米国でも異常な金融緩和が続いています。さすがにガイトナー財務長官は強いドルが望ましいと発言しましたが、足もとでさらに金融緩和を行っているためにドルは対円でますます下がっており、また最近はインフレ率にしたがって利率が決まるインフレリンク国債の利回りがマイナスになるという異常事態が起きています。そして投機的格付けの社債の利回りが大幅に低下するという異常事態が起きており、あふれ出したマネーが中国を含む新興国や資源食料市場に流れ込みこれが不景気の株高・物価高を引き起こしています。
さらに米国の場合には実は今非常に大きな金融危機が新たに表面化するという懸念が広がっているのです。それはここ数年間に爆発的に増えた住宅ローン破綻に伴う住宅の差し押さえの過程で、ローンを貸し出して証券化を行った金融機関が実は書類をきちんと揃えずにでたらめな仕事をやって来ていたことが次々に露見し始めていて、政府系金融機関のファニーメイを含め、多くの金融機関が差し押さえ業務を一時停止する事態になっています。そして今後金融機関がその瑕疵の責任を取ってローンの買い戻しをしなければならなくなった場合、その総額は業界全体で数十兆円に達しそうな勢いなのです。既にバンカメに対しては米国の中央銀行FRBを含む投資家グループから1兆5千億円近い賠償請求が出ていますし、政府が金融危機対策で買い取った同社の証券化商品約4兆円についても買い戻しを求められる見通しです。
これは日本に置き換えると、1990年代後半に入って政府が大きな金融機関は一行たりとも潰さないと言っていたのにもかかわらず、相次いで潰れ始めた時と同じ雰囲気であり、もはや大統領や政府の信認が地に墜ちたところで金融機関の倒産が始まれば、未曽有の金融危機が起こりえます。