皿洗いの仕事はラテン系移民がしているレストランが多い。
国境を越えてやってきて、英語もほとんど話さない彼らがアメリカで最初に得る仕事が、皿洗いなのかもしれない。
そして、しょっちゅういなくなる。
朝、出勤すると、まったく知らないアミーゴに、
オーラ!(ハロー)(^O^)/
と、声を掛けられて、
あ、昨日までの皿洗い、辞めたんだ…。orz
と気づく。
昨日まで元気に機嫌よく働いていたのに、今朝出勤してこない、なんてこともしばしば。
皿洗いは、アメリカでのファーストステップ。長年、皿洗いを続けるのも、問題なのだろうが。
ところで、こんなに頻繁に代わる皿洗いだが、募集広告を出すことはほとんどない。
ない、というか、必要ない。
彼らは自分の方からやってくる。
営業時間中、片言の英語で、仕事ないか?と店に入ってくる。
店に入ってくるのが、職を求めてやってきたのか、食を求めて入ってきた客なのかは、すぐ区別がつく。
あちこち歩いて、手当たり次第のレストランに声をかけている、というのが雰囲気で分かるのだ。
私達も慣れたもので、紙と鉛筆を渡し、連絡先を書いてもらって、その場は帰ってもらう。
彼らも慣れたもので、それだけで満足して、そして次のレストランへと向かう。何件か回って、運良くその日のうちに雇ってもらえる店があれば、そこに行こうと思っているのだ。
皿洗いが突然いなくなって途方にくれているときなどは、今入ってくれば、すぐ雇ってあげるのに、と、てぐすね引いて待っていたりするのだが、そういうときに限って現れない。
こんな押し掛け面接希望者を、いつも週に1,2人相手にしていたのだが、最近ちょっと様子が違う。
1ヶ月前くらいから比べると、数がかなり増えた。
働いていた店がつぶれて職を失った、とか、働く場が少なくなって、今、職を持っている人間も、気軽に辞めなくなって、いくら尋ね歩いても、いい返事をもらえないとかで、さまよっている皿洗い志望が多いのかもしれない。
気づいてみれば、日本人向けの求人広告も、かなり少なくなった。
大企業の倒産、不況のしわ寄せは、こんなところにまで、やってきているらしい。