サービスにおいては、あたりまえですがお客様からお金を払っていただく必要があります。
最低限、会社を存続するだけの利益を上げていかなければ、お客様へのサービスを継続していくこともできません。
世の中に真に必要なサービスというのは、サービス提供側とお客様が共に幸せになるものです。
そのためには、いかにお客様に喜んでお金を払っていただけるかを考えることが大切です。
適正なサービスを提供できていれば、払ってもらった金額はその人の喜びや楽しみの総量を表します。
どちらか一方だけが良い思いをするというのでは、サービスとはいえません。
会社が利益を追求するのは、大原則です。
しかし、ただただお金を追いかけているだけの会社がたくさん存在するのです。
例えば、水商売で考えてみます。
水商売では『お金を使わせる』、『シャンパンを空けてもらう』といった表現があります。
水商売のグレーなイメージとも重なり、これらの言葉からはいかにも『取れるだけ取ってやろう』といった悪い意図を感じさせる響きが連想されます。
実際に無理にシャンパンを煽ったり、お酒が入っていたりお客様側からあまり突っ込めないのをいいことにふっかけたりする店もあります。
水商売では【言い値】という言ったもん勝ちの料金システムがある意味でまかり通っています。
これは業界の常識といっても間違いではないので、お金を持っているお客様を見つけたら短期的に儲けようとするお店がいくつも存在します。
しかし、これではお客様は離れていくどころか、そもそも定着しません。
嫌な思いをしたお客様はもう2度とそのお店に足を運ぶことがないどころか、その店の悪評を周りに広めます。
これは、店側にとっては致命的です。
勘違いしているお店が多い証拠に、水商売は立ち代わりが激しく5年も10年も存続するというのはかなりの少数派です。
会社の存続の難しさは一般企業も同様ですが、水商売には水商売特有の難しさもあるのは事実です。
しかし、長期的にやっていけるところは少数なだけであって、それが決して難しいわけではありません。
あたりまえのことをあたりまえに徹底できればいいのです。
換言すれば、いかにあたりまえをあたりまえにできていないお店が多いかということです。
細かい部分はいくつもありますが、ひっくるめて言えばいかにして【使った金額】=【楽しんだ金額】に持っていくことができるかです。
これは、最低ラインです。
少なくともイコールでなければお話になりません。
適正なサービス状況下において10万円使っていただいたということは、少なくとも10万円分は楽しんでいただいたということです。
これは、お金の桁が変わっても同じです。
100万円使ったということは、100万円分は楽しんでいただけたということです。
気付いたら100万円も使っていたということは、気づいたらそれだけ楽しんでいたということです。
100万円分、夢中で時を過ごしていたということなのです。
夢中になるということは、楽しんでいるということです。
『お金を使わせる』というと、嫌な感じがします。
でも、お金を使わせることの本質は、相手を楽しませるということです。
楽しかったからこそ、お金を払うのです。
払ったお金というのは、楽しんだ結果です。
つまり、どんどんお金を使ってもらえるようなサービスを整えなければいけません。
【お金を使わせる】という言葉は、【お客様を楽しませる】という意味で使わなければいけません。
『楽しかったけど・・・』といってお金を払うことを渋るのは、ホントは楽しんでいません。
お金というのは、本音です。
大切なお金を、建前でわざわざ嫌な思いをするところには払いません。
楽しいところには、必ずお金がついてまわります。
だからこそ、一緒にいると楽しい魅力的な人の周りには人が集まってくるのです。
人間は、楽しいことが大好きなのです。
楽しそうな人を見つけると、自分も楽しもうとその人に近づきます。
お金は人が運んでくるものなので、楽しい人にはお金もついてくるということです。
どうやったらお金を稼げるかではなく、どうやったら楽しませることができるのかを考えましょう。
楽しませることが、お金を稼ぐ方法だからです。