玄関マットをさがしていました。
ずうっと大分前から、買いたい買いたいと思っていましたが
近所の店にはなかなか気に入った品がなく、見送ったままになっていました。
先日、たまたまデパートに行く機会があって、あまり期待しないで、「家具・インテリア」の階に行ってみました。
すると なんとそこには私が求めていたようなタイプの玄関マットが並んでいたのでした。
私が求めていたようなタイプ・・・とは、いわゆる「玄関マット」らしいもので、ちゃちな「ラグ」とかではなくて、かわいいタイプのものでもなくて、「welcome」なんていうのりじゃないものです。
ようするに 昔ながらの玄関マットがほしかったのです。
感心したのはそれからです。
何気なく店員さんに、玄関マットについて話をきいたのです。
するとすると、その方がたいへん「じゅうたん」に詳しい方で、面白い話をたくさん聞かせてくださったのです。
絹がまじっているとそうでないものとのちがいを、現物を前にして説明してくれたり、毛の向きによって、色の見え方が変わってくるので、季節によって向きを変えるといいという話をしてくれたり。ペルシァなどのじゅうたんは宗教上の理由から、左右対称のものはないのだと教えてくれたり。(なんでも、人間の作るものは、完璧であってはいけないからだそうです)
柄にもいくつかパターンがあり、名前がついているものもあること。
象の足跡や、ハスの花の図柄が有名だそうでした。
また、床の色によって、マットの見え方が違うということでした。
うちのフローリングの色がこげ茶だというと、こげ茶色の床のようなマットをしいて、その上に玄関マットを乗せて見せてくれました。たしかに、近くでみているのと、立って、床の上にのっているマットをみるのとでは、全然感じが違いました。
ことに「織り方」についてはびっくりでした。
私は、日本の機織り機のようなもので手織りをしていると思っていたのですが、そうではなくて、「手結び」をしているそうです。
縦糸に、横糸を一本一本図案に従って、手で結んでいくそうです。
そして、そのあと結んで切った糸をナイフで削ってそろえるそうです。そのときに、「毛の向き」というのがでてきて、さっきの光による色の違いがでるそうです。
またゲージがあって、きまった長さの中に、いくつ結び目があるかによって、規格がきまってきて、もちろん細かいものは値段もそれ相応にあがっていくようでした。
たまげたのは、100万円以上する玄関マットが、何気なく山積みになっていたことでした。そして、店員さんが、「せっかくだから、これも見ていってください」といって、無造作に丸めてあった玄関マットをひろげてくれたのですが、それがなんと、350万円だったのです。
玄関マットひとつで車が買えるやん。
そんなこんなで、話の面白さ・興味深さには惹かれましたが、所詮買えたのは安物の玄関マット。
でもそれは350万円を見てしまったから安物と思っただけで、実際は○万円もする高級マットなのです。
持って帰って、さっそく玄関にしいて大満足しました。
しっくりと落ち着いて、いい感じでした。
これです!!!!
パキスタン製です。
無着色で、色の違いは、羊の毛の色の違いだそうです。
柄は、左右対称にみえて、よく見ると違います。
間違いさがし遊びもできます!!!
これで、あと20年は、玄関マットは買いません。