2019/4/30訪問
平成最後の日に岡山方面へ探索に行くことにした。
大阪を午前4時に出発して、瀬戸内市牛窓町には午前7時半頃に到着。
犬島に行く定期船の出発まで少し時間があったので、港の手前にある『水没ペンション村』を見に行くことにした。
グリーンファームという名のこのペンション村は、干拓地であるこの地で建設され営業していたようだ。
閉業後、このように水没してしまったようだが、とても異様な光景である。
自分は一般的な廃墟には興味がないのだが、このインパクトのある景色を見てみたかったのだ。
おそらく、このまま手を付けることなく朽ち果てる運命を辿るのだろう・・・
宝伝港から8時発の定期船に乗り、犬島に到着した。
犬島は明治42年より僅か10年間で操業を停止した、煉瓦造りの精錬所跡が遺る島である。
現在では、近代化産業遺産となり保存されている。
島内をしばらく散策していると、開館時間になったので美術館に向かうことにした。
先に進むと、イギリス積みのカラミ煉瓦が出迎えてくれる。
これも遺構のひとつなのかなぁ?
正面にはたくさんの遺構が確認できる。
これを見るために入場料を払ったので、存分に楽しもうではないか。
レンガの赤と黒、蔦の新緑がとても良いコントラストとなって自然のアートを描いている。
大きな煙突が、崩壊することなく現代まできれいに残っているのがすごい。
これはとても貴重な明治遺産である。
こちらは崩れているが、基本的には修復されることなくそのままにしてある。
こちらの煙突は、丸ではなく六角形になっているのが特徴だ。
美しい煉瓦のアーチが並んでいる。
この画は他のサイトでもよく見る構図だったので、自分の目でも見てみたかった所だ。
生憎の曇り空ではあるが、遺構の存在感がそれを打ち消してくれる。
そして、さらに順路に沿って歩いて行くと・・・
お目当ての建物が見えてくる。
立派な造りであるこの発電所跡の迫力には、誰でも目を奪われることだろう。
これは一つの美術品のような存在であり、犬島を代表するするシンボルでもある。
窓枠の向こうに見える緑も含めてすべてが美しい。
明治、大正、昭和、平成そして令和と時代が移り変わりながらも、この状態を維持できているのが素晴らしい。
さて、十分と堪能したので犬島を後にしよう。
日本の産業を支えてきた美しい精練所の遺構へ、皆様にも是非訪れて頂きたいと思う。
おわり