突き刺すように冷たかった風が
舞うように、私の横をふわっと通り過ぎた
ストールが、踊るような風になびき、頬を撫でる
信号待ちのその一瞬、春の到来を告げられた
私にも、そっと春は訪れる
樹々は芽吹き、全ての命が蘇る
また前みたいに
ほんの些細な事を「楽しい」と感じられるようになりたい
暖かい陽射しの中でそう思った
あなたにも私にも街にも
春は容赦無く突然訪れる
春の到来を感謝して
窓辺にすみれの花束を飾ってみよう
そしてこんな日は
空の上からあの子達が笑って見てくれているような気がする
みんなで、頬を寄せ合って