初対面だけど気になる人‥2/2 | 比翼連理 ~執事の愛が重い件~

比翼連理 ~執事の愛が重い件~

当ブログは、年の差11歳の主従が送る日常の風景。ネグレクトの母から赤子の私を引き取り育ててくれた付き人の白侶(ハクロ)は、その美貌と優雅さで見る者を虜にする外面の良い悪魔。そんな彼のドス黒い“本性”を主人ならではの目線で書き綴るノンフィクションです。

続・邑木の話し





追い詰めた邑木からの反撃



追い詰めたまでは良いが

邑木の身も蓋もない動きで

私の後を

着いてきたオッサンが二人

蹴り飛ばされて

床に尻餅をついた



意外と遠慮がない(笑)



次いで


どうやら

私に用があるらしい邑木が

後ろから抱き付いてきて


耳元で禍謳(マガウタ)を囁いた

※禍謳=呪いと解らないよう歌にされた呪


尻餅ついてるオッサン達に


「耳を塞げ!」

と叫んだ



禍謳というのは

歌の響きはキレイだが


まともに聞けば

何かしら負の影響を食らう

碌でもないものだ


よく使う俺が言うのだから間違いない。

(^^ )←




──からの



 

彼が“貴方を触らせる”なんて

珍しいですね


くつくつ嘲笑うような

静かな声で

邑木は白侶に視線に送った


 

毎晩、可愛がられているのでしょう


分かりやすい

クソみたいな挑発だった




問答無用


私が邑木の

小指をへし折ったのと


白侶が

離れのベランダから

母屋に飛び移ってきたのは

ほぼ同時だった


いざという時

大きな攻撃より

小さな痛みの方が人体に与える

反応は顕著である

邑木は、手を

離すしかなかった





変人、撤退


挑発した割りに

邑木はアッサリ逃げた


私は、敢えて

追跡はしなかった



ああいう手合いは

深追いしないのが鉄則だ


どうせ此方の怒りを利用して
碌でもないコトを
考えているに違いないのだ



逢魔が時の捕物帖



・・・ご無事ですか


眉1つ動かさない従徒の声に
振り向きもしないで
「ああ、」とだけ答えた

尻餅ついてた
オッサン達も立ち上がり、
逢魔が時の捕物帖に
西棟はいよいよ
騒がしくなってきた



《終》