【今回見た映画】

パルプ・フィクション(1994米)

1984(1984英)※ナインティーンエイティフォア

コントロール(2007英・米・豪・日)

東京裁判(1983日)

幾多の北(2021日・仏)


モッド・スクワッド(1999米)

TOUCH/タッチ(2024アイルランド・英)

愛を耕すひと(2023デンマーク他)

新・荒野の七人 馬上の決闘(1969米)

ステイ・ホーム(2019伊)





パルプ・フィクション ★★★☆☆

1994米。154分。クエンティン・タランティーノ監督・脚本。ジョン・トラボルタ。サミュエル・L・ジャクソン。ユマ・サーマン。ブルース・ウィリス。


ギャングの殺し屋ヴィンセントとジュールズは、ボスのマーセルスが奪われたトランクを取り戻す。


ヴィンセントはボスから愛妻ミアの世話を頼まれるが、ミアが薬物を過剰摂取してしまう。


落ち目のボクサーであるブッチはギャングから受けた八百長試合を裏切って勝利し、恋人のファビアンと逃走。ギャングのボス・マーセルスと遭遇してしまう。


構成が凝っている。


エピソード毎の時系列はシャッフルされていて、最後に全体が分かるようになっている。


変わり種というか変化球というか、とても個性的な映画。


会話劇で、ストーリーの展開は早くない。


人を選ぶかもしれない。私は途中でちょっと疲れた。



ジョン・トラボルタが格好良かった。


本作はユマ・サーマン、サミュエル・L・ジャクソンの出世作だそうだ。どちらも魅力的だった。





1984  ★★★☆☆

1984英。113分。マイケル・ラドフォード監督・脚本。ジョージ・オーウェル原作。ジョン・ハート。リチャード・バートン。スザンナ・ハミルトン。


1984年。超大国「オセアニア」では党指導者「ビッグ・ブラザー」が国民を監視してきた。


「真理省・記録局」で歴史の書き換えを担当するウィンストン・スミスは現状の体制に疑問を持ち、恋人のジュリアと共に反体制組織「同盟」に参加する。


逮捕されたウィンストンは拷問、精神破壊を受けて洗脳されてしまう。



タイトルに合わせて1984年に公開された。


リアルタイムでは知らなかったけど、結構話題になっいたとエッセイか何かで読んだ記憶がある。


(残念ながら、誰のエッセイだったか忘れてしまった。)


以前に原作を読んで、「面白いが胸が悪くなる話」だと感じた。


映画も感想は基本的に同じ。ただ、描写を多少抑えめにしていたと思う。


今でもディストピアが話題になると本作は話題に出てくる。


古典として今後も読まれるんだろうと思う。


原作を読んだときは、「1984」年から30年も経つし、今後は静かに消えていく小説かと思ったんだけど、その後もよく話題に出るので。





コントロール  ★★★☆☆

2007英・米・豪・日。119分。アントン・コービン監督・製作(共同)。サム・ライリー。サマンサ・モートン。アレクサンドラ・マリア・ララ。ジョー・アンダーソン。ドビー・ケベル。ハリー・トレッダウェイ。


1970年代後半に絶大な人気を誇ったイギリスのパンクバンド「ジョイ・ディヴィジョン」のボーカルで、享年23歳で自殺したイアン・カーティスの半生を描く。


19歳のイアンは恋人のデボラと結婚し、公務員として働く傍らバンドを結成する。


独特のパフォーマンスと歌詞が注目されて、彼らは一躍U.K.ロックシーンの寵児に。


一方で、イアンはてんかんの発作に悩まされる。また、愛人アニークとの関係に溺れて私生活のコントロールを失っていく。


若すぎる成功、プライベートの愛憎劇等から追い詰められたイアンは1980年5月、全米ツアー出発の朝に23歳の若さで自殺を遂げる。



ファン向けの映画。私は偶々、面白そうな映画だと思って見たけど、バンドのことは何も知らなかった。たぶん、こういう人はレアケース。


それでも、映画は良かった。


成功の裏にある孤独感みたいなものが伝わってきて、引きつけられる内容だった。


白黒なのもいい。





東京裁判  ★★★☆☆

1983日。277分。小林正樹監督・脚本(共同)。佐藤慶ナレーター。


太平洋戦争後の極東国際軍事裁判(東京裁判)について記録、裁判から25年後に公開されたアメリカ国防総省の長大なフィルムを、5年の歳月を掛けて編集した、4時間37分にも及ぶ長編ドキュメンタリー映画。



8月は戦争映画がテレビでたくさん放送されたり、サブスクでも目につく季節。


本作はサブスクで見つけた。知らなかったこともたくさんあって、勉強になった。


さすがに4時間37分は長かった。これまで見た中では最長記録かもしれない。


(インターミッションあり。“休憩”と表記していた)


普通の映画とは別物だけど。


記録映像にナレーションを付けたもので、作りはシンプル。


すべて実際の映像なので、別な意味で迫力があった。


さすがに一気見は出来なくて、何回かに分けて見た。





幾多の北  ★★☆☆☆

2021日・仏。64分。山村浩二監督・脚本・原作。


前衛的なアニメ作品。


山村監督が月刊誌「文學界」の表紙に描いたイラスト(2012〜14年)をベースにしてアニメーションに発展させたもの。


セリフはなく、時々画面中央に文字が表示される。


明快なストーリーはない。監督が東日本大震災後に感じた不安や苦悩が断片的なイメージで表現されている。


独特な世界観で、人を選ぶ映画。





モッド・スクワッド  ★★★☆☆

1999米。95分。スコット・シルバー監督。クレア・デーンズ。オマー・エップス。ジョバンニ・リビシ。


ロサンゼルス。暴行罪で捕まったジュリー、強盗罪のピーター、放火罪のリンクは司法取引で潜入捜査官になる。


麻薬捜査を開始するが、自分たちの上司であるグリアー刑事を殺害した疑いを掛けられてしまう。



テレビドラマ「モッズ特捜隊」を映画版としてリメイク。


難しいことは考えずに楽しめるエンタメ。


テレ東の午後のロードショーが似合いそう。


(今回はサブスクで見た)





TOUCH/タッチ  ★★★☆☆

2024アイルランド・英。121分。バルタザール・コルマウクル監督・脚本(共同)。オーラフル・ヨーハン・オーラフソン原作。エギル・オーラフソン。パルミ・コルマウクル。Kôki。本木雅弘。


2020年。アイルランドでレストランを営むクリストファーは初期の認知症と診断をされる。


医師から、やり残したことを聞かれたクリストファーは、50年前に自分の前から消えた恋人・ミコを探して彼女の母国・日本へ向かう。


ミコは、広島への原爆投下時に母親のお腹の中にいた「胎内被爆者」であった。



アイルランドのベストセラーを映画化。


地味めだけど、良い映画だった。被爆者への差別には考えさせられた。


本木雅弘がいい。


Kokiの映画デビュー作。


知らずに見たので、途中でああこの人がそうなのか、という感じだった。


演技力が付いたら、渋い役者になれそう。


今後どういう活動をするのか分からないけど、役者もやっていくなら。





愛を耕すひと  ★★★☆☆

2023デンマーク・独・スウェーデン。127分。ニコライ・アーセル監督・脚本(共同)。マッツ・ミケルセン。アマンダ・コリン。シモン・ベンネビヤーグ。


18世紀のデンマーク。退役軍人のルドヴィ・ケーレン大尉は、誰もが不可能だと諦めた荒れ地の開拓に自らの栄誉と貴族の称号を懸けて名乗りを上げる。


地域の権力者、フレデリック・デ・シンケルは自身の権力衰退を恐れて執拗に妨害する。


ルドヴィは妨害と厳しい自然に苦しみながらも仲間との出会い協力して大地を耕し続ける。



実話ベース。


北の大地で農業をするのは大変だ。


困難に立ち向かう人がいる一方で、私利私欲から妨害する心の小さい人もいる。





新・荒野の七人 馬上の決闘  ★★★☆☆

1969米。105分。ポール・ウェンドコス監督。ジョージ・ケネディ。ジェームズ・ホイットモア。モンテ・マーカム。レニ・サントーニ。


メキシコ政府の圧政に苦しむ農民たちは反政府組織と連携しようとしていた。


若い農夫のマックスはベテランガンマンのクリスに革命指導者キンテロの救出を依頼する。


クリスたち7人のガンマンは農民たちと共に政府軍に戦いを挑む。



西部劇。


黒澤明監督の「七人の侍」(1954日)をリメイクして大ヒットした「荒野の七人」のシリーズ第3作。


リーダーのクリスは前2作のユル・ブリンナーからジョージ・ケネディに代わった。


「七人の侍」の面影はプロットに残っている。あとは自由に作っていると思う。


「臆病者は何度でも死ぬが、本当の勇者は一度しか知らない」


という台詞が印象に残った。



プロットだけでなく、話も面白かった。


ユル・ブリンナーがいないのは残念だけど、ジョージ・ケネディも悪くない。


ただ、この人はルックス的に本来なら脇役かな。



メキシコは南国の陽射しで、広大な自然が広がっている。


平和だったら住んでみたいような、いい所。


こんな広い所で乗馬してみたいと、西部劇を見るとよく思う。





ステイ・ホーム  ★★★☆☆

2019伊。108分。ロベルト・デ・フェオ監督・脚本。フランチェスカ・カヴァ。リン・ジネブラ・フランチェスコーニ。マウツリィオ・ロンバルディ。カルロ・ヴァッリ。


人里離れた広大な領地「ヴィラ・デイ・ラーギ」で厳格で過保護な母親の元、外の世界を知らずに育った車椅子の少年サムエル。


ある日、同年代の少女デニーズがメイドとしてやってくる。


彼女が持ち込んだ音楽や外の話に触れ、サムエルは外の世界に憧れるようになる。


そして、サムエルは屋敷の母親が自分に隠していた秘密に気付く。



ホラー。不気味な雰囲気。


最後は、母親の狂気から逃れて・・と思ったら、忠告は正しかったというドンデン返し。


意外な展開だった。


1回限りの、アイデアもの。






【今回見た映画】

霊魂の不滅(1921スウェーデン)
中国超人インフラマン(1975英領香港)
そして人生はつづく(1992イラン)
K-19(2002米・英・独・加)
処女の泉(1960スウェーデン)

47RONIN(2013米・日)
遥かなる帰郷(1997伊・仏・独・スイス)
レディドール/青い欲望(1974伊)
ジョニー・イングリッシュ 気休めの報酬(2011英・仏・米)
危険がいっぱい(1964仏)




霊魂の不滅 ★★★★☆
1921スウェーデン。93分。ヴィクトル・シェストレム監督・脚本・主演。ヒルダ・ボルグストレム。トーレ・スヴェンボルグ。アストリッド・ホルム。

「毎年最後に死ぬ魂は、死神の使者となり、次の1年間「幻の馬車」の馭者として死者の魂を集め続けなければならない」という伝説があった。

酒に溺れる中年男のダヴィドは、酔った挙句に仲間と喧嘩して命を落としてしまう。大晦日の最後の夜だった。

彼の元に「幻の馬車」がやって来る。ダヴィドは、悪い仲間と付き合って妻子や周りの人を苦しめた罪を悔いる旅に出る。


白黒。無声映画。

1921年にこんな映画が作られていたとは。

話が面白くて引き込まれた。

大昔の映画にしては映像も工夫されてる。テンポも悪くない。

宗教色は強め。時代のせいかもしれない。

自分の人生について、考えさせられる映画だった。


検索してみたら、

“死と贖罪、魂の救済を描いた重厚なホラー・ファンタジーであり、後世の映画監督に多大な影響を与えたことで知られています。”

スタンリー・キューブリック監督の「シャイニング(1980米)」が有名。

「シャイニング」で、ジャック・ニコルソンが妻の隠れているバスルームへ斧でドアを破って入ろうとするシーンがある。

その後の、顔を覗かせているシーンが有名。

あれは、本作でダヴィドが妻子の部屋へ斧でドアを破って入ろうとするシーンへのオマージュなんだとか。




中国超人インフラマン ★★★☆☆
1975英領香港。94分。ホア・シャン監督。ダニー・リー。ブルース・リ(ブルース・リーのそっくりさん俳優として有名)。

氷河魔族が人類に宣戦布告して侵略を開始した。

科学研究所のリュー所長は、地球を守るために所員のレイ・マ(雷馬)を「インフラマン」に改造。

インフラマンは地球を守るために氷河魔族と戦う。


昔、仮面ライダー、ウルトラマンといった日本の特撮ものが人気だった香港で作られた映画。

(中国本土では文化大革命の末期で、外国文化は制限されていた)

本作自体は初めて見るけど、そんな経緯なので既視感があって懐かしい。

まるで日本の作品みたい。楽しい映画だった。

wikiによると、ヒーローや怪人のスーツは日本の会社がつくっているそうだ。

また、本作は日本でもカルト的な人気があるとか。


名前が気になって検索してみた。

超人の名前「インフラマン」は、「赤外線(Infrared)」から取られた。


インフラマンは太陽光をエネルギー源として戦い、手から熱線・光線などの必殺技を放つため、「赤外線(熱や光を放つイメージ)」が選ばれた。


道路や水道、通信網などの「インフラストラクチャー(Infrastructure)」とは無関係。





そして人生はつづく  ★★★★☆

1992イラン。95分。アッバス・キアロスタミ監督・脚本。ファルハッド・ケラドマンド。プーヤ・パイヴァール。


3万人以上が死亡した1990年のイラン地震の後、キアロスタミ監督は前作「友だちのちはどこ?」の出演者の安否を確認するために現地を訪れた。


本作はその訪問に基づくセミ・フィクション。


ドキュメンタリー形式で撮影されている。



以前に見た「友だちのうちはどこ?」(1987イラン。アッバス・キアロスタミ監督・脚本)が良かったので見てみた。


「友だちのうちはどこ?」のババクを探してコケルの村へ向かう監督(作中ではファルハッド・ケラドマンドが演じている)は、道中で出会った人たちに地震の様子やコケルの状況を尋ねる。


みんな、被害にあった家を修繕したり自分たちの用事をしながら監督に答える。


ドラマティックな演出は無いんだけど、何となく引き込まれてしまう。


自分も登場人物たちの隣にいるような感覚がしてくる。


テンポも良いし、見せ方がとてもうまい映画だと思った。



地震で身内が何人も亡くなった直後なのに、ワールドカップの試合が見たくてアンテナを直して立てている村人達は、ある意味とてもリアルで、逞しい。


見終わって、タイトルがぴったりだと思った。


そして人生はつづく。


我が身を振り返って、辛いことも、幸運なこともあるけど、元気を出していこう、と思えた。



最後に、コケルの村へ向かって車が急坂を登るシーン。


坂の途中で落ちそうな車を遠くから写しているシーンがコミカルで、何となくジブリのアニメ映画みたいだと思った。





K-19  ★★★☆☆

2002米・英・独・加。138分。キャスリン・ビグロー監督。ハリソン・フォード製作総指揮(共同)・主演。リーアム・ニーソン。ピーター・サースガード。クリスチャン・カマルゴ。


1961年7月、ソビエト連邦の最新鋭原子力潜水艦K-19が出港する。


新任艦長アレクセイ・ボストリコフと副長のミハイル・ポレーニンが対立する。


航海中のトラブルでK-19は核爆発の危機を迎える。


米ソ核戦争のきっかけになりかねない事態を、乗組員は被曝覚悟で防護服なしでの修理に挑む。



実話ベース。但し、史実と異なる脚色や設定変更がある(wikiより)。


酷いことだと思って見ていた。


映画としてはドラマティックに、美談仕立てにするのも分かるけど。


乗務員の反乱を抑える副官のリーアム・ニーソンが格好良かった。


2大スターの、豪華な共演。その割に、初めて見た。


ハリソン・フォード、リーアム・ニーソンの主演作はテレビでもよく見かけるんだけど、本作がテレビ放送されているのは見たことがない。


たぶん、新作の頃に1度や2度は放送されてるんだろうけど。


他の映画と同様に、もっと流れてもいい気がするけど、内容的に受けないんだろうか。


興行面を考えたら、刑事ものとかの方が無難だったのかも。





処女の泉  ★★★☆☆

1960スウェーデン。89分。イングマール・ベルイマン監督・製作(共同)。マックス・フォン・シドー。ビルギッタ・ヴァルベルイ。グンネル・リンドブロム。ビルギッタ・ペテルソン。


16世紀のスウェーデン。純真な少女のカーリンは教会へロウソクを届けに行く途中で3人組の羊飼いに殺され、衣服を奪われた。


羊飼いが偶然にもカーリンの家に泊まったことから父親のテーレは犯行を知り、羊飼いを殺害する。


テーレはその後、カーリンの遺体がある森へ向かう。彼は神の沈黙に涙し、この場所に教会を建てることを誓った。


テーレが森で娘の遺体を抱き起こすと、その下から清らかな泉が湧き出るのだった。



白黒。


昔の森は危険だったと聞くけど、実際にこうした事件もあったんだろう。


食事、衣服が粗末で、貧しさが伝わってくる。


皆、信心深い。羊飼い3人は除くか。下の弟はともかくとして。





47RONIN  ★★☆☆☆

2013米・日。121分。カール・リンシュ監督。キアヌ・リーブス。真田広之。浅野忠信。菊地凛子。柴咲コウ。赤西仁。


赤穂領主・浅野内匠頭は敵対する吉良上野介と妖術使い・ミヅキの罠によって切腹させられる。


赤穂浪士を率いる大石内蔵助は、天狗の里で育った異邦人・カイを仲間に加えて吉良、ミヅと戦う。



時代劇+ダークファンタジー。


お金を掛けて、ニーズの無いものを作ったという印象。


キアヌ・リーブスを出すにしても、忠臣蔵をダークファンタジーにして観客に受けると誰が思ったのか。


日米で大コケだった。というより記録的な興行失敗だったそうだ。そりゃそうだろう。


なぜ誰も止めなかったのかと思うけど、wikiを読むと製作過程ではゴタゴタと迷走があったみたいだ。



日米両国でコケた理由は異なっていて、日本では「不評」。アメリカでは「無関心」。


忠臣蔵なんて知らないアメリカ人には、凡百のありふれた東洋風ファンタジーと捉えられ、スルーされたとか。



個人的には、これだけの役者を揃えたならちゃんとした時代劇が見たかった。


そこにキアヌ・リーブスが1人入っているくらいの違和感は許容するので。





遥かなる帰郷  ★★★☆☆

1997伊・仏・独・スイス。118分。フランチェスコ・ロージ監督・脚本。プリーモ・レーヴィ原作。ジョン・タトゥーロ。ラデ・シェルベッジア。ステファノ・ディオニジ。クラウディオ・ビシオ。


第二次世界大戦末期の1945年1月。


ドイツ軍のアウシュヴィッツ放棄により解放されたユダヤ人作家のプリーモ・レーヴィは、故郷のイタリア・トリノを目指してヨーロッパ各国を転々とする。



戦争により交通・通信網が完全に麻痺していたヨーロッパ。作者は8ヶ月もかけて故郷に辿り着く。


気が遠くなるような旅路だ。





レディドール/青い欲望  ★★★☆☆

1974伊。92分。ルイジ・コメンチーニ監督・脚本(共同)。ラウラ・アントネッリ。ミケーレ・プラチド。


修道院育ちの貞淑な少女・ユージニアは富豪のレイモンドと結婚する。


しかし、初夜の直前に2人が異母兄弟であることが判明する。


表向きは夫婦を装う2人だったが、ユージニアは欲望を持て余す。そんな彼女を誘惑くる者が出て・・



お色気コメディ。タイトルは「ラウラ・アントネッリの青い欲望」とも。


タイトルになるくらいだから人気だったのかと検索してみたら、1970年代に日本でも人気があった女優だそうだ。


予備知識なく見たけど、確かにきれいな人だった。



以下は検索したら出てきたこと。


「青い体験」(1973伊)が大ヒットした「イタリアのセックス・シンボル」。


ブリジッド・バルドー(BB)、クラウディア・カルディナーレ(CC)といったヨーロッパ系セクシー女優の系譜を受け継ぐ存在だった。


マリリン・モンロー(MM)は魅力がちょっと違い、直系とは言えない。(魅力について色々書いてあったけど割愛)



今でもサブスクで見られるのは、ラウラ・アントネッリの需要があるためか。


それ以外は特に見どころもないけど、それだけで見る価値が、ある人にはある。そんな映画。


先日見た「女性上位時代」(カトリーヌ・スパーク)と同じようなことを書いていますが。





ジョニー・イングリッシュ 気休めの報酬★★★☆☆

2011英・仏・米。101分。オリヴァー・パーカー監督。ローワン・アトキンソン。ジリアン・アンダーソン。ドミニク・ウェスト。ロザムンド・パイク。ダニエル・カルーヤ。リチャード・シフ。


前作「アナログの逆襲」で祖国の危機を救い、諜報機関「MI:7」のエースとなったジョニー・イングリッシュだったが、再び失態を犯して解雇されてしまう。


チベットの僧院に引きこもって修行していたジョニーへMI:7から復帰許可が届き、英中首脳会談で中国のジャン・ピン首相の暗殺計画を阻止するように命じられる。



「Mr.ビーン」で有名なローワン・アトキンソン主演。


ジェームズ・バンドのパロディ。


楽しい映画だった。


イギリス人はスパイ映画が好きなのか、たくさん作られてる。


以前に見た「キングスマン」シリーズも面白かった。





危険がいっぱい  ★★★☆☆

1964仏。97分。ルネ・クレマン監督・脚本(共同)。アラン・ドロン。ジェーン・フォンダ。ローラ・オルブライト。オリビエ・デスパ。


アメリカでギャングの妻に手を出してフランスへ逃げ帰ってきたマルクは、大富豪の未亡人・バーバラに住み込みの運転手として雇ってもらう。


バーバラは愛人のヴァンサンと共に夫を殺害し、南米へ逃げる計画を立てていた。ヴァンサンは屋敷内の秘密の部屋に匿われている。


マルクはバーバラを誘惑してヴァンサンに代わって南米へ行こうとする。


バーバラの従姉妹で使用人のように働いているメリンダはマルクを愛するようになり、引き留めようとする。


事態は予期せぬ方向へ。


バーバラは誤解したヴァンサンに射殺され、マルクも襲われる。そこへ、マルクを追うギャングが現れる。



白黒。サスペンス。


話が凝っていて、引きつけられる。


この小さな空間と少ない登場人物でうまく作るなあと思った。



アラン・ドロンがイケメン。


ジェーン・フォンダがきれい。お父さん(ヘンリー・フォンダ)によく似てる。



原題は「Les félins」。直訳は「ネコ科の動物(複数形)」。


邦題は「太陽がいっぱい」(1960仏。ルネ・クレマン監督)を意識したもの。







【今回見た映画】
月の輝く夜に(1987米)
女性上位時代(1968伊)
プロジェクト・ヘイル・メアリー(2026米)
ドールハウス(2025日)

犬部!(2021日)


不死身ラヴァーズ(2024日)
大統領の理髪師(2004韓)
花まんま(2025日)

危険な遊び(1993米)

サラの石油 ~夢を掘り当てた少女~(2025米)




月の輝く夜に ★★★☆☆
1987米。102分。ノーマン・ジュイソン監督・製作(共同)。シェール。ニコラス・ケイジ。ヴィンセント・ガーディニア。オリンピア・デュカキス。


1人の未亡人と、彼女に求愛する2人の兄弟を描いたラブ・コメディ。

ニューヨーク・ブルックリンのリトル・イタリー。

未亡人のロレッタ・カストリーニは37歳。

幼なじみのジョニー・カマレーリから求婚され、何となく受け入れる。

しかし、ジョニーがシチリア島にいる危篤の母へ結婚を報告するために帰郷した間に、ロレッタは彼の弟・ロニーと関係を持ってしまう。


第60回(1987年作品対象)アカデミー賞で主演女優賞(シェール)、助演女優賞(デュカキス)、脚本賞を受賞。

作品賞ノミネート。受賞は「ラストエンペラー(1987伊・米他。ベルナルド・ベルトルッチ監督。坂本龍一他音楽。ジョン・ローン。ピーター・オトゥール。)」。


ロマコメ。

邦題がいい。

原題は「Moonstruck」。意味を検索したら、

“「気がふれた」「正気でない」や「恋などに夢中になってぼんやりした」という意味の形容詞です。

月光が人に狂気をもたらすという古いヨーロッパの迷信に由来し、「月に打たれた」という意味を持ちます。”


いかにも外国の映画で、恋愛に限らず感覚や考え方が全然違う。


そこが面白くて外国映画を見ているところもある。


ラストはほのぼのする。


アカデミー賞では6部門もノミネートされたそうだけど、社会派なテーマを好むアカデミー賞が、本作に作品賞を出す訳ない。笑


でもそれは、本作の価値を貶めるものでは全くない。


見終わって暖かい気持ちになる映画だった。


普通の青年ロニーを演じる、若き日のニコラス・ケイジが良かった。





女性上位時代 ★★★☆☆
1968伊。94分。パスクァーレ・フェスタ・カンパニーレ監督。カトリーヌ・スパーク。ジャン=ルイ・トランティニャン。ジジ・プロイエッティ。

若い未亡人のミミは夫が女性を連れ込んでいた隠れ家を見つけ、自分も男性を連れ込むようになる。。

その後、ミミは病院で出会った実直な放射線科医デ・マルキに惹かれていき、彼を振り回して楽しむのだったが…。


コメディ。セクシーなシーンが多め。

カトリーヌ・スパークが魅力的。

それ以外は平凡な映画だと思うけど、それだけで一見の価値がある。

60年前の映画が今でもこうして残っているのも、カトリーヌ・スパークの出演作だからこそ。


カトリーヌ・スパークの映画はこれまでに何本か見た。

他の映画でも、同様な印象だった。

(「狂ったバカンス(1962伊)」など)

ブログを読み返してみたら、ほぼ同じことを書いていた。


日本の音楽グループ、ピチカート・ファイヴのアルバム「女性上位時代」(2006年)のタイトルは本作からの引用。ファンだったとか。




プロジェクト・ヘイル・メアリー ★★★☆☆
2026米。156分。フィル・ロード&クリス・ミラー監督。ライアン・ゴズリング。ザンドラ・ヒュラー。ライオネル・ボイス。ケン・レオン。

太陽のエネルギーが奪われる現象が発生し、地球は滅亡の危機に曝される。

唯一無事な星を目指す「ヘイル・メアリー」(イチかバチか)計画が発動。元科学者の中学教師グレースが宇宙へ派遣される。

宇宙飛行中の昏睡状態から目覚めたグレースは、自分と同じく母星を救うために奮闘する異星人「ロッキー」と出会う。

姿形や言語が違う2人だったが、科学を共通言語にいつしか友情が生まれ、協力して地球と宇宙の危機に立ち向かう。


古典SFの雰囲気。オールドファンには楽しい映画だった。

ただ単に、私が新しいSFを読んでいないからそう感じるだけかもしれない。

映画は新しいのもそれなりに見てるけど。

「三体」(劉慈欣)とか、話題作くらいは読んでおきたい、と思ってはいるんだけど。




ドールハウス ★★★☆☆
2025日。110分。矢口史靖監督・脚本・原案。長澤まさみ。瀬戸康史。田中哲司。安田顕。風吹ジュン。

最愛の娘・芽衣を亡くした鈴木佳恵は悲しみに暮れていたが、ある時骨董市で娘に良く似た人形を見つけ、娘のように可愛がる。

やがて2人目の娘・真衣を授かり、夫の忠彦と喜び合う。佳恵は人形のことを忘れていく。

それから5年後。5歳になった真衣が人形を見つけ、アヤと呼んで一緒に遊ぶようになる。

やがて、人形・アヤを巡って奇妙なことが起こり始める。アヤには恐ろしい秘密が隠されていたのだった。


ホラー。

人形が出てくるホラーって、それだけで怖い。

長澤まさみという俳優は色んなジャンルに挑戦する人だ。

内容よりも先にそんなことを思った。

個人的には、またコンフィデンスマンjpが見たいけど。




犬部! ★★★☆☆
2021日。114分。篠原哲雄監督。片野ゆか原作「北里大学獣医学部犬部!」。林遣都。中川大志。大原櫻子。浅香航大。田辺桃子。安藤玉恵。しゅはまはるみ。坂東龍汰。田中麗奈。酒向芳。蛍雪次朗。岩松了。

獣医学部の花井颯太は同級生の柴崎涼介らと動物保護サークル「犬部」を設立して「殺処分ゼロ」を目標に活動する。

卒業後、颯太は動物病院、柴崎は動物愛護センターで働き始める。

16年後、颯太が逮捕されたというニュースをきっかけに、かつての犬部のメンバーたちが再び集結する。


颯太が熱い。涼介も、引き摺られてる訳じゃなくて自分の考えをしっかり持っている。

現実は厳しいけど、理想に燃える若者の話は良い。




不死身ラヴァーズ ★★★☆☆

2024日。103分。松居大悟監督。高木ユーナ原作。見上愛。佐藤寛太。青木柚。前田敦子。神野三鈴。

長谷部りのは幼い頃に出会った甲野じゅんにいのちを救われ、運命の人だと思うようになる。

しかし、じゅんはりのの前から消えてしまう。

りのはじゅんを探し続ける。

りのはじゅんが消失した理由を突き止め、再会する。


原作マンガは未読。

SFラブコメ?不思議な話だった。

主役の見上愛も不思議な印象がする俳優だった。

よく分からないままに見終わってしまったけど、印象に残る映画だった。




大統領の理髪師 ★★★☆☆
2004韓。116分。イム・チャンサン監督・脚本。ソン・ガンホ。ムン・ソリ。オ・ダルス。

大統領官邸の近くで理髪店を営んでいた理髪師のソン・ハンモは、ひょんなことから大統領の専属理髪師に抜擢される。

ソンは、一躍有名になるものの、大統領府の激しい権力争いに翻弄され、最愛の息子ナガンが政府に連行されてしまう。

※朴正煕大統領がモデル。
(第5代〜第9代大統領(1963年~1979年))

1961年に5・16軍事クーデターを起こして実権を握り、1963年の大統領選挙に勝利して正式に大統領に就任。

「漢江(ハンガン)の奇跡」と呼ばれる高度経済成長を成し遂げる。財閥の育成、外交面では日韓国交正常化を進めた。

経済を発展させる一方で、政権維持のために極端な強権・独裁政治を行った。

大統領在位中の1979年10月26日に暗殺された。

朴槿恵(パク・クネ)第18代韓国大統領(2013年~2017年)の父親。


予想と違ってコメディタッチな映画だった。

ただ、ソンが庶民の立場から見聞きする権力闘争はヘビー。

大変な時代だったことが伝わってくる。




花まんま ★★★★☆
2025日。118分。前田哲監督。朱川湊人原作。鈴木亮平。有村架純。鈴鹿央士。ファーストサマーウイカ。オール阪神。オール巨人。馬場園梓。六角精児。キムラ緑子。酒向芳。

両親を早くに亡くした加藤俊樹とフミ子の兄妹は大阪の下町でお互いに支えあって生きてきた。

妹・フミ子の結婚を前にして、親代わりを務めてきた兄・俊樹はほっとしていた。

しかし、遠い昔に2人で封印したはずの、フミ子の「前世の記憶」にまつわる秘密が再び動き始める。


原作は未読。

第133回(2005年上半期) 受賞作。短編集なので原作は短く、映画では話をかなり膨らませているそうだ。


見る前はありがちな設定に思えて、さほど期待してなかった。

これは本作が悪いというより、今は色んな設定が出尽くしてしまっているから、観客が全く新しいと感じる話を作るのは難しくなってるんだろう。

見てみたら、良い映画だった。

前世の記憶を持つ妹のフミ子がキーになった話。

とは言え、SF的な現実離れした方向には行かずに、ちょっと不思議なところのある現実的な話に留まっている。


邦画の良いところは“繊細さ”だと個人的に思っているんだけど、本作は人の気持ちを丁寧に描いた話だった。

ちなみに、邦画の悪いところは“暗さ”。

もちろん、当てはまる映画も当てはまらない映画もある。

本作にはそういった暗さは感じなかった。


鈴木亮平がとても良かった。

最初はちょっと品が無いキャラで嫌だなあと思ったんだけど。

そうなると、この人は体が大きいだけに今にも暴力を振るいそうな乱暴な人に見えてしまうので。

他の映画やドラマでヤクザとかも演じているので、そのイメージがあるのかもしれない。

「孤狼の血 LEVEL2(2021日。白石和彌監督。松坂桃李)」のヤクザ役なんかは残酷で怖いキャラだった。

途中から、妹思いなお兄さんというキャラが伝わってきた。

最後の、披露宴でのスピーチが良かった。こちらも泣かされた。


帰りに、“前世のお父さん”達がフミ子に声を掛けるシーンは驚いた。

伏線は張ってあったけど、こんなにストンと記憶が無くなってしまうとは。

驚いたけど、うまい、完璧な結末だと思った。

帰りの電車で、“お父さん”達は引出物の綺麗な“花まんま”を見る。

これまでのことが思い出される。

良いシーンで、またもや泣かされた。

他には、ファーストサマーウイカが印象に残った。鈴木亮平との息もぴったりだった。




危険な遊び ★★★☆☆
1993米。87分。ジョセフ・ルーベン監督・製作(共同)。マコーレー・カルキン。イライジャ・ウッド。ウェンディ・クルーソン。ダニエル・ヒュー・ケリー。
母親を亡くしたマークは、父親が出張することになった冬休み中、親戚の叔父の家に預けられる。

マークは従兄弟のヘンリーと親しくなる。

しかし、ヘンリーは礼儀正しい良い子の仮面を被った、小さな殺人鬼だった。


「ホームアローン(1991米)」のマコーレー・カルキンが小さな殺人鬼の役。

可愛い顔をして妹のコニーや母親のスーザンを平気で殺そうとする。

快楽殺人者。和風ホラーの人形を思わせるような不気味さで、怖かった。

ラストの、崖の上での攻防戦はハラハラした。

先日見た「FALL/フォール(2022米・英)」でも思ったけど、高いところから落ちそうになる映像はいつ見ても単純に怖い。

スーザンやヘンリーは実際に落ちてしまうし。

崖の途中で何とかしがみついているスーザンに、大石を投げようとするヘンリーにはぞっとした。




サラの石油 ~夢を掘り当てた少女~ ★★☆☆☆
2025米。103分。サイラス・ナウレステ監督・製作(共同)。ザカリー・リーバイ。ナヤ・デジル=ジョンソン。ソネクア・マーティン=グリーン。ギャレット・ディラハント。

1900年代初頭。黒人差別が色濃く残る時代のオクラホマ(インディアン準州)。アフリカ系アメリカ人の10歳の少女サラ・レクターは乾燥した荒れ地を割り当てられる。

しかし、彼女の信念通りその土地から大量の石油が湧き出し、11歳で大富豪となる。

しかし、莫大な利権を狙う貪欲な大人たちがサラに群がる。彼女は家族や仲間と共に、人種差別や搾取に立ち向かい、戦う。


実話ベース。

正直、とてもそうは見えなかった。

サラはなぜこんなに賢く立ち回れるのか。知識も豊富だけど、どこで勉強したのか。

黒人に対する根深い差別が残る社会。しかし、味方になる白人もいる。

興味深い題材なんだけど、描きかたが雑なせいでご都合主義なストーリーに見えてしまう。

これでは入り込めない。勿体ない。