先日も紹介した『東京が壊滅する日――フクシマと日本の運命』を発売された広瀬隆さんが自著について書かれている。発売以来大反響となり、第3刷が決定した。とのこと嬉しいが、この本が数十万部売れるような空気になってほしい。残念ながら、脱原発の機運は後退している。私が原発関係のことをブログに書いてもアクセスがいつもの半分位になってしまうという悲しい現実もある。電気が足りており、電力会社も利益を出しているのになぜ原発を動かす必要があるのか? という根源的な問いに全国民が向かい合う時だと思う。なぜ、これでも原発を再稼動させなければならないのか。
広瀬隆さんは福島の原発事故は一段落したのではなく、まき散らされた放射能による被害がこれから数十年出てくると書かれている。東京を含めた東日本で今後10年で放射能被害によりガン患者になる人が20万人以上。今後50年では約50万人と根拠を示して書かれています。福島の原発事故は一段落したのではなく、これから数十年にわたり、恐ろしい放射能による大量のガン患者の発生という悲劇が起こるのだ。
『原子炉時限爆弾』で、福島第一原発事故を半年前に予言した、ノンフィクション作家の広瀬隆氏。このたび、壮大な史実とデータで暴かれる戦後70年の不都合な真実を描いた『東京が壊滅する日――フクシマと日本の運命』が発売以来大反響となり、第3刷が決定した。
「原発」の本来の目的とは何か?
改めて言っておきたい。
原発とは、「原子力発電」の略語である。
つまり日本では、「発電する」ことに、原発本来の目的がある。
電気が足りているのに、なぜ原発を動かす必要があるのか?
廃絶すればいいではないか。
一方で、原子力発電所をかかえる自治体の首長たちは、「原発がなくなれば、地元経済が崩壊するので、再稼働は必要だ」と考える人間が多い。
もっともらしく聞こえるが、これもまったく道理に合わない話だ。そう主張する鹿児島県知事・伊藤祐一郎たち自治体の首長たちは、よく聞くがよい。
もし原発がなくなると地元の経済に悪影響があるなら、「電源三法交付金」は、原発経済から脱却するための資金として、今後もしばらく交付を続けるべきである。
13の道県の住民に危険性を押しつけて、原発のほとんどの電気を使ってきた大都会人に責任があるのだから、国税を投入して、立地13道県を救済するべきである。ただし年限を10年ぐらいに区切って、原発に代る別の地場産業を生み出すまでの地域再生基金として使わなければならない。
安倍晋三らがおこなってきた東京オリンピックに向けた放漫支出や、再稼働に熱中して浪費してきた大金2兆4000億円に比べれば、その交付金は、見えないほど小さなものだ。それぐらいのことは、簡単にできることである。原発立地市町村の経済など、日本全土に比べれば、実に小さなものだ。地元経済には、なんの問題もない。
むしろ、この13の道県の住民に迫っている深刻で、重大な危険性は、別のところにある。原発を運転したあとに出てくる高レベル放射性廃棄物が、日本全土で行き場を失っていることだ。
この放射性廃棄物とは、フクシマ原発事故で日本人全員が頭からかぶったセシウムやストロンチウムと同じ危険物のことである。
六ヶ所村のプール容量はすでに満杯!
う行き場がない!
これまで電力会社と国が、青森県の人間をだまして六ヶ所再処理工場を建設し、そこに13の道県の原発から出る使用済み核燃料と呼ばれる放射性廃棄物のかたまりを持ち込んできた。
だが、この再処理工場の巨大な3000トンの貯蔵プールは、満杯でパンクしている。したがって、これから再稼働する原発から出る危険物は、もう六ヶ所村に持ってゆけないのである。
六ヶ所村のプールは、ウラン換算で3000トンの容量を持っていたが、そこに昨年2014年3月までに、全国の原発から合計3376トンの使用済み核燃料を持ち込んできた。
どうしてこうなったのだろうか?
再処理とは、使用済み核燃料からウランとプルトニウムを取り出し、これとは別にセシウムやストロンチウムなどの危険な放射性廃棄物を取り出し、化学的に分離する作業である。
その分離された放射性廃棄物は、溶液に溶けた「沸騰しやすい液体」として発生する。そこで、すぐにこれをガラス固化体という固形物にしないと、青森県が超危険な状態になる。
ところが、この再処理工場を運転する日本原燃は、技術的に無能力なまま、強引に再処理に踏み切ったため、このガラス固化に失敗して、先の見通しがまったく立たない。つまり再処理不能なのである。
日本全土の原発から使用済み核燃料を受け入れるどころか、厳重な管理を必要とする液体なので、いつ大事故が起こってもおかしくない状態にある。
東日本大震災後の今日まで4年間、ずっと、茨城県を震源とする地震が数えきれないほど起こってきた。首都圏の人間であれば、たびたびの激震を覚えているはずだ。私が二年前に東海村で講演した当日も、大きな揺れの地震があって、地元の人は、震え上がっていた。
東京オリンピックなどを開催している時なのか?
なぜ、『東京が壊滅する日』を
緊急出版したのか
現在、福島県内の子どもの甲状腺ガン発生率は平常時の70倍超。2011年3~6月の放射性セシウムの月間降下物総量は「新宿が盛岡の6倍」、甲状腺癌を起こす放射性ヨウ素の月間降下物総量は「新宿が盛岡の100倍超」(文科省2011年11月25日公表値)という驚くべき数値になっている。
東京を含む東日本地域住民の内部被曝は極めて深刻だ。
映画俳優ジョン・ウェインの死を招いたアメリカのネバダ核実験(1951~57年で計97回)や、チェルノブイリ事故でも「事故後5年」から癌患者が急増。フクシマ原発事故から4年余りが経過した今、『東京が壊滅する日――フクシマと日本の運命』で描いたおそるべき史実とデータに向き合っておかねばならない。
1951~57年に計97回行われた米ネバダの大気中核実験では、核実験場から220キロ離れたセント・ジョージで大規模な癌発生事件が続出した。220キロといえば、福島第一原発~東京駅、福島第一原発~釜石と同じ距離だ。
核実験と原発事故は違うのでは? と思われがちだが、中身は同じ200種以上の放射性物質。福島第一原発の場合、3号機から猛毒物プルトニウムを含む放射性ガスが放出されている。これがセシウム以上にタチが悪い。
3.11で地上に降った放射能総量は、ネバダ核実験場で大気中に放出されたそれより「2割」多いからだ。
不気味な火山活動&地震発生の今、「残された時間」が本当にない。
子どもたちを見殺しにしたまま、大人たちはこの事態を静観していいはずがない。
最大の汚染となった阿武隈川の河口は宮城県にあり、大量の汚染物が流れこんできた河川の終点の1つが、東京オリンピックで「トライアスロン」を予定する東京湾。世界人口の2割を占める中国も、東京を含む10都県の全食品を輸入停止し、数々の身体異常と白血病を含む癌の大量発生が日本人の体内で進んでいる今、オリンピックは本当に開けるのか?
同時に、日本の原発から出るプルトニウムで核兵器がつくられている現実をイラン、イラク、トルコ、イスラエル、パキスタン、印中台韓、北朝鮮の最新事情にはじめて触れた。
51の【系図・図表と写真のリスト】をはじめとする壮大な史実とデータをぜひご覧いただきたい。
「世界中の地下人脈」「驚くべき史実と科学的データ」がおしみないタッチで迫ってくる戦後70年の不都合な真実!
よろしければご一読いただけると幸いです。
日本の原発からどうやって全世界へ原爆材料が流れ出ているのか?
http://diamond.jp/articles/-/75642
福島原発事故 メディア報道のあり方 広瀬隆