魂の伴侶.. | 比翼連理 ~執事の愛が重い件~

比翼連理 ~執事の愛が重い件~

当ブログは、年の差11歳の主従が送る日常の風景。ネグレクトの母から赤子の私を引き取り育ててくれた付き人の白侶(ハクロ)は、その美貌と優雅さで見る者を虜にする外面の良い悪魔。そんな彼のドス黒い“本性”を主人ならではの目線で書き綴るノンフィクションです。

あの日の君を探していた。
過ぎ逝く時の中で、

君の姿を追いかけた..



あの日の君を、忘れはしない。

もう一度君に逢いたい..

時を越え行く想いがある。


あなたと二人で行けるなら、
私は何度でも、

生まれ変われる..





何度目かの『愛しています』は、

とてつもなく胸に響いた。


満足そうに細められたら瞳が、

切ないくらい、

愛しいと思った。



壊れ物を扱うような繊細な指。

私だけを追い求める冷たい眼。

感情の薄い、表情の読めない顔。


たまに見せる悲しみを含んだ笑顔が、
胸を締め付ける。




こんなに泣いたのは───あの時以来だ。


涙が溢れて、止まらない。

拭いきれず零れるそれは、
どんな意味を持つのか。



愛されることを望んだ子供時代。
愛されることを望んだ、前世の自分。

誰の愛でもいい、
私を受け入れてくれる相手なら・・・


でも、いざ愛されてみると───

どうしてそこまで、
愛してくれるのか分からない。


分からないから、
何て言えばいいのかも、分からない。





『あなたを愛しています』


本当は、ただ一つが欲しかった。


きっと、

ずっと手に入れていたのに・・・
その言葉を聞くのが、怖かった。


いつも傍にいてくれる。

愛してと願いながら、
「愛して」と囁きながら・・・・


400年間、その声を聞かずに来た。




一度でも聞いてしまったら、


何度転生しても、
どんな運命に出逢っても、

もう・・・



白侶しか───





愛せないと分かってた