東電 安全や原発収束より株主総会が大事か 債務超過を恐れ、地下水遮蔽壁や浄化装置の費用公表せず | 21世紀のケインジアンのブログ

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 東電の呆れた隠蔽体質がまたもや発覚した。今回は現在や今後の国民の安全に関する非常に重要で危険な隠蔽である。



 福島原発の地下にジワジワと漏れる高濃度汚染水が海や川に到達する前に一刻も早く地中深くにコンクリートの遮蔽壁を張りめぐらせるべきなのに、計画は宙に浮いている。 理由は費用である。地下に壁を築く費用は1000億円レベル。公表すれば「いよいよ債務超過か」と判断され、今週28日の株主総会を無事に乗り切れない。そんな思惑から抜本対策を先送りした疑いが強い。


そもそも、福島原発の地下にジワジワと高濃度汚染水が漏れていることを隠蔽していたこと自体が大問題である。地下に漏れた高濃度汚染水は地下水や海に流失するのである。このことを知らない人が殆どではないか。



 この件は、そもそも毎日新聞が20日にスクープした。タイトルは「『地下バウンダリ(遮蔽壁)』プレスについて」。今月13日付で政府に提出し、翌14日に記者発表の予定だったという。文書には遮蔽壁の図面のほか、記者発表に臨む東電側の想定問答がまとめられているという。その内容はひどい。そこでは費用は『設計次第で1000億円レベルとなる』と指摘。『さらなる債務計上を余儀なくされることになれば、市場から債務超過に一歩近づいたとの厳しい評価を受ける』との懸念を表明し、『着工時期や費用は今後の調査・設計次第で不明』という立場で記者会見に臨むことを政府に伝えている」。つまり、事実を隠蔽した記者会見をやりますと東電が政府に事前に伝えていたのである。



 結局、東電は14日には発表せず、17日の2度目の工程表の改定で「地下水の遮蔽壁の検討」という項目を追加した。建設費や着工時期などは一切、明かしていない。その後、毎日新聞のスクープ以降、記者会見でこの件をたびたび質問されたが「そのような事実はない」としらばっくれていた。あまりにマスコミの追求が厳しかったのか、ようやく24日になり、『地下バウンダリ(遮蔽壁)』の計画があることを渋々認めた。費用も「アバウトで1000億円」と言った。しかし、いまだ、この『地下バウンダリ(遮蔽壁)』が緊急には必要とは考えていないと突っぱねている。


一方、細野首相補佐官は『地下バウンダリ(遮蔽壁)設置の緊急性は極めて高い』と主張している。それでも、いまだに東電は1000億円の建設費の負担に及び腰だという。政府も支援には消極的で『地下バウンダリ(遮蔽壁)』着工のメドはついていない。地下に漏れた高濃度汚染水が地下水や海に流失してしまう前に早く『地下バウンダリ(遮蔽壁)』を設置するようメディアも国民も声を上げなければならない。このままでは大変なことになってしまう。残された時間はあまりないようだ。