アイディアを求められることがあります。
程度の差こそあれ、どんな仕事をしていても必ず求められるのが企画というものです。
アイディアを求められたときに大切なのは、アイディアを出すまでのスピードです。
スピードを極限まで高めるためには、常日頃から考えておくことです。
アイディアを求められてから考え始めるようでは、遅いです。
何もないしんどい中から『ウンウン』いって絞り出しているようでは、出てきたアイディアも苦し紛れのしんどい結果で終わります。
生れるまでに時間のかかった企画は、つまらないと相場は決まっています。
楽しいものは、勢いでポンポン決まっていきます。
スピード感があるのです。
アイディアを無尽蔵に出せる人は絞り出すという作業こそ共通していますが、既にアイディアとなる材料がたくさんストックされています。
アイディアを生み出す仕組みというのは頭の中の話なので、言語化するのが難しいです。
また、人によって細かくは違います。
しかし、おおまかに共通していえるのは、まずその仕組み自体を造るということです。
仕組みというのは、方程式のようなものです。
アイディアを生み出す方程式が頭の中にあって、そこに何か材料を投げると『ポン!』と音を立ててアイディアが出てくるという感覚です。
つまり、順番としてはアイディアそのものを見つけよう、生み出そうとするのではなく、アイディアを生み出す枠組みそのものをインストールしてしまうのです。
インストールするには、まずは数をこなすことです。
しょうもないと思えるようなアイディアでも、どんどん吐き出していきます。
最初のうちは、アイディアとはとてもいえないような情報の断片ばかりです。
吐き出して空っぽになると、今度はインプットする力が向上します。
インプットの質は、アウトプットしてきた量に比例します。
空っぽになるまでアウトプットして、またインプットして、というのを繰り返していきます。
そのうちに、自分の頭の中に方程式が出来上がります。
ここまでがスタートラインです。
ここまで来ると、1つの情報や知識に触れただけで、自分の中の既存の情報や知識のストックと結びつくようになります。
そもそも、多くのアイディアは既存のアイディア同士の組み合わせです。
自分ではオリジナルだと思ったものでも、無意識の内に今まで触れてきた情報から生まれた発想なのです。
アイディアを出せない人は、完成したアイディアそのものを思いつこうと頑張ってしまいます。
アイディアを出せる人は、アイディア力があるわけではありません。
強いて言うなら、数多くの断片をストックする力と、それを組み合わせる力に長けています。
それらの力を向上させるには、更に圧倒的な量のインプットが求められます。
本、映画、人との会話、すべてが有効です。
莫大な量のインプットを繰り返していると、1つ1つの断片が知らない間に有機的に結びついていきます。
まるで化学反応が起こったような状態になります。
ここまで来ると、ネタ切れということはあり得なくなります。
何かのアイディアを生み出そうとする過程で、更にアイディアの断片が生まれるからです。
そしてその断片はストックしていた断片と自然に結びつきます。
1つのアイディアが生まれた頃には、いつの間にか別の企画も誕生しているのです。