春風の輪舞 | 伽想詩

伽想詩

愛するものは猫と本と花......そしてantique

突き刺すように冷たかった風が

舞うように、私の横をふわっと通り過ぎた

ストールが、踊るような風になびき、頬を撫でる

信号待ちのその一瞬、春の到来を告げられた


私にも、そっと春は訪れる

樹々は芽吹き、全ての命が蘇る


また前みたいに

ほんの些細な事を「楽しい」と感じられるようになりたい

暖かい陽射しの中でそう思った


あなたにも私にも街にも

春は容赦無く突然訪れる


春の到来を感謝して

窓辺にすみれの花束を飾ってみよう


そしてこんな日は

空の上からあの子達が笑って見てくれているような気がする

みんなで、頬を寄せ合って