『絞め殺しの樹』河﨑秋子 | 「おかまいなく。」

「おかまいなく。」

着地点を見失いがち。



前情報なく図書館の返却棚から見つける。

今、利用している図書館は、本のどこにも帯を貼付していないのでざっくりした内容も分からない。

「ホラーかしら」と思うような表紙の雰囲気とタイトルを見て一旦返却棚に戻したが「ねこじゃないっ?」ともう一度表紙を見る。振り返るしろねこが描かれていた。その場で自分のスマホで本の情報を調べ、興味深い内容だったので借りて帰る。


逃げるも人生、とどまるも人生。

生まれた時代、生まれた地域、生まれた家庭は選べない。

どう生きるかは自分次第。


同じ北海道の作家である桜木紫乃氏の『緋の河』を思い出しながら読み進めていた。

逃げた主人公、とどまった主人公。

『緋の河』の主人公が北海道を去る時シーンと『絞め殺しの樹』の主人公が根室に戻るシーンは正反対ではあるが、どちらも心揺さぶられるものがある。


もう一度読みたいっ。