この記事については内容に再検討が必要なところがありますので後日あらためて記事にさせていただきます。
この記事では
1. 画像から画像中心からの距離ができるだけ多様になるようにサンプルを拾い
2. 歪曲収差を四次関数で近似する
という方法をとっています。
画像から正しく恒星の位置を読み取るということを目的にこうしました。しかしこの方法は歪曲収差をどう表すかそしてそれを画像から求めるにはどういう手法をとればいいかというのとは違うような気がしてきたからです。
(2013-12-04 18:11:41)
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これからPENTAX K-rにTAMRON AF28-300mm Ultra Zoom XR F/3.5-6.3 LD) Aspherical [IF] MACRO (Model A06) というズームレンズを付けたとき焦点距離によって歪曲収差がどのように変化するかということについて記事を書きます。
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この一連の記事について最初にお断りしておかなければならないことがあります。
1. 私の手持ちのカメラ・レンズについて調べたものです。上と同じ機種であっても他のレンズであれば歪曲収差は異なっているかもしれません。
2. 歪曲収差を数値化したものを見ると歪曲収差が非常に大きいように見えます。ただ歪曲収差の数値が実際の画像にどのような影響を与えるかを仔細に検討していただければ例えば風景や人物を撮るときほとんど気にならないレベルの歪曲収差であることがわかっていただけると思います。
今回テストに使ったレンズは私が常用しているレンズでPENTAX K-rといっしょにいつも持って歩いています。コストパフォーマンスはいいレンズだと思っています。
つまりこのレンズは歪曲収差が大きいから使うなというような趣旨の記事ではありませんのでその点は誤解のないようにお願いします。
あくまで星野写真から天体(恒星、小惑星、彗星、....)の赤経・赤緯をできるだけ正確に求めようとするようなときのことを考えての調査です。
3. カメラはPENTAX K-r つまりAPS-Cです。センサーサイズが異なればとうぜん結果は異なります。
4. 天体写真に関するテストですのでピントは無限遠に合わせてあることが前提です。近距離を撮影したときはまた違った結果になるとは思いますがそれについてはこれからの記事では考慮していません
5. いろいろ事情があって計算に使ったExcelのシートはアップロードしません。実際に同様の計算をしてみたいという方は「東京でカノープスを求めて(1)」のシートがそのまま使えます。ソルバーの使い方についても説明してあります。
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まず広角端28mmから行きます。
調べ方は星野写真を撮り
「東京でカノープスを求めて(1)」
に書いた方法でカメラの向きや傾きとともに歪曲収差の大きさを求めグラフ化したものです。
恒星の位置は非常に正確にわかっていますし点光源とみなせますのでそのことを利用して画像上の理論的(=収差のないレンズという意味です)な位置と実際の画像上の位置の差を調べることによって歪曲収差を精度よく確かめることができます。
使った星野写真はこれです。
縮小したのであんまり恒星が写っていないように見えますがオリジナルにはそこそこ写っています。オリオン座が中央にあって右上にアルデバラン左下にシリウスという構図です。
ここから画像中心から距離ができるだけいろいろな値になるように恒星を選んで計算します。
使用した恒星は
Aldebaran
Betelgeuse
Bellatrix
Alnilam
Hatysa
Rigel
κ Ori
βMon
Sirius
の9個です。ほんとはもっと数がほしいのですがけっこう手間なのでこのあたりで妥協しました。これでも傾向はつかめていると思います。
「東京でカノープスを求めて(1)」や 「意外に大きかった(?)レンズの歪曲収差」の記事では歪曲収差についてあまり詳しいことをかかなかったのでここでちょっと説明しておきます。
まず歪曲収差は画像中心からの距離の関数であると仮定します。そして関数は四次関数として計算上の位置と実際の位置ができるだけ一致するように係数を決めます。係数は五つあることになりますが、0次(定数)画像中心での収差ということになるのでこれは0です。1次の項はスペック上の焦点距離と画像から求めた焦点距離の比を意味するのですが今回は画像から求めた焦点距離をそのままスペック上の焦点距離としていますので1にしておきます(ズームレンズで焦点距離を知るのは難しいですしスペックやExif情報の焦点距離はあんまりあてにならないようです)
今回の場合次のような係数になりました(x=画像中心からのピクセル数/1000としています)
三次の項の係数がちょっと大きめなのですが、これについては思い当たることがあります。確証が得られたらまた記事にしたいと思います。
結果のグラフです。
画像の中心から700ピクセルくらいの範囲は直線性がいいのですがそれを超えたとたん距離が大きくなるほど星像は実際の位置より内側に写るようになります。画像の隅では80ピクセル以上内側になります。典型的な樽型収差と思われます。
(2013-12-04 16:39:15)
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「ズームレンズの歪曲収差(28mm)」 編集
「意外に大きかった(?)レンズの歪曲収差」 編集
「東京でカノープスを求めて(1)」 編集
この記事では
1. 画像から画像中心からの距離ができるだけ多様になるようにサンプルを拾い
2. 歪曲収差を四次関数で近似する
という方法をとっています。
画像から正しく恒星の位置を読み取るということを目的にこうしました。しかしこの方法は歪曲収差をどう表すかそしてそれを画像から求めるにはどういう手法をとればいいかというのとは違うような気がしてきたからです。
(2013-12-04 18:11:41)
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これからPENTAX K-rにTAMRON AF28-300mm Ultra Zoom XR F/3.5-6.3 LD) Aspherical [IF] MACRO (Model A06) というズームレンズを付けたとき焦点距離によって歪曲収差がどのように変化するかということについて記事を書きます。
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この一連の記事について最初にお断りしておかなければならないことがあります。
1. 私の手持ちのカメラ・レンズについて調べたものです。上と同じ機種であっても他のレンズであれば歪曲収差は異なっているかもしれません。
2. 歪曲収差を数値化したものを見ると歪曲収差が非常に大きいように見えます。ただ歪曲収差の数値が実際の画像にどのような影響を与えるかを仔細に検討していただければ例えば風景や人物を撮るときほとんど気にならないレベルの歪曲収差であることがわかっていただけると思います。
今回テストに使ったレンズは私が常用しているレンズでPENTAX K-rといっしょにいつも持って歩いています。コストパフォーマンスはいいレンズだと思っています。
つまりこのレンズは歪曲収差が大きいから使うなというような趣旨の記事ではありませんのでその点は誤解のないようにお願いします。
あくまで星野写真から天体(恒星、小惑星、彗星、....)の赤経・赤緯をできるだけ正確に求めようとするようなときのことを考えての調査です。
3. カメラはPENTAX K-r つまりAPS-Cです。センサーサイズが異なればとうぜん結果は異なります。
4. 天体写真に関するテストですのでピントは無限遠に合わせてあることが前提です。近距離を撮影したときはまた違った結果になるとは思いますがそれについてはこれからの記事では考慮していません
5. いろいろ事情があって計算に使ったExcelのシートはアップロードしません。実際に同様の計算をしてみたいという方は「東京でカノープスを求めて(1)」のシートがそのまま使えます。ソルバーの使い方についても説明してあります。
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まず広角端28mmから行きます。
調べ方は星野写真を撮り
「東京でカノープスを求めて(1)」
に書いた方法でカメラの向きや傾きとともに歪曲収差の大きさを求めグラフ化したものです。
恒星の位置は非常に正確にわかっていますし点光源とみなせますのでそのことを利用して画像上の理論的(=収差のないレンズという意味です)な位置と実際の画像上の位置の差を調べることによって歪曲収差を精度よく確かめることができます。
使った星野写真はこれです。
縮小したのであんまり恒星が写っていないように見えますがオリジナルにはそこそこ写っています。オリオン座が中央にあって右上にアルデバラン左下にシリウスという構図です。
ここから画像中心から距離ができるだけいろいろな値になるように恒星を選んで計算します。
使用した恒星は
Aldebaran
Betelgeuse
Bellatrix
Alnilam
Hatysa
Rigel
κ Ori
βMon
Sirius
の9個です。ほんとはもっと数がほしいのですがけっこう手間なのでこのあたりで妥協しました。これでも傾向はつかめていると思います。
「東京でカノープスを求めて(1)」や 「意外に大きかった(?)レンズの歪曲収差」の記事では歪曲収差についてあまり詳しいことをかかなかったのでここでちょっと説明しておきます。
まず歪曲収差は画像中心からの距離の関数であると仮定します。そして関数は四次関数として計算上の位置と実際の位置ができるだけ一致するように係数を決めます。係数は五つあることになりますが、0次(定数)画像中心での収差ということになるのでこれは0です。1次の項はスペック上の焦点距離と画像から求めた焦点距離の比を意味するのですが今回は画像から求めた焦点距離をそのままスペック上の焦点距離としていますので1にしておきます(ズームレンズで焦点距離を知るのは難しいですしスペックやExif情報の焦点距離はあんまりあてにならないようです)
今回の場合次のような係数になりました(x=画像中心からのピクセル数/1000としています)
a:歪曲補正(一次) 1.00000
b: 〃 (二次) 0.00620
c: 〃 (三次) -0.01328
d: 〃 (四次) 0.00234
三次の項の係数がちょっと大きめなのですが、これについては思い当たることがあります。確証が得られたらまた記事にしたいと思います。
結果のグラフです。
画像の中心から700ピクセルくらいの範囲は直線性がいいのですがそれを超えたとたん距離が大きくなるほど星像は実際の位置より内側に写るようになります。画像の隅では80ピクセル以上内側になります。典型的な樽型収差と思われます。
(2013-12-04 16:39:15)
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「ズームレンズの歪曲収差(28mm)」 編集
「意外に大きかった(?)レンズの歪曲収差」 編集
「東京でカノープスを求めて(1)」 編集