さよなら秋葉原ラジオストアー。秋葉原電気街の歴史がまたひとつ消える。 | お出かけ大好き  みみみのごはん

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またひとつ、そこにあって当たり前だと思っていたものが無くなってしまうというので、見に行ってきました。



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いま秋葉原といえば、アニメ、ゲーム、パソコン、そしてメイドカフェなど様々なカルチャーの発信地ですね。


でも、ほんの少し前、秋葉原は「電気街」と言われていました。

大手の電気店が大型店舗を連ねて、冷蔵庫やテレビを売っていたのです。

「電気製品を買うなら、秋葉原が安い」そんなふうに言われていました。


そして、そんな秋葉原のもうひとつの「電気街」それが、今回ご紹介する「ラジオストアー」です。

電気といっても、冷蔵庫やテレビではありません。


こんな感じ。



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秋葉原にこんなお店あったかな?って思う方も多いでしょう。

秋葉原駅のすぐそばなんですが、ちょっとわかりにくい場所にあります。




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中央に、スマイルマークのような赤い看板が見えるでしょうか。

その下が入口です。




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この小さな店が肩を寄せ合うようなディープな空間。


通路を挟んで別々のお店になっています。


向かって左側が「ラジオセンター」そして右側が「ラジオストアー」。

この「ラジオストアー」がこの11月末で64年の歴史に幕を下ろし、閉店となるというのです。


ニュースになったり、ラジオなどで特集されていたりしました。


でも、大きな閉店のお知らせなどは見つけられませんでした。



唯一、移転の案内を大きく掲げていたお店。


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ラジオストアーのサイトでは、お客様への感謝の言葉と共に、64年の歴史に幕を下ろす事、そして各店舗が通信販売や別店舗での営業を続ける案内などがたんたんと綴られていました。

そのあいさつ文の中で、「一つの時代の役割を終える」という言葉があり、とても心にぐっときました。



それでは、中に入ってみましょう。


向かって左側がラジオストアー。


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現在9店舗が営業をしています。


コンデンサー、抵抗、トランジスタなどの電子部品、ツマミや端子の小さな部品。

電線、トランス、工具を扱っているお店もありました。



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ところで、この「ラジオストアー」や、おとなりの「ラジオセンター」に使われている「ラジオ」という言葉。


戦後、あちこちに露店が立ちました。

生活用品や食品などが主に売られていたそうですが、今の秋葉原のあたりには、「ラジオ」を組み立てる部品を売る露店が多かったのだそうです。

ラジオを組み立てる事が流行ったのだとか。

必要だったからでしょうね。


そしてその露店が集まってお店になったのが、ラジオストアーやラジオセンターなのです。

この長屋のようなお店のつくりはそういう事だったのですね。

上野のアメ横や、吉祥寺のハモニカ横丁などとどこか似た雰囲気があります。


初めはラジオを組み立てる部品を買いに来る人が多かったのですが、時代が進み、エレクトロニクスの時代になると、買い物客は名だたる電気メーカーの開発担当の方などに変わります。


試作品などを作る時に、自分の目で部品を一つ一つ選ぶ為に、そして知識のあるお店の方に相談をしながら買い物をしていたのだそうです。



そんな時代が終わり、「一つの時代の役割を終えた」ラジオストアーは、11月末日で閉店します。


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実は私も、特別な思いでこのラジオストアーを見ていました。


ここからかなり個人的な話ですが。


ワタシ、電気関係の会社にいたんですよね。

電子部品を仕入れる部署で働いていたんです。


新人の頃、たまにおつかいに出されました。

会社は秋葉原からかなり離れた所にあったのですが、どうしてもその数個の部品がないと困る!というわけで、仕入れ会社に電話をかけまくり、引き出しの中をさがしまくり、それでもどうしても無いという時、やってきたのがこの場所だったのです。


新人だった私が詳しい事など分かるはずもなく、メモ用紙に書かれた場所と店名を探してたどり着き、ただそのメモに書かれた型番を言い、品物を買うというだけの「おつかい」でした。


手のひらに乗るような小さな部品が5、6個。

数百円とかせいぜい1000円くらいの買い物でした。


でも、その社内の慌てぶりを見ていると、その小さな部品がどれくらい大切なものなのかがわかりました。

無くさないように、落とさないようにとバッグにしっかりとしまって帰ったのを思い出します。


もちろんそれはラジオストアだけじゃなく、もしかしたらラジオセンターだったのかもしれないけれど、忘れられない思い出です。


今回閉店するのは「ラジオストアー」ですが、これが無くなってしまったら、また景色が変わるでしょうね。

また、あって当たり前のものが無くなってしまうんですね。


もちろんいろいろ理由があるのでしょうし、部外者のノスタルジーほど無責任なものは無いですが、でもさみしいなぁって思います。


せめて写真を撮り、記録に残したいと思います。



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さよなら、ラジオストアー。

64年間、お疲れさまでした。


それぞれのお店が、それぞれの場所で繁栄されますように。



※同じ写真に「ラジオセンター」も写っていますが、ラジオセンターは閉店しません。

 これからも営業が続きます。



ラジオストアー ⇒  http://www.akiba-rs.co.jp/




最後までお付き合い頂きまして、ありがとうございました。




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