今回は、ちょっと雑談。

京都府は、昔から優秀な中小企業の多い府県です。
中小企業を育成してきたからなのでもありましょう。

その育成の傑作な例の中なら今回は一つ。この話は、1980年から1990年の京都南税務署管内の実話です。

経営する企業所在地は移転し京都府下ですが、洛中生まれ洛中育ちのある企業の社長のおめかけさんが4人。

 

洛中では、何人お妾(めかけ)さんを持っているかが一種のステータスシンボルでした。大阪商人のお妾さんについては、以前、ちょこっと記事にしていましたね。

 

ほっこり京都人(6)だから京都人は京都が好きなの
2020-04-03 

https://ameblo.jp/minaseyori/entry-12586775899.html

 

当初、会社の帳簿を誤魔化して4人分のお手当て代を捻出していたのですが、辞めた元経理社員の密告により、税務署の立ち入り調査となりました。

 

そこでの税務署の指導とは、

簡単に言えば「形あるもので処理して下さい」。
更に付け加えて「所得税や市民税を払う形にして下さい」と。

そこで、おめかけさん毎、各子会社の社員として登録。
毎月、高額な給料の支給となりました。

今度は子会社の方で悲鳴があがり、

元役員から密告がありました。


そこでの税務署のご指導は

「本人の住居地と勤務地が遠く離れているのは不可。遠隔地は、認められませんね」と。

それじゃ、と、遠方の子会社から、毎月、上納させました。
方法は、二桁もある遠方のそれぞれの子会社の役員の皆さん達は、各々毎月数度の空出張で捻出した金を合算し上納です。

取りまとめ役は取締役工場長。

 

またまた密告がありました。

勤務をしていないのに給料を支給をしていると。
今度の指導は「常勤している証拠となるものが必要」。
そこでタイムカードを誰かが代行して毎日の朝夕にガチャン!

 


それも密告されましたから、今度は阪急嵐山線沿いに会社名義で家を新築し、そこにおめかけさんを住まわせたので、
この女性は「鈴虫寺(すずむしでら)のお方」と言われたそうです。

 

そしてその玄関には、なんと、なんと、タイムカード!

これら会社の裏事情に詳しいのが、経理部門や総務部門に勤務した女性達です。


何しろ女性達の情報交換には素晴らしいものがありますから。
 

尚、このおめかけさん達、厚生年金を受給しているようです。
いやはや、それにしても、京都南税務署の中小企業育成・ご指導はたいしたものです。

   昔のとりとめもない雑談でした。

 

2008/03/10 著


つづき

京都人(15) 洛中現代版「首切ってしもうた」
2020-06-11

https://ameblo.jp/minaseyori/entry-12603343674.html

ほっこり京都人:目次
2020-03-23 

https://ameblo.jp/minaseyori/entry-12584192022.html