朝が冷たくのしかかり、むかつく体内で今日の循環が始まって。
出来もしないバスケットボールを無理やりやっている様。
重いようで本当は軽いんだろうなと思えるため息。
目が覚めなかったら怖いとも思わない。
覚めてしまう残酷で転調の少ないソナタ。
いったい今は何楽章なんだろう。
時々思う。
自分が末期の病気だったとして、
死期がすぐそこまで迫ってきているとして、
朝目覚めることこそが一番の恐怖なんじゃないかと。
知らない間に全てが終わっていてほしいのに。
想像するだけで震える。
そのことに自分も他人も苛立つ。俺はとても健康だから。
部屋が汚れるたびに火をつけてとても綺麗にしたくなるような感覚。
シャワーを出しっぱなしにしながら一日中セックスをしたいような感覚。
憂いのある美しい表情を守りたくて、細い首を絞め続けたくなるような感覚。
交差点の真ん中で自分の身体を引きちぎり、肉片を並べてみたくなるような感覚。
時々思う。
本当の意味で0から1を作り出すことが出来るのは女だけ。
真のアーティスト性は女性にのみ自然に与えられている。
サポートとしてのみ必要とされた、
そんな男たちの悩みなんてものは遊びみたいなもの。
どう生きたいか?どう稼ぐか?
そんなものは暇つぶしに過ぎない。
何を言っても御飯事。
そんな中でも生き続けさせるために、男には力が与えられた。
歴史を覗いてみる。
光を求めすぎた人ほど光になっていくみたいで、
その光は勝手に羽虫が消費して。
覆われて失われて消えていく。本当に強いのは誰?本当に弱いのは誰?
3、5、7。美しい調べ。
終わりそのものが興になるまでは奏でていないと格好つかない。
時々思う。
目に映る蛍光灯の光が自分にとっての全てならば、
あるいはその自覚が自分の頭と心に必ずしもあったならば、
決してこのような心理状態にはならなかったはずだ。
小さな部屋で。散らかった部屋で。
俺はいつだって自分の狭い世界だけを見ていたかった。
ふと見ればカーソルが震えながら笑ってる。
人はいつだって鏡の前で笑ったり泣いたり。
自分を写して確かめて。それでいい。
むかつく自分を殺して、また新しいむかつく自分を作っていく。
さようなら25歳。
ささいな転調を繰り返してこの命はなんとなく続いてく。