【今回見た映画】

ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング(2025米)

評決(1982米)

お嬢と番犬くん(2025日)

朽ちないサクラ(2024日)

櫻の園(1990日)


MERCY/マーシー AI裁判(2026米)
トラフィック(2000米)
サイレントラブ(2024日)
孤狼の血(2018日)
孤狼の血 LEVEL2(2021日)





ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング ★★★☆☆
2025米。169分。クリストファー・マッカリー監督・脚本(共同)。トム・クルーズ主演・製作(共同)。トム・クルーズ。ヘイリー・アトウェル。ヴィング・レイムス。サイモン・ペッグ。イーサイ・モラレス。ポム・クレメンティエフ。ヘンリー・ツェニー。シェー・ウィガム。アンジェラ・バセット。

IMFのエージェント、イーサン・ハントは前作に続いてAIプログラム「エンティティ」の暴走を食い止めるために戦う。

トム・クルーズの「ミッション:インポッシブル」シリーズ第8作にして最終作。

ファイナルレコニング(Final Reckoning)」とは、英語で「最後の清算」「報いの日」「最後の審判」という意味。

ストーリーは凝ってる。

過去作やイーサンの過去に触れたり、シリーズファンへのサービスも充実。

私は結構忘れていて、もう一度見直したくなってしまった。笑

アクションは本作もすごい。よく言われていることだけど、シリーズを追うごとにすごくなっていく。

パラシュートが燃えて落下するシーンなんて、どうやって撮ってるのか分からないけど、引き付けられる。




評決 ★★★☆☆
1982米。129分。シドニー・ルメット監督。ポール・ニューマン。シャーロット・ランプリング。ジャック・ウォーデン。ジェームズ・メイソン。

アルコール依存症で仕事がない弁護士のフランク・ギャルヴィンは、医療ミスで植物人間になってしまった主婦の弁護の仕事を紹介される。

病院を訪れたフランクは、出産のためにただ病院に行っただけで全てを奪われた主婦の姿を見て憤る。

再び真実と正義を追求する心を取り戻したフランクは、示談を蹴って厳しい裁判に臨む。


骨太で直球の法廷ドラマ。ポール・ニューマンが渋い。

80年代の光景が懐かしい。子供だったから全部分かってた訳ではないけれど。

事務所は書籍であふれ、携帯やコンピュータはない。

どこでも煙草を吸いまくり。

フランクは酒場でピンボールに熱中する。

ピンボールが出てくると映像にレトロ感が出る。

昔はよく見かけたけど、今も置いてるところってあるんだろうか。




お嬢と番犬くん ★★★★☆
2025日。106分。小林啓一監督。はつはる原作。福本莉子。ジェシー(SixTONES)。櫻井海音。香音。松井遥南。井上想良。ぐんぴぃ。葵揚。岩瀬洋志。佐々木希。飯田基祐。杉本哲太。

瀬名垣一咲は幼い頃に両親を亡くし、瀬名垣組組長である祖父の元で暮らしている。

高校では素性を隠して普通の恋と青春を送ろうとするが、一咲の世話役を務める瀬名垣組の若頭・宇藤啓弥は、過保護すぎるあまり年齢詐称して同じ高校に裏口入学し、“番犬”として共に通学する。


原作マンガはKindleで無料になってたのを1冊読んだ。

ラブコメ(ロマコメ)は好きなので、本作も面白かった。

話はベタだけど楽しい。

瀬名垣一咲を演じる福本莉子が、以前に見た「トリリオンゲーム」のリンリンみたいだった。

どちらのキャラクターも、生真面目なところが少し似ているかも。




朽ちないサクラ ★★★☆☆

2024日。119分。原廣利監督。柚月裕子原作。杉咲花。萩原利久。森田想。坂東巳之助。駿河太郎。遠藤雄弥。和田聰宏。藤田朋子。豊原功補。安田顕。


ストーカー殺人に絡む愛知県警の不祥事を追っていた新聞記者の津村千佳が変死体で発見された。


彼女は県警広報広聴課に勤める森口泉の親友だった。


泉は捜査する部署ではなかったが、親友の千佳を殺した犯人を自らの手で捕まえようと誓い、同期の磯川俊一刑事の力を借りて捜査に乗り出す。



捜査においては部外者である泉が、強引に割り込んでいく。


ミステリでは、こうして素人が入り込んでいくのはよく見る展開だけど、このキャラクターはなかなか良かった。


杉咲花がうまかった。


泉の必死さが伝わってくる。


受ける側の豊原功補、安田顕も良かった。



原作は未読。


原作者の柚月裕子は、「孤狼の血」シリーズが有名だとか。知らなかった。


役所広司で映画化されているそうなので、機会を作って見てみたい。





櫻の園 ★★★☆☆

1990日。96分。中原俊監督。吉田秋生原作。中島ひろ子。つみきみほ。白島靖代。宮澤美保。岡本舞。


名門女子校桜華学園では創立記念日の4月14日に演劇部が「櫻の園」を上演することが伝統になっている。


ヤーシャ役の杉山紀子が喫煙で補導されてしまうが、巻き添えになっただけだと分かり、職員会議では演劇部顧問の里美先生の必死の意見が通り上映が認められる。


幕が上がり、部員たちは舞台へと出ていく。



群像劇。創立記念日当日の朝8時前から開演までの2時間あまりを、映画的手法であるリアルタイム進行に近い形で描いている。(wiki)


原作マンガは未読。


映画とはかなり違うみたいだけど、吉田秋生なら読んでみたいと思った。


代表作のひとつである「海街diary」を以前に読んだことがあって、とても面白かったから。



本作はアイドル映画だと思うけど、期待より話が凝っててしっかりした作りの映画だと思った。


中島ひろ子、つみきみほがきれいだった。


今でも活動しているそうだ。



最後に舞台に出ていくシーンで、BGMのピアノ曲を聴いて「太田胃散」を思い出した。


ショパン作曲「24の前奏曲 作品28-7 イ長調」という曲。


昔からCMで聴いているので、もう完全に結び付いている。


映画では、せっかくのシーンに入り込めないノイズになってしまったけど、これは仕方ないか。





MERCY/マーシー AI裁判 ★★★☆☆
2026米。100分。ティムール・ベクマンベトフ監督・製作(共同)。クリス・プラット。レベッカ・ファーガソン。カーリー・レイス。アナベル・ウォーリス。クリス・サリヴァン。

凶悪犯罪が増加した近未来のロサンゼルス。

AIが司法を担うマーシー裁判所が創設され、被告人は90分以内に無罪を証明しなければ処刑される。

ある時、ロサンゼルス市警のレイヴン刑事は身に覚えのない妻殺しの容疑で逮捕されてしまう。

90分の期限内に無罪を証明すべく捜査を開始する。


前半はSF裁判といった趣。後半はレイヴンが捜査に乗り出す。

テンポも良くて引き付けられた。

個人的には前半の裁判が良かった。AIに対して、知恵を絞って対峙するのがいい。

後半は、アクションも必要だってことなのかな。却って個性がなくなってありきたりになってしまったかも。




トラフィック ★★★☆☆
2000米。147分。スティーヴン・ソダーバーグ監督。マイケル・ダグラス。ベニチオ・デル・トロ。ドン・チードル。ルイス・ガスマン。キャサリン・ゼタ=ジョーンズ。

麻薬大国・アメリカ合衆国。

首都・ワシントンD.C.で、麻薬撲滅担当の大統領補佐官に就任したオハイオ州のロバート・ウェークフィールド判事。

しかし、娘のキャロラインは名門校に通う仲間らと麻薬におぼれている。

メキシコ国境の街ティファナで働く実直な警官・ハビエール・ロドリゲス。

麻薬王の妻・ヘレーナ・アヤラ。夫の逮捕をきっかけに自らも冷麻薬ビジネスの世界へ足を踏み入れる。

アメリカとメキシコを舞台に、立場も場所も異なる3つの視点が同時進行する群像劇。


147分と長め。

最初は少し分かりにくさがあったけど、面白かった。

麻薬は社会に深く根付いてしまっている。

リアルった。

映画だけど、特に解決せずに終わるところも。




サイレントラブ ★★★☆☆
2024日。116分。内田英治監督・脚本(共同)・原案。久石譲音楽。山田涼介。浜辺美波。野村周平。吉村界人。SWAY。中島歩。円井わん。辰巳琢郎。古田新太。

ケンカで親友を庇い、喉を刺されて声を失った沢田蒼。

交通事故で視力を失いながらも、ピアニストになる夢を諦めない音大生の甚内美夏。

二人は出会い、やがて惹かれあって行く。


山田涼介と浜辺美波ということで、期待して見た。

山田涼介の作業着姿がなぜか、オリラジ藤森に似て見えた。笑

もっとルックスを活かした役のほうが映画としても良いんじゃないかと思った。演技は良かった。


話は結構すごくて、目が見えない美夏をしゃべれない蒼が助ける純愛もの。

と思ったら、後半は突然バイオレンスアクションになる。

その後は、また純愛ものに戻る。

予想を裏切る展開で驚いた。ただ、振り返るとトンデモ話だったけど、見ている間は面白かった。

主役2人と、野村周平が上手で入り込めた。




孤狼の血 ★★★☆☆
2018日。125分。白石和彌監督。柚月裕子原作。役所広司。松坂桃李。真木よう子。音尾琢真。駿河太郎。中村倫也。中村獅童。竹野内豊。嶋田久作。MEGUMI。伊吹吾郎。滝藤賢。 矢島健一。田口トモロヲ。ピエール瀧。石橋蓮司。江口洋介。

暴力団対策法成立直前の昭和63年(1988年)。

広島県の地方都市・呉原市(呉をモデルにした架空の市)では、地場の暴力団・尾谷組と新たに進出してきた広島の巨大組織・五十子会系の加古村組が一触即発の状態で睨み合っていた。

ある時、加古村組のフロント企業・呉原金融の会社員・上早稲が失踪する事件が起こる。これをきっかけに両者の抗争は激化していく。

新人刑事・日岡秀一は、凄腕ながら暴力団との癒着を噂されるベテラン刑事・大上章吾と組み、彼のやり方に疑問を抱きつつも事件に深く切り込んでいく。


暴力描写はキツいが、話は面白くて引き付けられる。

役所広司の叩き上げ刑事役が素晴らしかった。松坂桃李の新人刑事も良かった。




孤狼の血 LEVEL2 ★★★☆☆
2021日。139分。白石和彌監督。柚月裕子原作。松坂桃李。鈴木亮平。村上虹郎。西野七瀬。音尾琢真。早乙女太一。渋川清彦。毎熊克哉。筧美和子。青柳翔。斎藤工。中村梅雀。滝藤賢一。矢島健一。三宅弘城。宮崎美子。寺島進。宇梶剛士。かたせ梨乃。中村獅童。吉田鋼太郎。

伝説のマル暴刑事・大上章吾が暴力組織の抗争に巻き込まれて殺害されてから3年。

大上と組んでいた刑事・日岡秀一は彼の遺志を受け継いで広島の裏社会を取り仕切っていた。

そこに、出所した上林組組長・上林成浩が立ちはだかる。

悪魔のような上林によって、呉原の危うい秩序が崩れていく。


前作より更に過激になった。

クレジットは原作付きになっているが、ストーリーはオリジナルとのこと。

役所広司がいないのは寂しいけど、新キャラの鈴木亮平、村上虹郎が良かった。

鈴木亮平演じる上林の狂気は画面越しでも怖い。






【今回見た映画】

WANDA/ワンダ(1970米)

ドラブル(1974英・仏・米)

先生の白い嘘(2024日)

心が叫びたがってるんだ。(2017日)

アザーズ(2001西・仏・米)


網走番外地(1959日)

死刑にいたる病(2022日)

ミスター・ソウルマン(1986米)

ポルノスター ~私の選んだ道~(2017加・米)

明日の記憶(2006日)





WANDA/ワンダ ★★★★★

1970米。103分。バーバラ・ローデン監督・脚本・製作(共同)・主演。


ペンシルベニア州東部の炭鉱町に住む主婦・ワンダは夫に離別され、子供と職も失った上に一夜を共にした行きずりの男に有り金も盗まれてしまう。


バーで知り合った傲慢な男と、「一人でいるよりは楽だから」と一緒にいる内にワンダはいつの間にか犯罪の共犯者になってしまい、逃避行に巻き込まれてしまう。



アメリカの自主制作映画。


1970年のベネチア国際映画祭最優秀外国映画賞を受賞した。


しかし、ヨーロッパでは高く評価されたものの当時のアメリカではほとんど話題にならなかった。


興行的にも惨敗した。


近年、再評価を受けている。日本では2022年に初めて劇場公開された。


無学で、主体性がなく、ただ流されて生きる底辺の女性。そんな姿を赤裸々に描いたロードムービー。



予備知識なく見た。


上に書いたことは、見た後で検索したことを大まかにまとめたんだけど、映画と同様に周辺情報も面白かった。



以下は見た感想。


自主制作映画とは全然気付かず、最後までプロが作った小予算の映画だと思って見ていた。


カメラワークがきちんとしていたので、違和感が全然なかった。


主演のバーバラ・ローデンはプロの役者で、相手役のノーマン・デニスを演じるマイケル・ヒギンズも大根ではなかった(wikiではプロかどうかは分からなかった)。


そのお陰で、下手な演技がノイズになることもなく、話に集中できた。



ワンダはとても危なっかしい。


一体何をやっているんだあなたは、いい大人※なんだからちゃんとしなさい、と忠告したくなる。


※作中に年齢の描写はなかったと思うけど、バーバラ・ローデンの実年齢と同じなら37、8歳になる。


話し方や態度から、あるいは何か障害があるのかもしれないと思った。


そういう描写もなかったけど。


知能は低くて教育もない、みたいなことはどこかに出ていたかもしれない。(検索して読んだのかもしれない)



昔も今も、こういう女性(に限らず、男性も)はたくさんいて、食い物にされたり変なことに巻き込まれたりしている。


何となく、フェリーニ監督の「道」を思い出してしまった。


あと、ロードムービー繋がりで「テルマ&ルイーズ」や「俺たちに明日はない」も。


このブログを書いた後に、もうしばらく本作について検索していた。周辺情報が面白かったから。


そうしたら、「道」「テルマ&ルイーズ」「俺たちに明日はない」は、本作を語るときによく引き合いに出されるそうだ。


やっぱり、みんな同じことを考えるみたいだ。似てるとは言わないけど、どこか連想させる部分がある。


「道」がもう一度見たくなってしまった。笑



ドキュメント風の作りで、リアリティを感じた。


万人受けするとは言えないけど、傑作と言っていいと思う。


また、「アメリカン・ニューシネマ」の時期と重なるものの、本作はそこにはカテゴライズされていないようだった。


単にマイナー映画だったからなのかもしれない。内容的に、ちょっと違うかなという気もする。


これについては良い解説記事が見つけられなかった。


この後で、もう少し検索するかもしれない。





ドラブル  ★★★☆☆

1974英・仏・米。106分。ドン・シーゲル監督。マイケル・ケイン。ジャネット・サズマン。ドナルド・プレザンス。デルフィーヌ・セイリグ。ジャン・ヴァーノン。


イギリス諜報機関の工作員・タラントは息子を誘拐された上に、ドラブルと名乗る犯人が内部情報に詳しいと見られることから上司・ハーパーに疑われてしまう。


タラントはたった一人で息子を救出するための捜査に乗り出すことになる。



監督はドン・シーゲル。


「ダーティハリー」などクリント・イーストウッド主演の映画を何作も撮っている。


スパイ映画で、ダーティハリーの監督と来れば・・・!!


と期待した割にアクションは少なく、地味な映画だった。


手慣れた作りで、うまいとは思う。





先生の白い嘘  ★☆☆☆☆

2024日。117分。三木康一郎監督。鳥飼茜原作。奈緒。猪狩蒼弥。三吉彩花。田辺桃子。板谷由夏。ベンガル。風間俊介。


原美鈴は高校教師。ある日、親友の渕野美奈子から、早藤雅巳と婚約したと知らされる。


早藤は、美鈴が密会を重ねていた相手だった。


忌み嫌いながらも、早藤に呼び出されると行為に応じていた。


そんなある日、美鈴は担当クラスの男子生徒・新妻祐希から性の悩みを打ち明けられる。



原作マンガは未読。


実写でこういう話は生々しい。


美鈴にも早藤にも共感出来なくて、映画は面白くなかった。





心が叫びたがってるんだ。  ★★★☆☆

2017日。119分。熊澤尚人監督。中島健人。芳根京子。石井杏奈。寛一郎。荒川良々。大塚寧々。


高校2年になった坂上拓実は担任教師の城嶋一基からクラスメイトの成瀬順・仁藤菜月・田崎大樹とともに「地域ふれあい交流会」実行委員に指名される。


担任から交流会の出し物としてミュージカルが提案される。


順は拓実の言葉をきっかけに、自分の本当の気持ちを歌にして伝えようと決意する。



アニメ映画の実写化。


アニメは以前に見た。何度も映画化するような話かと正直思ったけど、例えば高校生の頃に見たら感想は全然違うかもしれない。


中島健人も芳根京子も、10年前の映画なのに思ったより変わらなかった。さすが俳優だ。





アザーズ ★★★☆☆

2001西・仏・米。104分。

アレハンドロ・アメナーバル監督・脚本。トム・クルーズ他製作総指揮。ニコール・キッドマン。フィオヌラ・フラナガン。クリストファー・エクルストン。エレイン・キャシディ。


1945年、第二次世界大戦末期のイギリス、チャネル諸島ジャージー島。


グレースは色素性乾皮症を患う娘アンと息子ニコラスの3人きりで、広大な屋敷で暮らしていた。

夫は出征したまま帰ってこない。


不安な日々を送るグレースの元に新しい3人の使用人が現れる。それを境に、屋敷で不可解な現象が次々と起き始めた。


ホラー。


と言うほど怖いシーンはないけど。話は不気味。


旦那が帰ってきた理由は想像がつき、悲しいシーンだと思った。


使用人たちの正体も徐々に明かされる。


ここまでは想像できた(結果的に間違っていたので、この書き方は適切ではないかも知れません)けど、最後はさすがに分からなかった。


有名な「シックスセンス」以来の驚きかもしれない。


と言ったら、大げさか。うまいと思った。





網走番外地 ★★★☆☆

1959日。松尾昭典監督・脚本(共同)。小髙雄二。浅丘ルリ子。大坂志郎。芦田伸介。小沢昭一。梅野泰靖。清水將夫。


ヤクザの石塚肇はやくざ同士の喧嘩で重傷を負ったところを医師・藤山修造の娘・みち子に助けられ愛し合うようになる。


しかし、石塚は傷害罪で逮捕されて最果ての網走刑務所に送られる。


みち子は親の反対を押し切って石塚と結婚し、出所を待つのだった。



本作の他に、1965年には高倉健主演で映画化されている。


高倉健の出世作で、シリーズ化されている。


そちらは未視聴。


と言うより、別な映画があるとは知らず、最初は本作を「健さんがいないな」と思って見ていた。


原作は同じだけど映画の内容はかなり違うらしい。


本作は感動もの、浪花節ものといった感じだった。



余談ながら、最近はあまり聞かなくなったけど、昔は「網走」と聞くと「刑務所」って連想するくらい、網走刑務所は有名だった。


地元の人にしてみたらいい迷惑だろうけど。


映画の影響は大きかったと思う。


(高倉健の方)





死刑にいたる病 ★★★☆☆

2022日。129分。白石和彌監督。櫛木理宇原作。阿部サダヲ。岡田健史(水上恒司)。岩田剛典。中山美穂。


大学生の筧井雅也は24人もの少年少女を殺害した殺人鬼・榛村から面会に来て欲しいとの手紙を受けとる。


雅也にとって榛村は、勉強漬けだった中学時代に塾へ行く途中で立ち寄ったイートインのあるベーカリーで、優しく声を掛けてくれた店主だった。


最後の1件だけは冤罪なので調べて欲しいと頼まれた雅也。徐々に、恐るべき事実が明らかになっていく。



原作は未読。


映画はひどい犯罪のシーンからスタートした。見るのをやめようかと思った。


榛村が逮捕され、雅也が調査を開始するところからは推理ものとして楽しめた。


気分の悪い話ではあるけど、先が気になって引き付けられた。





ミスター・ソウルマン ★★★☆☆

1986米。104分。スティーヴ・マイナー監督。C・トーマス・ハウエル。アリー・グロス。レイ・ドーン・チョン。ジェームズ・アール・ジョーンズ。メロラ・ハーディン。


裕福な家庭で育ったマークはハーバード大学法学部に合格したものの、父親から学費が出せないと言われてしまう。


困ったマークは、黒人学生のみに適用される奨学金制度を知り、友人が発明した日焼け薬を飲んで黒人に変身。


見事奨学金を手に入れるのだったが…。



白人が黒人に化けるという、結構センシティブなテーマ。


社会派な映画かと思ったら、コメディだった。


黒人ゆえに理不尽な扱いを受けるエピソードもあって、シリアスな部分もある。


wikiを見たら、アメリカではアフリカ系の人たち間で物議を醸しつつもヒットしたそうだ。


どちらもよく分かる。





ポルノスター ~私の選んだ道~ ★★★☆☆

2017加・米。バネッサ・パリーゼ監督。ヘイリー・プロス。サッシャ・クレメンツ。ジャド・ネルソン。ジェシカ・ルー。ピート・グラハム。


デューク大学に入学したミリアムは、学費を稼ぐために偽名でポルノ女優になる。


しかし、やがて身元が発覚し、ネットいじめや殺害予告にさらされてしまう。


大学内で好奇の目にさらされ、家族との関係も壊れていく一方、彼女はマスメディアから大きな注目を浴びる。



実話ベース。


すごいタイトルだけど、セクシーなシーンは抑え目。話に重点が置かれてる。


周りの反応がリアル。


職業に貴賤はない、とか法に反しない行動なら自己責任で、という見方もあるけど(映画にも出てきたけど)、それはともかくとしても、やっぱりリスクのある仕事だと思う。


日本でもセクシー女優が大学でバレて、というニュースを読んだことがある。


その人がどうしたか、までは書いてなかったけど。


主演のヘイリー・プロスがきれいだった。





明日の記憶 ★★★☆☆

2006日。122分。堤幸彦監督。渡辺謙主演・製作総指揮。樋口可南子。吹石一恵。坂口憲二。田辺誠一。袴田吉彦。水川あさみ。香川照之。及川光博。木梨憲武。渡辺えり子。大滝秀治。遠藤憲一。


広告代理店で働く49歳の佐伯雅行は仕事人間。充実した日々を送っていたが、ある時若年性アルツハイマーと診断される。


自主退職して家に引きこもり、不安とやり場のない怒りに苛まれる夫を、妻の枝実子は献身的に支える。



原作は未読。


第2回(2005年)本屋大賞では第2位。1位は「夜のピクニック」(恩田陸)。



他人事じゃない、リアルな話だった。


ある程度会社勤めをしてきて、直接の知り合いではアルツハイマー病の人はいなかったけど、亡くなったり退社せざるを得なくなった方はいた。


映画では奥さんが出来た人だったけど、実際には色々あるだろう。考えさせられる映画だった。


渡辺謙を始め、みんな上手で入り込めた。


樋口可南子の映画ってあんまり見た記憶がないけど、本作はとても良かった。




【今回読んだ本】
「下町ロケット」池井戸潤
「下町ロケット ガウディ計画」 池井戸潤
「ケンカ国家論」 落合信彦
「逆説の日本史27 明治終焉編」 井沢元彦




「下町ロケット」池井戸潤
第145回(2011年上半期)直木三十五賞受賞作品。

受賞当時に読んで以来、久しぶりに読んだ。

改めて傑作だと思った。

池井戸作品を読むといつも感じるんだけど、本作もこってり・ギトギト味。

これでもかと次々にピンチが訪れる。

その度に、佃社長と仲間たちは困難に立ち向かい、克服していく。

反撃は痛快で、胸がスッとする。

前にも著者の他の作品を読んだときにブログに書いたけど、展開が昭和のプロレスを思い出させる。

アントニオ猪木がタイガー・ジェット・シンやアンドレ・ザ・ジャイアントに痛めつけられて、絶体絶命まで追い詰められた後、ついに反撃を開始する・・

そんなシーンを思い浮かべてしまう。

前半はナカシマ工業との訴訟問題。後半は、帝国重工へのバルブ納入。

その他にも色んな要素が入ってる。

初期作だけあって、本作では短いエピソードだけど、この後別な小説へ発展していったのかなと想像できるものもあった。




「下町ロケット ガウディ計画」 池井戸潤

「下町ロケット」の続編。

相変わらずこってり・ギトギト味。超濃いめ。

疲れた時には読めない。笑

さっきと繰り返しになるけど、昭和のプロレスや時代劇のような、お約束的だけどみんなが大好きな展開。

主人公はピンチの連続で、絶対絶命まで追い詰められてから反撃を開始、そして大逆転。

悪役も見るからに憎らしくて、「そちも悪よのう」なんて台詞が似合いそう。

展開は本当にうまくて、エンタメのお手本になるような本。ハリウッド映画みたいな、計算された展開だと感じる。


印象に残った箇所。(小学館文庫で読みました。初版第一刷)

P79   津野営業第一部長が佃製作所を評して

「(前略)ウチなんか単純というか、風通しが良すぎて寒いぐらいですからねえ」

P213   開発を続ける立花と加納に佃社長が
「スマートにやろうと思うなよ。泥臭くやれ。頭のいい奴ってのは、手を汚さず、綺麗にやろうとしすぎるキライがあるが、それじゃあ、ダメだ」

P270   北陸大学病院を訪れ、患者である子どもたちを見舞った立花と加納に、一村教授が
「(前略)この病気で一番苦しんでいるのはお母さんですよ」

P329   飲んで愚痴を言い合った帰りに、会社にまだ明かりがついていたので誰かいるのかと寄ってみた江原係長が、作業に没頭する立花と加納を見つけて
(前略)一心不乱に取り組むふたりには、息を呑むほどの気迫が漲っており、とても酔っ払いの自分が声をかけられる雰囲気ではない。
「こいつら、本気だ」
(中略)
「すまん、立花。申し訳ない、加納」

P343   佃製作所を訪れた一村教授が、佃社長の案内で開発現場の立花と加納を見て
(前略)一村がふと立ち止まった。手作業をしている立花と加納のふたりが放つあまりの真剣さに、気圧されたようになったのだ。




「ケンカ国家論」  落合信彦
著者が亡くなったニュースを見て、何か読みたくなって本棚から引っ張り出した。

訃報の後、書店には何も並ばなかった。著作も、特集した雑誌やムックも何にも出なかった。

既に「過去の人」になっていたんだと実感した。

長嶋茂雄、アントニオ猪木の時はたくさん出たのに。

比べちゃいけないか。でもちょっと寂しい。


改めて見ると、本書の初版は2013年3月。もう13年前だった。

かなり晩年の著作だと思うので、書かなくなってから知らない内にかなり経っていた。

訃報が話題にならなくても仕方ないのかも。


内容は、「戦争」や「紛争」、「外交」などを中心に、広く「やるべき時に先送りせずにやらなければいけない仕事」が「ケンカ」というキーワードで語られている。

時代を反映して
・アメリカの退潮
・中国の台頭
・情報機関
・改憲
などがテーマになっている。

他の著作と同様に、日本の現状を憂いて叱咤激励し、尻を叩く論調だった。

これは他の本と同様だ。10年後の今でも通じそうな話だ。


振り返ると、著者の本は今の池上彰みたいに社会情勢を軽くおさらい出来るようなものが多かった。

池上彰よりはかなりエンタメ寄りだったので、一緒にしたら池上彰が怒るか。

まあ、市井の一読者の印象ということで。

時に筆が滑って、エンタメが行きすぎて陰謀論みたいに受け取られてしまい、「盛り過ぎ」とか「トンデモ」だと批判されたりもしていた。

CIAとか諜報機関の話がよく出てきたせいもある。

また、自身の経歴についても突っ込まれてた。

批判本みたいなものも出ていたと思う。

批判本が商売になるなんて、著者が当時いかに売れていたかってことだと思うけど。

真偽は知らないけど、著者が書く自分自身のエピソードが格好良すぎるのは確かだった。

例えば、少年時代から習得した空手を使って、アメリカ留学時代に大男からたくさんケンカを売られたが無敗だった。

負かした相手とはその後、友人になった。とか。

個人的には、この辺はエンタメとして楽しめばいいじゃんと思うけど。

でも、池上彰にエンタメが混ざってたらそれは怒られるか。


何にしても、著者の本ではたくさんの知識を得て、同時に楽しませてもらった。

ご冥福をお祈りします。




「逆説の日本史27 明治終焉編」  井沢元彦

第一章  韓国併合への道
第二章  「好敵手」中華民国の誕生
第三章  「明治」という時代の終焉

文章はやや冗長に感じるものの、興味深く読んだ。

歴史小説やドラマ、映画ではあまり見ない時代、テーマだと思う。

学校で習って以来、久々に目にした。

天皇制が日本の民主化に果たした役割という分析が面白かった。