【今回見た映画】

ディパーテッド(2006米)

ソードフィッシュ(2001米)

ジョン・ウィック:コンセクエンス(2023米)

タイピスト!(2012仏)

ビキニ・カー・ウォッシュ(2015米)


ブレイキング・ニュース(2004中国)

世界を賭ける恋(1959日)

七人の無頼漢 (1956米)

ツーリスト(2010米・仏)

きな子〜見習い警察犬の物語〜(2010日)





ディパーテッド ★★★★☆

2006米。150分。マーティン・スコセッシ監督。ブラッド・ピット他製作。レオナルド・ディカプリオ。マット・デイモン。ジャック・ニコルソン。マーク・ウォールバーグ。マーティン・シーン。レイ・ウィンストン。ヴェラ・ファーミガ。アレック・ボールドウィン。


マサチューセッツ州ボストン南部で暗黒街のボス・フランク・コステロに育てられたコリン・サリバンはボストン警察の特別捜査班(SIU)に任官。組織に警察の情報を流し続ける。


同じ頃に犯罪一家で育ったビリー・コスティガンは自身の運命を変える為に警官になった。


しかしビリーは着任早々にフランク・コステロの組織に潜入捜査を命じられる。



2002年から2003年に架けて3作品製作された大ヒット香港映画「インファナル・アフェア」のリメイク作品。(wiki)こちらは見ていない。


第79回アカデミー賞作品賞受賞作品。


その他の候補は「硫黄島からの手紙」、「リトル・ミス・サンシャイン」など。



150分と長い。大作。


しかし、大作としての“重さ”より先にとにかく面白い映画だった。


テンポがよくて、スリリング。中だるみもない。


結末も納得感があった。この主人公でハッピーエンドは似合わない。



レオナルド・ディカプリオ、マット・デイモンのダブル主演はどちらも良かった。


その他では、ジャック・ニコルソンが素晴らしかった。





ソードフィッシュ ★★★☆☆

2001米。99分。ドミニク・セナ監督。ジョン・トラボルタ。ヒュー・ジャックマン。ハル・ベリー。ドン・チードル。サム・シェパード。


凄腕のハッカーであるスタンリーは逮捕され、現在は保護観察中。別れた妻が娘に会わせてくれないのが悩み。


そんなスタンリーの元に、かつて麻薬取締局の極秘作戦「ソードフィッシュ」で残った裏金95億ドルをハッキングで奪う計画が持ちかけられる。


スタンリーは娘の親権を取り返す費用を稼ぐためにこの提案を受ける。しかし、計画には裏があった。



ギャングに脅されて、自分の能力を仕方なく使う主人公。美女が密かに味方する。


等々、目新しさはないけど話は面白かった。



映像やテンポも良い。


当然、最後はスタンリーが救われてガブリエルが捕まるか死亡すると思って見ていた。


最後は驚いた。


これは、続編を作りたかったのかも。



ジョン・トラボルタが迫力と貫禄。格好良い。


ヒュー・ジャックマン、ハル・ベリーも良かった。主要メンバーが豪華。





ジョン・ウィック:コンセクエンス ★★★☆☆

2023米。169分。チャド・スタエルスキ監督。キアヌ・リーブス。ドニー・イェン。ビル・スカルスガルド。ローレンス・フィッシュバーン。真田広之。ランス・レディック。リナ・サワヤマ。スコット・アドキンス。イアン・マクシェーン。


伝説の殺し屋ジョン・ウィックは組織の粛清を逃れ、裏社会の頂点に立つ組織・主席連合から自由になるべく立ちあがる。



シリーズ第4作。


正直ここまで続くほどヒットしているとは思わなかった。


本作は169分と長い。


もう少しテンポ良く進まないものかと個人的には思ったけど、ネットを少し見たらふそういう不満は出ていないようだった。


アクションが良かった。


キアヌ・リーブスは公開時58歳。達者だ。





タイピスト! ★★★☆☆

2012仏。111分。レジス・ロワンサル監督・脚本(共同)。ロマン・デュリス。デボラ・フランソワ。ベレニス・ベジョ。メラニー・ベルニエ。ミュウ=ミュウ。


1950年代末のフランス。


田舎から出てきたローズ・パンフィルはドジで不器用だが、タイプライターの早打ちが唯一の特技という女性。


保険代理店に1週間の試用で採用されたローズは、タイプライター早打ち大会で優勝するように命じられる。



スポーツをタイピングに置き換えたような話。


ヒロインは、オードリー・ヘップバーンの、昔の映画を意識して役作りをしているそうだ。


「麗しのサブリナ」とか「マイ・フェア・レディ」とか。


確かに、昔の田舎娘という雰囲気で可愛らしい。


最初の我流タイピングは早いけど不器用そのもの。


特訓して進化していくところや、ルイとの恋などスポーツものの王道を見ているよう。


楽しい映画だった。





ビキニ・カー・ウォッシュ ★★★☆☆

(All American Bikini Car Wash)

2015米。95分。ニムロッド・ザルマノウィッツ監督・脚本(共同)。ジャック・カリソン。ジェイソン・ロックハート。ケイラ・コリンズ。


裕福な大学生のジャックは、毎日パーティ三昧。


そんなある日、経営学部の教授から1週間でビジネスを成功させたら卒業単位を与えるとの課題を提案される。


そこで、ジャックは仲間たちとビキニ姿の美女が洗車する「ビキニ・カー・ウォッシュ」を始める。


ビジネスは予想以上の評判を呼が、トラブルも次々と押し寄せて…。



おバカでセクシーな、楽しい映画。


昔、ガソリンスタンドのバイト仲間と「ビジネスアイデア(笑)」としてこんな話をしてたのを思い出した。


誰もが考えそうだけど、ここまで実現させるのは映画ならでは。





ブレイキング・ニュース★★★☆☆

2004中国。91分。ジョニー・トー監督。ケリー・チャン。リッチー・レン。ニック・チョン。


香港警察のチョン達は街中でユアン率いる強盗団と銃撃戦になった挙句に取り逃したところをテレビに撮られてしまう。

そこで、香港警察は市民の信頼を取り戻すためにワイヤレスカメラを装着した機動部隊が犯人逮捕のライブ映像をテレビで放送するという、組織犯罪課の新任指揮官レベッカが発案したメディア対策を開始する。


中国の刑事もの、ヤクザものはシリアスな雰囲気で、ベタで暴力描写が強めなイメージ。

本作でもそれは変わらないけど、さすがに時代が変わったのか暴力描写は昔より押さえ目になった気がした。




世界を賭ける恋 ★★★☆☆

1959日。106分。滝沢英輔監督。武者小路実篤原作「愛と死」。石原裕次郎。浅丘ルリ子。奈良岡朋子。二谷英明。南田洋子。赤木圭一郎。


新進建築家・村岡雄二は批評家・野々村欽也の

誕生祝に招かれるが、野々村が雄二を高く評価することを妬んだ者達に意地悪され、隠し芸を強要される。


野々村の妹・夏子が助け船を出して雄二は救われた。2人はこの時をきっかけに惹かれ合っていく。


やがて雄二に渡欧の話が持ち上がる。ストックホルムから雄二は夏子に毎日手紙を書いた。


3ヶ月が過ぎ、雄二が帰国する頃、夏子は病死していた。



石原裕次郎、浅丘ルリ子が若くてきれい。


石原裕次郎はスタイルが抜群に良くて、2人が並ぶシーンはほれぼれする。


ただ、演技力があるとは言い難いので、夏子の死を知ったシーンはちと辛い。


この人は変に文芸ものなんかや演らずに、刑事物やアクションのあるエンタメ映画が似合うと思う。





七人の無頼漢 ★★★☆☆

1956米。78分。バッド・ベティカー監督。ランドルフ・スコット。ゲイル・ラッセル。リー・マーヴィン。


元保安官のストライドは妻を殺し金を奪った7人組を追っていた。


途中で幌馬車に乗ったジョン・グリーアとアニーの夫婦と同行することになる。その後、マスターズとクリントという2人の男も加わる。


やがてストライドは、グリーアが何も知らずにストライドの金を奪ったボスのボディーンに金を運搬する役を受けていることを知る。


ストライドは一計を案じてボディーン一味をおびき寄せ、戦いが始まった。



西部劇。


荒野の危険な旅、悪党も出てきて撃ち合いなどのアクションもあり。


西部劇の王道な感じがする。面白い映画だった。





ツーリスト ★★★☆☆

2010米・仏。103分。フロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク監督・脚本(共同)。アンジェリーナ・ジョリー 。ジョニー・デップ。ポール・ベタニー。スティーヴン・バーコフ。アレッシオ・ボーニ。


傷心旅行でイタリアを一人旅していたアメリカ人のフランクはヴェネチアへ向かう車中で美女のエリーズと知り合い、惹かれていく。


エリーズはある重要人物と接触する予定で、警察にマークされていた。


エリーズはフランクを利用して捜査を撹乱させようとする。



アンジェリーナ・ジョリー とジョニー・デップの共演とは豪華だと思って見ていた。


ヴェネツィアの風景が美しい。





きな子〜見習い警察犬の物語〜 ★★★☆☆

2010日。113分。小林義則監督。夏帆。寺脇康文。戸田菜穂。山本裕典。広田亮平。大野百花。


警察犬訓練士を夢見る望月杏子は警察犬訓練所に勤め、ラブラドール・レトリバーのきな子を警察犬にしようとする。


しかし、きな子は訓練発表会で失敗をしてズッコケ見習い警察犬として有名になってしまう。


杏子は汚名返上のためにきな子に厳しい訓練を課すが、やり過ぎてきな子は倒れてしまう。


杏子はきな子の体調に気づけなかった自分を責め、訓練所を辞める決意をする。



実話ベース。


香川県の丸亀警察犬訓練所で、実際に「きな子」というラブラドール・レトリバーと訓練士を目指す少女の話に基づいている。


期待は全然してなかったけど、面白い話だった。何といっても犬が可愛い。





【今回読んだ本】

「長嶋亡きあとの巨人軍」  江本孟紀

長嶋茂雄・元巨人軍終身名誉監督のファン(シンパの方が合ってるかも)で知られる著者。

長嶋元監督との思い出話は、こちらも懐かしい気持ちになって、読んでいて楽しかった。

あとは、現在の球界への提言。

こちらは今ひとつというか、年々、建設的な話が減って繰り言みたいになっている気がする。

著者が「老害」呼ばわりされるようになって久しい。残念だけど、確かにそんな部分もある。

それでも読んでるんだから、私も結局好きなんだけど。笑

前にもブログで書いたけど、昔から江本ファンなのだ。野球解説では随分楽しませてもらった。

最新の、科学トレーニングやら球界事情などの記事も楽しいけど、著者の昭和な話もこれはこれで楽しんでいる。

廣岡や張本みたいなものか。





【今回読んだ本】

「月の満ち欠け」 佐藤正午

「ゲームの名は誘拐」 東野圭吾

「樅(もみ)の木は残った」 山本周五郎





「月の満ち欠け」 佐藤正午

第157回(2017年上半期)直木三十五賞受賞作品。

東京で会社勤めをしている小山内堅は妻・梢と高校生の娘・瑠璃を交通事故で喪った。

ショックを受けて会社を辞め、故郷の青森県・八戸に帰った堅を三角哲彦という40歳前後の男性が訪ねてくる。

三角が堅に明かした話は俄に信じ難いものだった。


読みやすい。話も面白く、あっという間に読んでしまった。

設定は、ラノベにもありそうな、小説を読み慣れている人ならすんなり受け入れられそう。

その割には文章がどうもおじさんくさい、というか年配の人が書いた昔の繰り言みたいな雰囲気が強く漂っていて、最初はテーマと合ってないんじゃないかと感じた。

面白い話なのにちぐはぐして勿体ない、と思いつつ読み進めていた。

正木竜太郎の話ぐらいから、この文体は却って小説にリアリティを与えているのかもしれない、と印象が変わってきた。

そうなってからは小説自体への印象も良くなって、読んでいて楽しかった。

最後に、会社まで会いに来たみずき(瑠璃)と哲彦(アキヒコ)が“再会”するシーンは感動した。




「ゲームの名は誘拐」 東野圭吾

広告プランナーの佐久間駿介は、大手得意先である日星自動車の副社長・葛城勝俊の長女・樹理を誘拐し、身代金を手に入れる。

しかし、実は誘拐計画の裏には葛城父娘の企てがあり・・


冒頭を読み、家出少女と意気投合して狂言誘拐を始めるなんて、昔よく読んだ赤川次郎のユーモアミステリーみたいだと思った。

昔、と書いたのは最近の作品を読んでいないから。

しかし、イメージが重なったのは最初だけで、その後の展開は別物だった。

展開が手堅いというか理詰めというか、きっちりしてる。

主人公の知恵と工夫で身代金の獲得まで漕ぎ着けるところなんて、赤川次郎作品にはない展開だ。

その後も意外な展開が続いてハラハラさせ、最後はもう一度あっと言わせて読後感も悪くない。
さすがの満足感。

東野圭吾作品はどれを読んでも楽しませてくれる。

途中(文庫だと266ページ)で出てくる、ダメライターへの辛口評価が面白かった。誰かモデルでもいるんだろうか。

これがもし、赤川次郎作品だったら、葛城副社長は警察には届けないにしろ、彼が雇っているボディガードが登場したり、実は同時に誘拐を狙っていた!なんていうヤクザが出てきて三つ巴の争いになったりして、次々と話が膨らんでいくんじゃないかと思う。

全部想像だけど、赤川次郎がそんな話を書いてくれたらそれはそれで面白そうだ。




「樅(もみ)の木は残った」 山本周五郎

江戸時代前期に仙台藩伊達家で起こったお家騒動「伊達騒動」を描く。

「伊達騒動」は、巷説ではおおかた以下のような物語となっていて、歌舞伎の演目「伽蘿先代萩(世代萩)」などの“伊達騒動もの”は巷説に沿った話になっている。

仙台伊達家の3代藩主・伊達綱宗は吉原で遊蕩にふけり、隠居させられる。

これは、お家乗っ取りをたくらむ家老原田甲斐と黒幕・伊達兵部の一味によるものであった。

更に、甲斐一味は綱宗の後を継いだ亀千代(4代藩主・伊達綱村)の毒殺を図る。

しかしこれは、伊達安芸ら忠臣に阻まれる。

騒動は幕府に訴えられ、兵部に通じる酒井雅楽頭は審理で甲斐側に加担するが、板倉内膳正が公明正大な裁断を下し安芸側が勝利する。

もはやこれまでと甲斐は抜刀し、安芸らを斬るが自らも討たれ、伊達家に平和が戻る。


本作「樅の木は残った」では、世間で認識されている上記の物語に新解釈を加え、原田甲斐こそ幕府による取り潰しから藩を守ろうとした忠臣であるとしている。


3代藩主・伊達綱宗には隠居されられるほどの遊蕩にふけった覚えはなく、これは仙台藩の弱体化を狙った幕府が伊達兵部を抱き込んで起こしたもの。

兵部と老中の酒井雅楽頭(酒井忠清)の間では、いずれは仙台藩の半分を兵部に与えるという密約が交わされている。

兵部は綱宗の遊蕩がでっち上げであることを隠す為に綱宗の側近・畑与右衛門を夫人もろとも暗殺する。

兵部と老中の酒井雅楽頭は、綱宗の信頼が厚い甲斐を取り込もうとするが、甲斐は応じようとしない。

兵部一派は伊達家の他の一門と対立し、ついには幕府への上訴へ発展した。

密約が表に出ることを恐れた酒井雅楽頭は、伊達安芸らの殺害を甲斐に命じ、甲斐は藩を守るためにその命を差し出す…。


本作が山本周五郎の最高傑作だ、という記述を本やネットで何度か読んだ。

それだけ評価の高い作品のようだけど、個人的には(山本周五郎作品の中では)そこまでとは思わなかった。

本作は新潮文庫で3冊もある大長編なんだけど、冒頭が上意討ちで始まるなどショッキングな割には後が続かない。淡々としてる。

エピソードが小さいというか、盛り上がりに欠ける。

登場人物も有名人が少ないし。

普通、これだけ長い話なら途中で何ヵ所か掴み所を用意してくれないと、中だるみすると思う。

お陰で、下巻になる頃にはちょっと飽きてきた。


酒飲みで剣の達人・柿崎六郎兵衛の話とか、短編にしたら面白い話は結構あった。

元絵師の二弦琴弾きが甲斐に身の上を明かす話とか。

こうして振り返っても、印象に残るのは枝葉ばかり。やっぱりメインが弱いと思う。

大家の作品に好き勝手言って申し訳ないのですが、市井の一読者の戯言ということで。

文章は、他の作品と同様に読みやすい名文。そこはさすがと思いながら読んでいた。


余談ながら。

「脱ぎ捨てた袴がつくねてあり」

という表現が懐かしくも新鮮で、活字では初めて見た。

方言だとばかり思っていたので、確認してみようと検索したら、「東海地方の方言」だということだった。

山本周五郎は横浜の人だとばかり思っていたけど、wikiの「経歴」欄を読んでみたら一時期愛知県の豊橋に住んでいたと記載されていた。

想像だけど、この時の記憶で「つくねて」という表現に馴染みがあって使ったのかもしれない。