昨日、NHKで映画を観ました
黒木華さん、樹木希林さんの自然な、誠実な演技が光ります
お茶を通して、季節を感じ、一日一日を大切に生きることが語られています
私の育った家の裏に尼寺がありました
年代の違う三人の尼様が静かに暮らしていました
小学生の頃、中の尼様に宿題をみてもらい、末の尼様に習字を教えてもらいました
犬、猫、小鳥を飼っていて、賑やかで、尼寺は小学生の憩いの場でした
高校卒業後は、お茶とお花を末の尼様に習いました
お茶会もお免状もないゆるい習い事でした
映画みたいに、テキストはなく、口伝えで帛紗さばきなどの所作を教えてもらいました
「お茶は形から入るのよ」
と映画で言っていましたが、所作の意味を考えることなく、何度も繰り返すうちに身につき、自然に動けるようになりました
季節ごとにかわる床の間のしつらえ、お茶道具、お菓子、とても贅沢な時間でした
習いに来ていたのは、近所の同世代の人でしたが、茶室の中では静謐で凛とした空気が流れていました
お正月明けには初釜があって、小紋の着物を着ていき、濃茶をいただきました
その後は、無礼講のトランプで大貧民とかしました
映画をみながら、そんな昔のことを思い出しました
尼様がたも皆亡くなり、尼寺は無人となりました
寂しいですが、素敵な記憶です