私が嫌な夢に目を覚ましたのは、白侶が起こしに来る7分前の事だった。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20160414/15/minamina-0504/61/f3/j/o0800045013620222253.jpg?caw=800)
私は、ムカつく鉄面皮の顔を見たくなくて、
白侶が起こしに来るより早く寝室を抜け出した。
向かった先は、兄の部屋。
部屋につくと案の定、まだ早い時間だけあって信也は寝ていた。
起きろ、と鼻っ柱を蹴り上げてやると、兄は「痛ッ!!」と短い悲鳴を上げて飛び起きた。
・・ッに、すんだよ!?
匿われてやる!
白侶の顔を見たくないんです、助けろ!
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20160414/15/minamina-0504/41/ba/j/o0448010113620222321.jpg?caw=800)
「何様だw」と兄に突っ込まれながら、私は押し入れに隠れた。
「子供か!!」と、なおも文句を言われたが。
私はとにかく、白侶に会いたくなかった。
────だが、兄の部屋に隠れて速攻、後悔・・・。
鼻も、勘もいい白侶の事。
「他の部屋では直ぐに見付かってしまう」と、私は敢えて兄の部屋に隠れたのに───
一周回って、その選択がバカだったと気付いたのは・・・・・
部屋の襖越し。
「お早う御座います..」という、ノイズ音が聞こえた時だった。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20160414/16/minamina-0504/d8/b5/j/o0800023113620263815.jpg?caw=800)
blogだから言うわ。
白侶、俺、お前の声けっこー好き。
・・・まあ、聞き慣れてるからだけど。
あの「恐怖」、どうやったら伝わりますかね・・・
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20160414/16/minamina-0504/d7/25/j/o0392062013620263455.jpg?caw=800)
夢の中の私曰く「最上級のクソ的存在」は、
一縷の迷い無く兄の部屋に直行してきた。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20160414/16/minamina-0504/37/a4/j/o0348017813620263574.jpg?caw=800)
「ぅわ来た!」って時のあの「恐怖」、分かる???
開口二番、「坊っちゃん..」と声を掛けられた時は────
心臓が飛び跳ねた。
信也が「さっきのお返し」と、白侶に私の居場所をバラしたのだ。
お陰で私は、今一番会いたくない奴の顔を、近距離で拝む羽目になった。
感情の乗らない切れ長の目元に、端正な輪郭。
怒っている様にも見える、吊り上がり気味の特徴的な眉。
その眉が好きで、私は白侶に、「前髪は上げてて」と言っていた。
リアルでは、何の罪もない、腹黒いだけの鬼小姓。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20160415/01/minamina-0504/92/b2/j/o0800045013620661482.jpg?caw=800)
彼は私を見付けるなり、恭しく手を貸してくれた。
腰を痛めている私が、押し入れから出やすいように、という気遣いだった。
なのに私は、その手を払い退けてしまった。
頭の中に、夢で感じた「見知らぬ誰かの」面影が過ったからだ。
一瞬、「私が何か..?」と、考えを巡らせるような顔をした白侶。
きっと幾ら考えた所で、心当たりなんてある筈ない。
私の『夢』が原因なn
あぁ・・・、
昨日あまり構って差し上げなかったのを拗ねておいでで?
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20160415/01/minamina-0504/e1/72/j/o0798021813620661580.jpg?caw=800)
俺がお前の事そんなに好きだと思うなよ?
ビッッックリだわ、その神経。
ゴメンね?
意外にも思い当たっちゃった感じ??
俺、昨日の事なんて覚えてないし!!
顔なんて見たくもなかったのに。
変なこと言うからガッツリ目ぇ合ったよね・・・。
「やっと、見ましたね..」
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20160415/01/minamina-0504/8e/81/j/o0704038313620661680.jpg?caw=800)
と言われた時は、「しまった・・・」、と思ったけど───。