またしても真面目なコトを書いてしまった。。。 | 弁護士みなみかずゆきのブログ - ON AND ON -

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南森町の「なんもり法律事務所」の弁護士の南和行のブログです。同性愛を公言するカップル弁護士,弁護士夫夫です。
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今日は雨だけど車ではなくバスで駅まで行って、そこから電車。京阪神地区の地方議員さんの学習会で講師をさせてもらいます。


うちは大阪市内ながらバスがチョー便利で、こんな感じでこの時点で4台も次々とバスが来る感じです。それでも混んでいる。


最近、日弁連の会長選挙のことばっかり書いているから弁護士でもない人は、ツマんないブログでごめんなさい。二年に一度の騒ぎなのかしら。僕の書いたブログが選挙規定に違反だから削除しなさいと日弁連から言われている話。


【これが削除要請を受けている記事です】にも加筆したのですが、昨日、日弁連の選挙管理委員会の副委員長さんから電話で削除要請を受けたのですが、書面での指導をお願いしましたが、やっぱり夕方に選挙管理委員会の委員長さんからも電話がかかってきたそうな。


またしても僕は不在で、東京のエラい先生方からしたら、いつも外ばっかり出かけている仕事をしない弁護士みたいじゃーん。ごめん。


僕は、昨年の7月に、アメリカの研修に参加して、アメリカ国務省(日本の外務省みたいなところ)の外交官たちの中で、同性愛者やバイセクシュアル、トランスジェンダーの人たちが、見える形で当事者のグループを作って、今では一定の発言力を持つようになり、「同性愛者だとわかればクビ」になっていた国務省も変わったということを知ってから、「権力的な組織の中で生きる個人」ということを考えることが多くなった。


同性愛者、バイセクシュアルあるいはトランスジェンダーに限らず、権力的な組織の中での市民社会。裁判所や検察庁にも、例えばゲイの人もいるだろうし、「性」の問題にかかわらず個人的な色んな個性や事情や考えや意識を持った人がいて、その人の「ありのまま」を組織の中でどう捉えるか。


組織の任務遂行のためにはあらゆることを自覚的に上命下服で個人を無色透明にしなきゃいけないのか。


それを条例まで作って明示的にしようとして、余計に役所全体の組織としての業務遂行能力が落ちたのが、まさに維新政治における大阪市や大阪府だと思う。


ただ、僕がいちばん、たぶんキツいだろうなと思うのは検察庁や裁判所で、ひとりひとりの事務能力や法律の知識が高いらよけいに不文律で、阿吽の呼吸で、大いなる意思のもとで、組織内の権力的統制に基づく無色透明の志向が染み渡っているように思う。


そして弁護士として、裁判所や検察庁と日頃から接する仕事をしている僕としては、裁判所と検察庁という大きな権力的組織の中での市民社会のあり方、ひとりひとりの自由や個性の意義に、とても関心を抱かざるをえない。ここでもっと個人が自由になって、個性を表に出せるようになった方が、もしかすると裁判所も検察庁も、組織としての業務遂行が良くなるのではないかと思うから。


だから僕は、東京高裁の裁判官の岡口基一さんのツイッターでの情報発信を見ながら、裁判所における個人のあり方ということをいろいろ考える。裁判官なのに白ブリーフ?!と怒る人もいるだろう。



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これは今日の岡口さんのツイッターのスクリーンショットだけど、今日は白ブリーフじゃない!でもなんで裁判官が白ブリーフだとダメなのだろう。岡口さんは要件事実の本、ひらたくいえば裁判実務における民法の解釈なんかを理解しやすく整理した本を多数出版していて、どっからどうみても日本の司法の発展に寄与している。


裁判官の仕事として、何か悪いことをしたと聞いたこともない。だけど、ツイッターで白ブリーフだと怒られる社会。これは別にくだらん話ではなく、権力的組織における個人のあり方についての問題だと思う。


で、それなら権力的組織ってなんだろう、ということなんだけど、ちょうど昨日、岡口さんがツイッターで、「「当局」って,人間がどんどん入れ替わっちゃうけど,だけど,当局の意思みたいなのは,綿々と受け継がれていくんだよね」ということを発信されていました。


うーん、なるほど。抽象的な御神体のような組織の意思がどこかにあるのだろうか。そう、組織、組織というけれど、組織ってナニ?組織だって人が変わるじゃんという中で、読み進めると組織は実は組織の中で意志決定権限を持つ人のことなんだと感じたのがこれです。


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スマホのスクリーンショットばっかりでごめんなさい。検察庁の元特捜部主任検事だった前田恒彦さんのYahoo!での配信される記事「元特捜部主任検事の被疑者ノート」ですり


今、厚生労働省の事務次官である村木厚子さんが被告人となったいわゆる「郵便不正事件」で、証拠となるフロッピーディスクのデータを改ざんし実刑の有罪判決を受けた前田恒彦さんが、その事件のこと、また被疑者被告人と向き合う立場と、被疑者被告人となった立場とからの情景を書かれています。


読み応えがあります。


僕が特にナルホドと思ったのは、検察庁の特捜部の捜査の過程で、なぜ前田恒彦さんはデータの改ざんをしてしまったのか。もちろん実行したのは前田さんであり、前田さんが犯罪をした人になる。


まさにそこに垣間見るのは組織の意思とはなんぞやである。もちろん、この証拠改ざんが組織ぐるみの犯罪だとかそういうコトを言ってるのではなく、何が人をして組織のためにそんなことをさせてしまうのかという組織の意思である。


組織の意思というのは、実は組織の伝統や習わしではなく、もしかしたら「なんてことはない権限ある個人の意思」なのではないか、ということである。


要するに誰が決裁権限のある「エラいさんか」ということに尽き、それがそのときどきの組織の意思なんだなぁと。そして、組織の意義に何らかの連続性があるのであれば、それは紛れもなく人が人に引き継いでいった、それなんだと。


僕は、裁判所における白ブリーフを投稿する岡口さん、検察官として村木さんを有罪にするために犯罪をしてしまった前田さん、それぞれの先輩の情報発信に、組織とは、を考え込んでしまう。


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「その点、弁護士は自由で気楽でんなぁ」と、ハニワくんは言う。そうだよー、弁護士は気楽かもしれない。


たしかに僕が書いたブログについて、日弁連という組織の選挙管理委員会のエラい人が電話をかけてきて「削除しなさい~」と言ってきた。しかし、実はこれは組織の論理はなく、組織内の権力構造はなく、悪いけど僕は日弁連と対等なのである。


もちろん懲戒権を弁護士会は握っているが、それは裁判所や検察庁における人事をエサにした組織内の権力とはまったくワケが違う。まぁ、だからこそ裁判所や検察庁では、意志決定権限を持つ人は絶対になるし、その人の意思こそが個人の意思になるのだろう。


そいで日弁連のダメなところは、日弁連の会長やらそのほかエラい役職になった人の中に、タマに、裁判所や検察庁こエラい役職になったのと同じ権力的関係を、一般構成員に求められると勘違いする人がいることである。


まぁ、そうでも思わなやってかれへんくらい弁護士会の役職は大変やということかしら。