白川日銀総裁はデフレ脱却について、次のように語った。
物価が持続的に下落するデフレ。人口減少と生産性上昇率の低下から、潜在成長率がじわじわ下がる傾向に歯止めがかからないことがデフレという減少に出ている。これが問題の本質だと正確に理解しないと行けない。痛みを伴うが、これに取り組まない限り、デフレから脱却できないという基本認識をしっかりともつ必要がある。
企業は高い利益を享受できる新たな市場を創造し、開拓していくチャレンジが大事になる。日本の企業はこれまで主としてコスト削減やコスト構造の改善による生産性の引き上げを優先する戦略を取ってきた。いわば、経営の効率性の追求だ。これはこれで大事だと思うが、ただ、日本は今、人口が減少していて既存の国内市場が縮小に向かうなかで、「市場を創る」という戦略がない限り、発展はやはり難しい。
政府の最大の仕事、企業や金融機関がチャレンジしていくことを可能にする環境を整備していくことだ。グローバルな競争上、日本の企業が不利になる制度がないか、不断に点検していくことが求められている。FTAやEPA,TTPの推進、税制や規制の見直しは重要なポイントとなる。人やモノが成長分野に流れるようにしていかないと行けない。個人が挑戦して失敗しても、もう一回挑戦できるセーフティーネットの整備もやはり必要だ。
最近の日本社会を見ていると、気分の持ちようも大事だと思う。全てを否定的に考える気分の持ちよう自体が経済の成長力を落としている一面もある。過度の悲観論は一掃した方がいい。
白川日銀総裁は直接言及していないが、金融政策の限界を強く訴えている。最後は、学者肌でクールな印象の白川日銀総裁がケインズの「アニマル・スピリット(血気)」のようなことを言っているのが実に興味深い。