すみません。ことさらにまだまだ本の宣伝をします。「僕たちのカラフルな毎日 弁護士夫夫の波瀾万丈奮闘記」なのですが、今日の朝から拘置所(刑事裁判中の被告人がいるところ)で接見(面会)した被告人のSさんが、むっちゃ嬉しい感想をくれました。
Sさんには2週間くらい前にこの本を差入れてたんだけど、「先生、お母さんが煎餅ボリッてして、ムカつくー!ってのわかるけど、わかるけど大切にせんなあかんって」「旦那さんと先生は、ぁーもーほんま家族なんやなって、2回も読んだわぁ」と言われて、
僕は普通に仕事的な話のつもりで面会に行ったからそう言われて、ビックリして、アクリル板越しに泣いちゃってもう。いや、弁護士が泣くなよみたいな。
彼女は、これから行くであろう男子刑務所での生活の困難について、すごく不安を抱えているのに、「前は一人でほんとに怖かったけど、今回は大丈夫」って。
あー、そっか、毎週、当たり前のように「仕事」で会っていたけど、判決が確定したらお別れだもんね。もちろんお仕事の付き合いだけど、刑事事件は出会いと別れだ。
裁判とかあんまり関係ない、「ちゃんとした生活」をしている人にとって、刑事裁判の仕組みほど?!ワケわかんないモノもないんだろうと思う。なんで「悪いコト」した人に、国が弁護士の費用払う制度まであって、あげくは「刑務所に行くのが不安」だとー!バカ言ってんじゃない!って思うだろうと思う。
でまぁ、理屈はおいておいて、そういう気持ちを持つ人がたくさんいることは僕のような、理屈ばっかりの弁護士もちゃんと受け止めなければとは思う。
たしかにSさんがしたことは、けっこうな犯罪かとは思う。でも、だからと言って、Sさんの心のキレイなところとか、優しいところとか、家族思いのこととか、弱い人を思いやるところとか、そういうのは刑務所に行っても大事にされたらなと思う。
ボロボロの人になって帰ってくるんじゃなくて、今度こそ彼女の良いところが実を結ぶ日々になってほしい。
「すっかり男に見えるようになったかなぁ?」と彼女は言う。「えーっ、今日とか今まででいちばん、女が前面に出てるよー。紫のシャツだからかなぁ」と僕は答える。
今までも知り合いだった人や友だちから感想を聞くごとに、本を出してよかったなぁと思う。ほんと、こんなんタダの自分の日常を書いただけで、別に僕は有名人でもないし、なんてこともない元イケメンなだけなのにー。
そう。はぁ。明日こそはイケメンになろう。アスナロだよアスナロ。ベランダのゴーヤーはグングン伸びるよ。