その時、天空の黒雲がさぁっと切れて、別世界になった。

 

前回記事

帰郷日記(1)紅葉の栗駒山➀登山開始

https://ameblo.jp/minaseyori/entry-12534310390.html

 

栗駒山の中腹にある昭和湖の手前で下山してくる高齢者夫婦とちょっとお話した。


その直後、頭上の黒雲がサァ~と去って午後の日差しが栗駒山の中腹を照らした。

 

 

神様!仏様!

それは我が目を疑う程の衝撃だった。

 

 

ワォ~!

遂に期待通りの栗駒山の紅葉の輝きに遭遇。

 

 

見下ろすもみじの錦。

輝く。

 

 

「何とォ~!」

 

だが、瞬く間にこのもみじの饗宴も終わる。

何と言うこっちゃ!

非情なる雲が天空を覆う。

 

これで終わったな。

でもせめて東からの登山道路との分岐点まで上がろう。

もうひと踏ん張り。

 


ヘトヘトになりながら分岐点にたどり着いたのが午後2時49分。
ここまでの登りに二時間もかかった。

 

 

ここで重大な勘違いをした。

ここから頂上まで片道30分強かかると思っていた。
だから、再びここに帰って来るとしたら午後4時は回る。


実は往復で35分なのに・・・。

地図を持たない弱み。

 

(画像)西南西の山形県方面

 

更に下山に普通で一時間半かかるとしたら・・・。

私の足では2時間弱。

 

とすると・・・。

麓の須川高原温泉ホテル着が午後6時前。

日没が5時10分前後だから宵闇になる・・・。

 

山の中の暗闇とは。

当に闇夜にカラス。

ライターの灯ぐらいでは前は見えないはず。

クマさんにも見えないはず。

 

(画像)西方、鳥海山方面。北西の山々には日が差すが・・・。

 

頂上行きを諦め、へたりこもうとした時、

下山してきた老夫婦と出会う。

「頂上には20分で行けるよ。」との仰せには上の空。

 

一旦諦めた脳。

助言などは耳に入らない。

 

どうせ頂上のもみじは既に枯れているだろうし。

登る価値はない、と、ネガティブに。

 

と、思いつゝ、

見上げる向こうに小さく見えるのが天狗岩だと言う。

 

それならせめてあそこまでは登ろうか。

が、下山するつもりの脚は悲鳴寸前。

 

 

はうが如く、

辛うじて天狗岩着。

 

 

着いたとたん、へたり込む。

あと10分もすれば頂上なのに。

つくづく思う。

地図を持たない悲しさよ。

 

疲労困憊で北方向の青い奥羽山脈をぼんやりと眺めるだけ。

処が、風の温度が一変。

寒い! 寒い!

鳥肌が立つ。
ジャンパーを急いで着たが未だ寒い。

雲が流れる。

                    つづく

 

帰郷日記(1)紅葉の栗駒山➂再び輝く紅葉
2019-10-12 
https://ameblo.jp/minaseyori/entry-12534786788.html