ひ ふ みわか -3ページ目

ひ ふ みわか

ちょっとした歌とお話

いちにぃさんしぃ ゴーロクしちはちっ

 

にぃさんにぃさん イィにぃさん

いちにぃさんしー イィにぃさん

 

カコもゲンザイ ミライもボンきゅうっ

にぃさんいよいよ キュウっとイキましょ

イキましょかいな にぃさんキュウうっ

 

 

 

 

 

 人形(ヒトガタ)は思った

「いつも姿が違うなぁ、なんか」

 と。

そう、鏡で自分の姿を見る度に、時には古びた人形(ヒトガタ)に見え、また時には新鮮な人形(ヒトガタ)に見えるのであった。

 そこで、人形(ヒトガタ)は思った

「これは、なんか仕掛けられているに違いない」

 と。

 そこで、人形(ヒトガタ)は考えた

「この仕掛けを見破るのは、どうすればいいのか?」

 と。

 そこで、人形(ヒトガタ)は閃いた。それは

「歌おう」

 と。

 

 そうなると、人形(ヒトガタ)にとっては人間にランクを下げる必要があった。しかし、それは人形(ヒトガタ)にとっては大変なリスクを伴うことであった。

 そもそも、人形(ヒトガタ)には音によるコミュニケーションの代わりに、テレパシー直感力が与えられていた。しかし、人間にランクを下げるとなると、そのテレパシー直感力が大幅に減少してしまうのであった。

 そして、人間になったはいいが歌うのを忘れてしまうと、自らのクオリティーを下げて劣化させていくこという危険性があった。

「じゃ、歌えばいいのか」

 と、なるとそこにもまた問題があった。それは、歌うにしても

「自らに捧げる歌」

 で、あることが重要であった。そうではない歌なら、むしろ最初から歌わないほうがいいとも言えた。なぜなら披露する為だけの歌なら、はなから歌わないことよりもさらに疲労困憊、劣化を促進させる危険性があった。

 

 正味な話、人形(ヒトガタ)にとって人間へシフトするのはデンジャラスな冒険であった。しかし

人形(ヒトガタ)として、いつまで居られるのかわからないしなぁ」

 と思った人形(ヒトガタ)は、ここいらでいっちょ賭けに出ることにした。しかしながら、人形(ヒトガタ)もただ賭けに出るだけではなく、準備を整えることを怠らなかった。

 それは、今のうちにテレパシーを使って人形(ヒトガタ)の頃の記憶の欠片を、出来る限り人間に残しておこうと思った。