【二兎を追う者は一兎をも得ず】ということわざがあります。
二羽のうさぎを捕まえようとすると、結局は一羽も捕まえられずに終わってしまうという意味で使われます。
たしかに、このことわざには正しい側面もあります。
AとBがあって両方を取りに行こうとするよりも、どちらかに絞って取りに行った方が力が分散しないで済みます。
結果として、両方を得ることができなくても最低でも片方は得られる可能性が高まります。
しかし、この解釈はよからぬ思い込みを作ってしまう場合があります。
一方を選択するということは一方を犠牲にしなければいけないという間違った思い込みです。
『仕事と家庭の両立が難しい』と悩んでいる人がよくいますが、これにはどちらかを捨てなければいけないという価値観が根付いている可能性があります。
仕事も家庭もどちらも大切なので、本来は天秤にかけるべきものではないのです。
『両立させるにはどうすればいいのか』ではなく、どちらも取りに行けばいいのです。
両方とも成立しているのが自然の状態だと考えるのです。
もちろん状況によって一つに絞り込む時期や場面も必要ですが、常に犠牲を必要とする考え方は自分の可能性を自ら潰してしまう場合があります。
【どちらか】で迷って行き詰ったときには、【どちらも】という選択肢もあることを思い出しましょう。