理解したこと、出来ないこと.. | 比翼連理 ~執事の愛が重い件~

比翼連理 ~執事の愛が重い件~

当ブログは、年の差11歳の主従が送る日常の風景。ネグレクトの母から赤子の私を引き取り育ててくれた付き人の白侶(ハクロ)は、その美貌と優雅さで見る者を虜にする外面の良い悪魔。そんな彼のドス黒い“本性”を主人ならではの目線で書き綴るノンフィクションです。

頭の中が纏まらない。

考え過ぎて、吐き気がする。
使い過ぎたせいで頭も痛い。

原因は分かっているのに、自分の頭?心?をまとめる術が見付からない。


だが、何となく・・・

本当に何となくだが・・・・


白侶の言いたいことが、解ってきた気がする。







被っていたフードで顔を覆われた。

大きめ服だったから、顎まですっぽり覆われた。

何があったかは画像の力を借りるとして────

ぶっちゃけ、男としての力量差を見せ付けられた気分だった。

あんな技があるなら、元カノに使っときゃ良かった。




それから、幾つか解ったこともある。


あの大型犬・・・・・・
結構な噛み癖があるってこと。

最近、気が付くとよく左の首筋を噛まれてる。

16日以降、ずっと左肩が寒い。
寒いし、痛い!


・・・お前、俺が首弱いの知っててやってるだろ?

止めてくれる?
その無駄に整った顔で近づくの・・・
俺の自尊心が傷つくから。

後半の意味は解りかねますが、
前半の答えなら「yes」です..




自分がどうして抵抗できないのか解らない。

こういう目には数多く遭ってきた。
普段の自分なら、間違いなく相手をぶっ飛ばすか蹴り倒すかしている。

奴だって、そんな事は百も承知だ。


なのに、白侶にだけは無抵抗のまま───
抗わず、いつも好きにさせている理由が解らない。


手首を押さえられた事もあったけど、振り払えないほどの力じゃなかったし、振り払ったら止めてくれたとも思う。

私の嫌がることは、しない奴だから・・・




ああ・・・・・
でも書きながら、今何となく解った。


一度でも抵抗したら───


“もう二度と、あの手は私を捕らえない”

離れていってしまう、
傍にいてくれなくなる、


そう感じるのが、怖かったんだ───



そしてそれは、多分、抗ったら本当にそうなっていたと思う。


『ずっと傍にいて欲しい』


私の願いは、それだけだ。
それだけに、難しいと言われた。

「ただの人間が、どうやって「橋渡し」の魂の傍にいられる?」
「どれだけの運命をねじ曲げて、苦痛を味わって傍にいると思う??」



なのに自分は、絶対に彼を選ばない・・・


選んだら、何かが壊れてしまいそうで。
ずっと、それが怖くて選べずにいる。





その事について、よくよく考えてみた。


自分はきっと───「白侶が傍に居なくなる」───それが怖いのだ。



生まれた時から、当たり前のように傍にいた。

どんな時も、見守ってくれた。
どんな危険からも、命懸けで護ってくれた。

私のスーパーマン。


転生後、彼の願いと契約を叶える為には、どうしても、一時的に私と離れる必要がある。

転生場所は、その際に自分で選べるとして。
年齢差の大まかな予想も出来る。


が、出逢う時期までは予想が立たない。



いや。

私のことだから解ると、孝姫も白侶も断言する。
私なら「いつ、どこで、どうやって出逢う」かまで視えると。

・・・自分でも、たぶん解ると思う。




なのに貴方は、一度も・・・・・・・

貴方の傍に誰よりも仕えたのは私の筈..
なのに貴方は───



“私では、至りませんか?”



貴方の側にいるのが私では・・・
至りませんか?




違う、




一瞬でも、



白侶が居ないのが耐えられない。




転生後の11年なんて、1200年も生き長らえてた私には泡沫の時だ。


なのに、一瞬でもその手を離すのが───

怖くて堪らない、
不安で仕方ないッ



『でもそれじゃあ・・・
来世、白侶さんの願いは叶わないのよ?』


わかってる。


親離れ出来ない心が、
子離れ出来ない親心を迷わせてる

孝姫の言った意味も、やっと理解出来た。





でもまだ、自分の心に迷ってる・・・
答えが出なくて・・・

私はまた───


白侶のことを、



え ら べ な い