実は、あれから数日後。
白侶は孝姫と【契約】した。
合理主義同士の、利害関係一致による【契約】。
白侶は私の魂があと二回の転生で消滅すると思い、『最期の瞬間だけは自分と共に』と、自ら心中相手を買って出た。
『この役だけは、誰にも譲らない』と。
ところが───
一縷の迷いなく「死」に直進せん白侶の前に、意外な事実が告げられた。
この人の魂は
消滅しないわ
それは予想外の、というか予想すらしていなかった事実だった。
妻が言う。
『子供』の生命力ってスゴいのよー!!
水都だって、もう昔の水都じゃない♪
私と出逢って、子供達と暮らして、
親になって・・・
魂の癒しを徐々に実感したはずよ♪
私の魂は今世、子供達と過ごすうちに癒され、魂の亀裂や欠損は、今後も大事ない程度に修復されているという。
それについては実際、身に覚えがあるし実感もある。
だから、修復されたと言われたら、確かに修復されたのだろう。
時にはぶつかり、喧嘩もすれば、叱りもする。
あれが食べたいこれが食べたいとワガママを言い、言ったかと思えば「はい、どーぞ!」と可愛い姿を見せてくれる。
私に入っていた亀裂や欠けを修復し、元通りに再構築してくれたのは、妻の言うとおり、『子供』の存在だ。
『子』の癒しというのは計り知れない。
親は育てるだけでも、子は親に、それ以上のものをくれる。
・・・・・・・と、いう訳で・・・・・
今後も私の魂は消滅しないようだ、
それどころか───未浄化だった私の前世は、今世で全て浄化された。
次に転生する時は、おそらく私は本当の意味でフリーだろう。
で、・・・どう・・する?
そうですね・・・
では、こうしましょう..
それは、本当に意外な結末だった。