もの思う今朝は・・・..② | 比翼連理 ~執事の愛が重い件~

比翼連理 ~執事の愛が重い件~

当ブログは、年の差11歳の主従が送る日常の風景。ネグレクトの母から赤子の私を引き取り育ててくれた付き人の白侶(ハクロ)は、その美貌と優雅さで見る者を虜にする外面の良い悪魔。そんな彼のドス黒い“本性”を主人ならではの目線で書き綴るノンフィクションです。

【AM6:53】~【AM7:30】



私が嫌な夢に目を覚ましたのは、白侶が起こしに来る7分前の事だった。


私は、ムカつく鉄面皮の顔を見たくなくて、
白侶が起こしに来るより早く寝室を抜け出した。




向かった先は、兄の部屋。

部屋につくと案の定、まだ早い時間だけあって信也は寝ていた。
起きろ、と鼻っ柱を蹴り上げてやると、兄は「痛ッ!!」と短い悲鳴を上げて飛び起きた。


・・ッに、すんだよ!?

匿われてやる!
白侶の顔を見たくないんです、助けろ!


「何様だw」と兄に突っ込まれながら、私は押し入れに隠れた。

「子供か!!」と、なおも文句を言われたが。
私はとにかく、白侶に会いたくなかった






────だが、兄の部屋に隠れて速攻、後悔・・・



鼻も、勘もいい白侶の事。

「他の部屋では直ぐに見付かってしまう」と、私は敢えて兄の部屋に隠れたのに───


一周回って、その選択がバカだったと気付いたのは・・・・・

部屋の襖越し。


お早う御座います..」という、ノイズ音が聞こえた時だった。

blogだから言うわ。
白侶、俺、お前の声けっこー好き。

・・・まあ、聞き慣れてるからだけど。


あの「恐怖」、どうやったら伝わりますかね・・・




夢の中の私曰く「最上級のクソ的存在」は、
一縷の迷い無く兄の部屋に直行してきた。

「ぅわ来た!」って時のあの「恐怖」、分かる???


開口二番、「坊っちゃん..」と声を掛けられた時は────

心臓が飛び跳ねた。



信也が「さっきのお返し」と、白侶に私の居場所をバラしたのだ。


お陰では、今一番会いたくない奴の顔を、近距離で拝む羽目になった。





感情の乗らない切れ長の目元に、端正な輪郭。
怒っている様にも見える、吊り上がり気味の特徴的な眉。

その眉が好きで、私は白侶に「前髪は上げてて」と言っていた。


リアルでは、何の罪もない、腹黒いだけの鬼小姓

彼は私を見付けるなり、恭しく手を貸してくれた。
腰を痛めている私が、押し入れから出やすいように、という気遣いだった。


なのに私は、その手を払い退けてしまった。

頭の中に、夢で感じた「見知らぬ誰かの」面影が過ったからだ。



一瞬、「私が何か..?」と、考えを巡らせるような顔をした白侶。

きっと幾ら考えた所で、心当たりなんてある筈ない。
私の『夢』が原因なn

あぁ・・・、

昨日あまり構って差し上げなかったのを拗ねておいでで?

俺がお前の事そんなに好きだと思うなよ?


ビッッックリだわ、その神経。

ゴメンね?
意外にも思い当たっちゃった感じ??

俺、昨日の事なんて覚えてないし!!


顔なんて見たくもなかったのに。

変なこと言うからガッツリ目ぇ合ったよね・・・。








やっと、見ましたね..


と言われた時は、「しまった・・・」、と思ったけど───。