周りは辞めさそうと必死だがなかなか辞めない菅さん。この粘り腰は常人ではない。そうは言っても早晩辞めなければならない菅さんにお願いがある。
「自然エネルギー促進法案」をなんがなんでも通してほしいのだ。この法案は現在割高な自然エネルギーを電力会社に全量買い取らせることになるので、電気料金が上がる。だから、財界は猛反対。経団連の米倉会長は「こんな社会主義的政策はない」と怒っている。私はそうは思わないのだが。民主党や自民党でも賛否が分かれているが、どちらかと言えば反対が多い。つまり、普通では通らない法案なのだ。
福島原発事故が未だ収束していないこの時期に、しかも、時の総理が国会議員になって以来30年も自然エネルギーの促進をライフワークにしているなどという絶好のチャンスは次にいつ来るかわからない。菅さんは総理を辞めるカタに「自然エネルギー促進法案」を成立させることを約束させて、なんとか実現させてほしい。
自然エネルギーはじっと待っていて自然に普及するものではない。現在は割高な自然エネルギーを電力会社に固定価格で全量買い取らせることで、この分野にビジネスチャンスを見いだす多くの企業が参入し、競争のメカニズムが働き、技術開発が促進されコストダウンがなされ、採算に乗る電力となり普及していくのである。太陽光発電に多額の補助金を投入してきたスペインやドイツでは当初はかなり割高だった太陽光発電が採算ラインに後一歩というところまできている。このように自然エネルギーを爆発的に促進させるには、まずは、現在割高な自然エネルギーを電力会社に全量買い取らせることが不可欠なのでである。
また、「自然エネルギー促進法案」が成立することでみんなの意識も変わる。自然エネルギーは決して夢のように現れるモノではないことがまず良く分かる。そして、割高な部分は電気料金に上乗せされるというコストアップの現実にも直面する。コストアップなしの脱原発は難しいことがわかる。さらに、今すぐ原子力発電を自然エネルギーに置き換えることはできないこともわかる。当面は火力発電に頼るしかないのだ。すると、単に「脱原発」とか「原発推進」といったことを言うだけでなく、総合的にこれからのエネルギー政策をどうしたら良いのかということをみんなが真剣に考え始める大きなきっかけになる。その流れができれば、電力会社が握る送電網に自然エネルギーを流す時に、高い送電料金を課して自然エネルギーの発展を邪魔することがないように、送電網を発電から分離して国有化なり自由化しなければならないということに自然と到達するからだ。こうした認識を国民が共有するというこうした大きな流れの第一歩が「自然エネルギー促進法案」の成立である。これは日本を変える大きな法案だ。菅さんこれだけは驚異の粘り腰で執念を持ってやってから辞めてくれ。