『ウエイトスミス版』恋人たち
いつだって冷静で客観的な目をもつわたしの元には、今日も苦悩をにじませた相談者が困った問題を携えて訪れる。
「ちょっと聞いてくださいよ」。
わたしは仲をとりもつ神クピドあるいは裁定する女神テミスのよう。
誰かに頼られるということは、それだけ信頼されているということ。
気落ちしている人は励まし、怒りに満ちている人はなだめ、涙が尽きない人にはその背中にそっと手を添えて。
本人たちには見えなくなっている問題の本質を見抜いて解決に導こう。
泣き顔だった人も怒り顔だった人も最後には笑顔になる。
その笑顔につられて、わたしも笑顔になる。
わたしの周りに笑顔の花が咲く、幸せな日。