「アダルトチルドレン」という言葉をご存じでしょうかはてなマーク

 

元々は、アルコール依存症の家庭で育った成人した人の事を指した言葉で「adult children of alcoholics」の略です。

 

日本では精神科医で医学博士の斎藤 学(さいとう さとる)先生により日本に広められ、またその概念も元来の「アルコール依存症の家庭で育った」という枠組みよりもさらに広げられ(成長する過程で何らかの環境や教育に問題があったとするまで)分かりやすく紹介されたものです。

 

この「アダルトチルドレン」という言葉は診断用語や病名ではないものの将来的に懸念される各種の依存症や男女関係や親子関係などで表れる嗜虐性(しぎゃくせい:人や動物に対して苦痛を与えることを好むこと。むごたらしい行為を好む性癖の事)から「育つうえで何らかの環境的な問題があった事を表す言葉」として広く知られるものとなりました。

 

「アダルトチルドレン」と言われながら育ち社会生活を送る人は少なくないのですが人とのコミュニケーションで問題が起こる事が多く本人も周りも困って悩んだ末、病院に行ったところパーソナリティ障害と診断される人が最近では多いようです。

 

よく子供のような幼稚な発言や行動に対して「アダルトチルドレン」と言う場合があるようですが、これは本来の「アダルトチルドレン」の意味と使い方とは違います。本来の「アダルトチルドレン」とは、冒頭で書いたようにもっと心理的に深刻な意味を指しますのでご注意ください。

 

では、このアダルトチルドレンを踏まえた上で話を進めていきましょう。

 

クローバー どこか子供でどこか大人な父親の支配 クローバー

 

芸能界という所は承認欲求を持つ人たちが集まる代表的な場所です。

集まる人たちは、純粋に自分の持つ芸を磨き高みを目指す人もいれば、目立ってワーワーキャーキャー言われたいだけの人など承認欲求と言っても半端なく強い承認欲求を持つ人が集まるんです。

 

そんな中には家族との関係が上手くいかず避難場所として芸能界に入って来て花開く人もいれば芸能界の沼に堕ちて行く人も少なくありません。

 

それは私がまだ事務所に所属していた時の事、舞台で頑張っている女の子がいました。

彼女は父親との関係が上手く行っておらず、父親は「家族全員を自分の思うようにコントロールする事が家族の幸せだ」と思っているようでした。

 

それまで彼女に関心がなかった父親が何の切っ掛けか彼女が思春期をむかえる頃になると生活のありとあらゆる事に口出しして来てうんざりし同時にちょっと異常な感じはしていたそうです。

 

父親は彼女曰く「極々普通のサラリーマンに見えると思います。ただ家では、自分の思うようにならないとキレて大声で家族を罵倒して物にあたって家族を怯えさせるんです汗」とのこと。

(※ 怒りで物にあたるようになると直接攻撃は時間の問題で大変危険汗

 

父親は彼女が舞台や芸能活動をする事が気に入らないようで、とにかく反対し顔をあわせれば喧嘩で「そんな事をするより早く結婚しろむかっビックリマーク」「芸能活動なんて自己満足でしかないむかっビックリマークお前のやっている事はマスターベーションと同じだむかっビックリマーク」と言われ「じゃあ結婚はするからこれから口を出すなむかっ」と喧嘩をして、毒にも薬にもならない空気のような公務員の男性と結婚し芸能活動を続けていました。

 

ただ父親は、そんな事で約束を守るわけもなく今度は「子供を産めビックリマーク」と言って来ていてほんとうんざり・・・とこぼしていました。

 

彼女の話を聞く限り、どうやら父親は「子供の一生の結末」までプロデュースしたいようです汗

 

つまり、自分(父親)が選んだ安心できる結婚相手、自分が安心できる安定した生活を送る娘が理想で、その理想から外れる事は自分(父親)が安心できなくなるので許せないわけです汗

 

彼女曰く、父親は祖父母とは仲が悪く自分達(妻や子供)にもあまり祖父母の話しをしなかったが、父親が子供のころに暴力や暴言はあったようで自立してからは、殆ど音信不通の状態ということでした。

 

「こんな父親なんですけど、どう思いますはてなマーク」と彼女は私に聞いてきました。

この時は、カウンセリングではなく電車の中での会話の一つとして聞いただけでアレコレ聞く事も出来ずサラッと聞いただけだったのですが・・・

 

「ん~断定は出来ないとしても、お父さんの『家族への執着』とか『今の生活への執着』とかが強すぎて暴走しているように見えるね。お父さん自身が子供のころ嫌な思いをしながらも大人になって自立して家庭まで持ったという自信の反面、『それが壊れたら・・・』っていう心配と恐怖で『自立して家庭まで持った自分の言う通りにすれば家族は皆幸せなはずビックリマーク』っていう妄想に支配されているんじゃないかなはてなマーク」というと「その妄想にいつまで付き合わないといけないのかな・・・『お前のやっている事はマスターベーションと同じだむかっビックリマーク』と言われた事がショックでここ最近ちょっとメンタルに来てて・・・あせると彼女。

 

「具体的に眠れないとか、何でもない時に泣いちゃうとか、息が苦しくなるとか、体に異常があるなら直ぐに病院に行った方がいいよ・・・それとね、あなたの人生だからあなたが決めるの。お父さんに遠慮したり、気を使ったり、顔色をみたり、自分を責めたりしながら自分の進む方向を決めるのは間違っていると思うよ。あ、それからおとうさんが言った『マスターベーションうんぬん』だけど、私から言わせれば、『それ、そのままお父さんにもあてはまりますよね』って事だから気にする事ないし、言える機会があったら言ってみるのも一つの手。お父さんは、はるか昔に自分が味わった成功体験をもとに家族を従わせて押し付けているだけ、支配したがる人は相手が変化する事を許さないし怖いんだよ。だから自分の知らないところで知らない事をするのを許さない。大人なのに子供なのよ。もひとつ言うなら『言葉は知ってるけど使い方を知らない』厄介な子供って事。嫌なら物理的に離れるのが一番。それを選択するのもあなただけどね。」というと、彼女は「あー何かわかんないけど泣けてきちゃったあせる物理的に離れる事に罪悪感というか、人でなしっていうか、後ろめたさっていうか・・・何かそんな感じをずっと持ってたし、言われてたから『それを選択しちゃいけない』って勝手に思ってました。でも今の話しで物理的に離れてもシャットアウトしてもいいんだって思ったら・・・何かホッとしちゃって・・・あせる」と彼女。

 

これも洗脳の一つです。

 

根本的な問題は父親なので、本当なら父親をカウンセリングしないといけないのですが、それは無理なようなので取り敢えず彼女だけ応急処置としての簡易カウンセリングでした。

 

これ以後、彼女と顔をあわせる事がなかったのでその後を聞く事は出来なかったのですが、あの簡易カウンセリングで彼女が何かこの先のよいヒントを得られたならいいのですが・・・と、思い出して書いてみた今回の記事です。

 

 

 

 

このお話が誰かの心のヒントになれば幸いですラブラブ

 

 

 

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