ログインもし辛いし。
また何かあるのかなぁ・・・。
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【雨の降る中庭】
縁側に腰かけて、気の早い蛙の声に耳を傾けている背中は、まるで白黒絵画の様だった。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20160503/02/minamina-0504/10/38/j/o0800052113635368737.jpg?caw=800)
味気ないその背を盗み見た時、正直、『悪かった』よりも『かわいそう』という思いしかなかった。
連日、仲直りしようとして尻込みしていた自分の中の迷いは、綺麗に消し飛んだ。
・・・・・ごめん・・・
やけに素直に謝って、脱色されたような後ろ姿に声をかけた。
両手で包み込んだ頭は、雨のせいで、少しクシャッとしていた。
湿気で濡れた髪が、指に心地好かった。
────もう一度、『ごめん』と声を掛けてみた。
・・・・・・・・・・・・..
────反応無し。
振り替える素振りもなければ、返事もされなかった。
『やっぱ怒ってるなー』と思いつつ、それでも、拒絶されなかった事に密かに安堵。
また振り払われたらどうしようかと思った辺り、自分の中で、前回のアレが“トラウマ”になっているらしい。
声が返ってきたのは、許されるのを諦めて、抱いてた頭を解放しようとした時───。
まったく本当に・・・、
自分がかまって欲しい時だけ寄って来て・・・..
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20160503/02/minamina-0504/dd/04/j/o0600030113635368746.jpg?caw=800)
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20160503/02/minamina-0504/2c/9c/j/o0410012613635368750.jpg?caw=800)
落ち着いた声は、低いノイズ音を伴って雨の中庭に響いた。
その声に気を取られて、伸びてきた手に気付かなかった。
膝立ちの体勢から前のめりに突っ伏して、胡座をかいた白い着物の太股に、強かに鼻をぶっつけた。
・・・忌々しい足だった、ひっ叩いてやった。
まるで「肘置きだ」とでも言うように、私の背中にはガッツリ白侶の腕。
利き手はガッチリ捕まれてるし、身動きなんて取れやしない。
端から見ると、きっととんでもない体勢になっていただろう。(笑)w
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20160503/03/minamina-0504/74/b8/j/o0400030013635381077.jpg?caw=800)
当人は特に気にした風も無かったが、むしろ高さ的に丁度良かったのか────
『・・・ふぅ..』
なんて、わざとらしい溜め息を吐いて休憩中。
動こうともしなかった。
【脱出、不可能】
もとい、
バカの【完全捕獲】完了である。
言ったでしょう、
「必ず釣ってみせます」と..
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20160503/03/minamina-0504/a6/dd/j/o0247014113635381221.jpg?caw=800)
あの時聞いた声は、暫く忘れられないだろう・・・。
口の端を吊り上げて笑っていたであろう事は、見なくても明らかだった。
『単純な心理戦です..』
と宣う白侶は、“あの背中”がそもそも「策」であると語った。
謝りたいのに素直になれないお子ちゃまを見ていて────
育ての親としての「情」が勝った結果、それとなく、「仲直り」する“きっかけ”を作って与えてくれたんだとか。
・・・・・何やかんやで、結局私は、「白侶の手の上」にいるんだな。
『今回は少しだけ・・・..』
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20160503/05/minamina-0504/44/bc/j/o0384015713635400738.jpg?caw=800)
と、困ったように笑った白侶。
正直、そんなに傷付けたつもりはなかった。
ただ、『嫌いだ』『触るな』、『バーカ!ハーゲ!』って言っただけ。
しかし、「育ての親」といっても、「親」は「親」だ。
そんな単純な言葉にも、白侶は反応して傷付いたのかも知れない。
そう思うと、胸が痛かった。
だから私は、────「夢の内容」に腹を立てた事を、正直に話した。
それが、せめてもの誠意だと思ったからだ。
『ヤキモチですか..』と笑われたが、もう『腹が立っただけだ』とは訂正しなかった。
本当は、私からは
話し掛けないつもりだったのですが・・・
と呟いた白侶は、毎回、ケンカ中にも関わらず話しかけてくる私に、笑いを堪えていたらしい。
『引っ掻いて様子を見るところが・・・』
と、───白侶は、暫く私の頭を撫でていた。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20160503/03/minamina-0504/d0/8c/j/o0485030213635381667.jpg?caw=800)
時折、毛束を取っては指に絡め、スルリ..と逃げる感触を楽しんでは『猫の尾のようだ』と絶賛していた。
今まで気にも留めていなかったが・・・
この癖は、彼なりの「甘え方」なのだろうか?
私は、あまり人に触られるのが好きじゃない。
嫌なことばかり思い出すからだ。
けど、赤銅色の髪を撫でる白い手だけは、どこまでも優しくて、好きだ。
この手だけは“悪くない”と、本気でそう思えた。
ただ、
じゃれてて噛み付かれた時は────
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20160503/05/minamina-0504/00/7a/j/o0400044913635401138.jpg?caw=800)
────って、思った。
明日は孝姫様が御見えになります..
精々、面白い言い訳を考えておくのですね..
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20160503/05/minamina-0504/52/53/j/o0247014113635401238.jpg?caw=800)
そう言って、自分の首をトントン軽く叩いて、次に頬をトントン叩いて見せると・・・。
『用事を思い出しました』と言って、クソ悪魔は颯爽と何処かへ消えていった。
後で確認したら、右の首にくっきりと痣が出来ていた。
・・・・・・しかも、二ヶ所。
例え主人が妻に浮気を疑われようとも、
それでビンタされる事になろうとも!
「報復は絶対する男」、白侶さん。
大人げない、白侶さん!!
孝姫を使って回りくどいこの復讐・・・・・
どーよ!
ホント、性格わっるいなー。(・・;)
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【仲直り】らしからぬ【仲直り】。
冗談めかした所、個性を隠さぬ所が、いつも通りといえばいつも通り。w
あの後、戻ってきた白侶さんは“ちゃっかり”私の【指南役】に戻っていました。
父と山都に許可を貰いに行ってたみたいで、二人とも、すぐに快諾してくれたそうですm(__)m
二週間、一人になって感じたことは・・・・・・
いつも聞こえる声が聞こえない「寂しさ」と、
いつも傍にいる暖かさを感じられない「孤独さ」。
如何に自分が愛されているのか、再確認しましたわ。
ギブ&テイクじゃないけどね?
せめてもう少し、白侶の変態っぷりに・・ぁ、違う。
白侶の親心に、付き合ってやっても良いかなーと、思いました。^_^;
ケンカはね、もういいわ。(笑)