubtedly is largely based upon self-interest. 

日本の天皇は、沖縄や琉球の諸島の軍事占領を継続することを期待していることに留意されたい。

これは間違いなく主に私利私欲に基づくものである。

The Emperor also envisages a continuation of United States military occupation of these islands through the medium of a long-term lease.

天皇はまた、長期賃貸借(リース)を通じて、これらの島々の米国軍占領の継続を想定している。

 In his opinion, the Japanese people would thereby be convinced that the United States has no ulterior motives and would welcome United States occupation for military purposes.

天皇の意見では、日本人はそれにより、米国には不当な動機がないと確信し、軍事目的での米国の占領を歓迎するだろう。


Respectfully yours,
W. J. Sebald
Counselor of Mission
Enclosure:
Copy of memorandum for Genreral MacArthur,
September 20, 1947.
Original to Department. 
800
WJSebald:1h
ウィリアム・ジョセフ・シーボルド

(元文拙稿)
沖縄米軍基地:昭和天皇の要望
2018/10/22

 

皇室(8) 機密文書:昭和天皇は自己保身
2020-06-26 
https://ameblo.jp/minaseyori/entry-12607022950.html


皇室(7) 象徴昭和天皇の実像とは
2020-06-16 

https://ameblo.jp/minaseyori/entry-12604704592.html

皇室(6) GHQが定めた象徴天皇とは
2020-06-14 

https://ameblo.jp/minaseyori/entry-12604271052.html

天皇(9) 昭和天皇が戦争を望んだ理由
2021-04-13 

https://ameblo.jp/minaseyori/entry-12668107949.html