今後の増税策として、一部に浮上しているのが、資産にも税をかける「資産税」案である。国民の金融資産1400兆円(純資産1100兆円)があり、きわめて魅力的。ただ、憲法に規定されている「個人の財産権」の侵害にあたる可能性があるため憲法改正がないと無理だという見方もある。しかし、国家非常事態では超法規的に認められる可能性もある。
「資産税」導入で思い出すのが、2001年のIMFが日本の財政破綻をシミュレーションした「破産処理計画」、いわゆる「ネバダ・レポート」である。2002年国会で民主党の五十嵐文彦議員が、この「ネバダ・レポート」について触れてhttp://www.shugiin.go.jp/itdb_kaigiroku.nsf/html/kaigiroku/001815420020214010.htm?OpenDocument#p_top
注目を集めたため、ご存じの方も多いかもしれない。数年前にブログで紹介したところ、かなり反響がありましたので、改めて、その要点を紹介させていただく(基本的な考えは、企業が会社更生法適用になれば、会社・社員・債権者などの利害関係者が痛みを受けますが、それを国に適用したようなものです)。
①公務員の総数30%カットおよび給料30%カット、
ボーナスは全てカット。
②公務員の退職金全てカット、
③年金一律30%カット、
④国債利払い5~10年停止=事実上無価値にする、
⑤消費税を20%へ、
⑥課税最低限度年収を100万円まで引き下げる、
⑦資産税を導入する。不動産は公示価格の5%を課税、債券・社債は5~15%の課税、株式は取得金額の1%を課税、
⑧預金は一律、ペイオフを実施するとともに第2段階は預金額の30~40%を財産税として没収する。
このレポートから14年が経過したが、公務員制度改革や税制改革、超低金利政策、ペイオフ解禁など段階的に着手、実行されてきている。残されているのは「国債暴落」「資産税導入」「預金封鎖」と同義と言える内容である。
日本の財政状況を考えると、そのタイミングが近づいていることは間違いなく、「IMF管理下」への心構えと覚悟をしておくことに越したことはないだろう。
ただし、現在の欧州金融危機やアメリカの経済失速に端を発した、世界経済の失速に対しては、今回のIMFは処方箋として次のような政策を求めている。
1)財政再建を急ぎ過ぎてはならない。現実的な中長期的再建をせよ。
2)銀行の健全化を進めよ。
3)各国の経済成長基盤を外需から内需にシフトして求めよ。
つまり、国内の融資状況を改善し、内需振興のために積極的な財政出動をして経済の立て直しをせよと言っているようなものだ。短期の政策目標と長期の政策目標は分けて考える必要がある。
IMF