【今回見た映画】

三つ数えろ(1946米)

木挽町のあだ討ち(こびきちょう)(2026日)

シマロン・キッド(1952米)

鈴木先生(2013日)

FALL/フォール(2022米・英)


トゥームストーン(1993米)

7つの贈り物(2008米)

スリー・キングス(1999米)

トパーズ(1969米)

マスターズ・オブ・ユニバース(2026米)





三つ数えろ  ★★☆☆☆
1946米。114分。ハワード・ホークス監督・製作。レイモンド・チャンドラー原作「大いなる眠り」ハンフリー・ボガート。ローレン・バコール。マーサ・ヴィッカーズ。

1940年代のロサンゼルス。私立探偵フィリップ・マーロウはスターンウッド将軍の依頼を受けて邸宅を訪れる。

家には将軍と娘のヴィヴィアン、カルメン。

将軍は古書店主のガイガーからバクチの借金返済で脅迫を受けていた。

契約を交わしたマーロウは、そのまま邸宅に留まるように依頼される。


よく分からない映画だな、と思ったら「難解」で有名なんだそうだ。

しかも、原作がそもそも難解だとか。

フィリップ・マーロウと言えば、元祖ハード・ボイルド。

有名な「長いお別れ」「さらば愛しき女よ」は読んだことがある。

本作(の原作)は未読。


興味がなくはないけど、この映画を見た後では正直あまり食指が動かない。


ハンフリー・ボガートは良かった。フィリップ・マーロウのイメージによく合っていた。

それ以上かも。格好良かった。




木挽町のあだ討ち(こびきちょう) ★★★☆☆
2026日。120分。源孝志監督・脚本。永井紗耶子原作。柄本佑。長尾謙杜。瀬戸康史。滝藤賢一。山口馬木也。イモトアヤコ。野村周平。石橋蓮司。沢口靖子。北村一輝。渡辺謙。

江戸時代。ある雪の夜、木挽町の芝居小屋「森田座」の近くで若衆・菊之助が父の仇討ちを見事に成し遂げ、多くの人々から称えられた。

1年半後、菊之助の縁者だという侍の総一郎が森田座を訪れる。

総一郎が人々から仇討ちについて聞くうちに、徐々に隠された「秘密」が明らかになる。


後半の「謎解き」が進むにつれ、目が離せなくなった。

面白い時代劇だった。

柄本佑演じる総一郎の名探偵振りが良い。

渡辺謙を始め、脇役陣も良かった。


原作は未読。

第169回(2023年上半期)直木三十五賞を受賞している。

映画がこの面白さなら、一度読んでみたいかも。




シマロン・キッド ★★★☆☆
1952米。84分。バッド・ベティカー監督。

オーディ・マーフィ。ビバリー・タイラー。ジェームズ・ベスト。イベット・デュゲイ。ジョン・ハドソン。ヒュー・オブライエン。



実話ベース。「シマロン・キッド」と呼ばれた西部の無法者、ビル・ドーリンの話。

仮出獄したビルは列車強盗の濡れ衣を着せられ、逃亡のためにドルトン一味の強盗団に加わる。

銀行襲撃の失敗でドルトン兄弟が死亡。代わってビルが首領に選ばれ、列車や銀行の襲撃を続ける。

しかし、内部の裏切りや権力争いで組織は崩壊してしまう。

ビルは追手から逃れたものの、最後は自首して公正な裁きを受ける道を選ぶ。


西部劇。

ビリーは悪党とは言え、最初は仲間を匿ったために服役、仮出所後は乗車した列車が強盗団に襲われたのを犯人の濡れ衣を着せられて、逃げ場を失くした挙げ句にドルトン一味に加わることになる。

この成り行きは気の毒な気もする。

自主したのも、根っから悪い人間ではなかったのかもしれない。

映画は逮捕までで終わっているが、裁判でどんな判決を受けたのか気になって検索してみた。

ビル・ドーリンは逮捕後に検事から司法取引を提案されるがこれを拒否。

拒否連邦刑務所から、他の囚人たちと共に脱獄する。

最後は、追跡隊に撃たれて死亡している。

・・うーん、実際には同情の余地のない悪党だったのかな。


映画はコンパクトにまとまっていて、テンポも良かった。

良作だと思う。




鈴木先生 ★★★☆☆
2013日。124分。河合勇人監督。長谷川博己。臼田あさ美。土屋太鳳。風間俊介。田畑智子。でんでん。富田靖子。窪田正孝。北村匠海。三浦透子。松岡茉優。

独自の教育理論を持ち、教育現場で日々起きる事件に情熱的に立ち向かっている、国語教師の鈴木先生。

教え子の小川蘇美に歪んだ欲望を持ってしまい、妻の麻美に心配をかけまいとするなど自分自身も心の問題を抱えている。

そんなある日、OBの勝野ユウジが小川蘇美を人質に取って学校に立てこもるという事件が発生する。

珍味。変わった先生だ。

ドラマの先生は、現実と比べたらみんな変わってるけど、鈴木先生はドラマの先生にしても変わってる。

現実と比べてももちろん、変わってる。

ところどころで心に響く台詞があって、映画はなかなか良かった。

鈴木先生は生徒たちに、ゆくゆくは世界を変えていって欲しいと願っている。

捕まった勝野ユウジに対しても、

お前もまた世界を変える1人の筈だ

と励ますところは何故かすごく感動した。

思春期はどうしても斜に構えてしまうけど、それは間違えることが恥ずかしかったり怖かったりするせいでもある。

勝野ユウジの持論はものすごく拗らせている。

こんな風に真っ直ぐな言葉もたまにはいいと思った。




FALL/フォール ★★★★☆
2022米・英。107分。

スコット・マン監督・脚本(共同)・製作(共同)。

グレイス・キャロライン・カリー。ヴァージニア・ガードナー。ジェフリー・ディーン・モーガン。

(本作についての感想でネタバレがあります。本作はネタバレしても楽しめる映画ですが、気になる方は飛ばしてください)

フリークライミング中の事故で夫を亡くして落ち込んだ日々を送るベッキーは、親友の女性・ハンターに誘われて新たなクライミングを挑む。

それは人里離れた荒野に建つ、高さ600メートルの解体寸前のテレビ塔だった。

登頂に成功して喜ぶ2人だったが、ハシゴが壊れて頂上の狭い足場に取り残されてしまう。


以前に見た「ロスト・バケーション」や「127時間」を思い出した。※

※「ロスト・バケーション」2016米。ジャウム・コレット=セラ監督。医学生のナンシーは、美しいビーチで人食いザメに遭遇してしまい、帰れなくなる。

※「127時間」2010米英。ダニー・ボイル監督。ジェームズ・フランコ。男は登山中のアクシデントで岩に腕を挟まれる。脱出も、助けを呼ぶことも出来ない、絶体絶命の状態に陥ってしまう。


極限のワンシチュエーションで繰り広げられるサスペンス。

これらと比べても、本作が一番怖くて面白かった。

高いところというのは、それだけで怖い。

話はコンパクトで、テンポも良かった。

リアリティは全然ない。エンタメ映画なのでそれは別にいいと思う。

鷲に襲われるところなんかは結構ひどかったけど、そこは観客側も積極的に楽しみに行く感じで。


個人的には、エンタメなんだからハンターにも助かって欲しかった。そこだけが惜しい。

B級だけど、面白い映画だった。

手に汗をたくさんかいて、ベタベタになった。笑




トゥームストーン ★★★★☆
1993米。130分。ジョージ・P・コスマトス監督。カート・ラッセル。ヴァル・キルマー。サム・エリオット。ビル・パクストン。パワーズ・ブース。マイケル・ビーン。ダナ・デラニー。ジョアンナ・パクラ。チャールトン・ヘストン。

アリゾナ州・トゥームストーンの町。

ワイアット・アープとその親友であるドクホリデイ、アープ兄弟は、「OK牧場の決闘」で無法者集団「カウボーイズ」と対決、勝利する。

しかしその後、アープ兄弟は「カウボーイズ」の報復に倒れる。

ワイアットとドクは復讐を開始する。


西部劇。

1993年と西部劇があまり作られなくなった後の製作ながら、昔の雰囲気を残した良作だと思う。

オールドファンにも好評だったんじゃないだろうか。

個人的にも、90年代や2000年代以降の西部劇は、悪くはないものの「何か違う」と感じるんだけど、本作にはそれが極めて少なかった。

こんな西部劇なら、これからも時々作って欲しい。




7つの贈り物 ★★★☆☆
2008米。123分。ガブリエレ・ムッチーノ監督。ウィル・スミス主演・製作(共同)。ロザリオ・ドーソン。ウディ・ハレルソン。マイケル・イーリー。バリー・ペッパー。

トーマスは運転中の不注意で事故を起こし、見知らぬ6人と婚約者のサラ・ジェンソンを死なせてしまった。

トーマスは贖罪のためにドナー登録をして臓器の提供を続けるのだった。

考えさせられる話だ。

気持ちは分かるけど、普通ならとても出来ないことだ。




スリー・キングス ★★★☆☆
1999米。114分。デヴィッド・O・ラッセル監督・脚本。ジョージ・クルーニー。マーク・ウォールバーグ。アイス・キューブ。スパイク・ジョーンズ。クリフ・カーティス。

1991年。湾岸戦争終結直後のイラク。

アメリカ兵のアーチ・ゲイツたちは、フセインが隠した金塊の地図を捕虜から入手、独断で探索を開始する。

首尾よく金塊を見つけたアーチたちだったが、今まさに処刑されようとする難民たちを目撃。

難民たちを救出しようとしたアーチたちは、イラク兵と銃撃戦になってしまう。


予備知識なく見た。

コメディタッチながら、内容は社会派。

湾岸戦争への批判が込められた映画だった。

ジョージ・クルーニーが格好良い。




トパーズ ★★☆☆☆
1969米。126分。アルフレッド・ヒッチコック監督・製作。フレデリック・スタフォード。ジョン・フォーサイス。ダニー・ロバン。カリン・ドール。ジョン・ヴァーノン。

東西冷戦期。

キューバにソビエト連邦製のミサイルが運び込まれるという情報がもたらされ、CIAの依頼を受けた
フランス情報部のデヴロウが現地へ潜入する。

しかし、フランス情報部内にはソ連に通じた高官がいて、「topaz」とのコードネームで呼ばれていた。


このタイトルは知らなかった。

晩年の作品で、評価はあまり良くないそうだ。

分からないでもない。

“ヒッチコック節”とでも言うか、ヒッチコック監督らしい特徴は感じるんだけど。

ダラダラした会話シーンとか。(失礼!!)




マスターズ・オブ・ユニバース ★★☆☆☆
2026米。140分。トラヴィス・ナイト監督。ニコラス・ガリツィン。カミラ・メンデス。ジャレッド・レト。イドリス・エルバ。

幼い頃に戦火を逃れて地球へ送り込まれた惑星エターニアの王子アダム。

15年後、伝説の剣「パワーソード」に導かれて宿敵スケルターに支配された故郷へ戻り、最強の戦士ヒーマンとなって宿敵スケルターと戦う。


超大作だと思って見てみたら、ものすごいB級感で驚いた。

何だこれは。

アメリカでは今、こんな映画が受けているのか。

さすがに、日本では受け入れられないのでは??

そう思って、実際にヒットしたのかどうか検索してみた。

日本だけの詳細な興行収入は公開されていないということだったけど、日米ともに苦戦。

興行収入だけでは製作費を取り返せなかった。


北米(アメリカなど): 約6,483万ドル(初週末だけで約2,944万ドルを記録)

海外(日本含む): 約4,895万ドル

全世界累計: 約1億1,378万ドル

映画の製作費: 約1億7,000万ドル


また、最近サブスクに入ってからは世界配信チャートで1位を獲得するなど広く見られているということだ。

これで、どれくらいの収益になるのか知らないけど、不幸中の幸いって感じか。


映像は大作にふさわしいクオリティだったと思うので、もったいない。

ストーリーや細かいギャグに、透かされた気がした。

玩具メーカー(マテル社。バービー人形を作ってるところ)主導の企画みたいだから、今後もまた何か作るんだろう。

せっかく大きなお金を掛けるんだから、今度は透かさないでちゃんとして欲しい。


本筋とは関係ないけど、ジムで鍛えているおじさんがアダムに言った言葉がなぜか印象に残った。

大事なのは背中だ。前じゃない。

前は見せかけだが、後ろを支えれば成し遂げられないことはない。





【今回読んだ本】

「ルンルンを買っておうちに帰ろう」  林真理子

「武器よさらば」   アーネスト・ヘミングウェイ

「知らないと恥をかく世界の大問題17 米・中・露、三極構造の時代」 池上彰

「ぼくはこんなふうに本を読んできた」 池上彰





「ルンルンを買っておうちに帰ろう」  林真理子

昔のベストセラー。

80年代のイケイケで明るい時代。

本書や田中康夫の「なんとなくクリスタル」といった明るいエッセイのベストセラーが出ていた。

私はまだ子供だったので、当時の印象はそれくらい。

本書はタイトルが目立っていたので知っていたけど、その頃には読もうとも思わなかった。

(手に取るのは子供向けの本や、せいぜい星新一だった。)

今回、偶然見つけて読んでみた。

著者は今や日大理事長の林真理子。

理事長就任のニュースを目にするまで、当時のイメージから何となく上智か青学の人だと思っていた。

この2校は当時は(今も)とにかくお洒落なイメージで、林真理子も華やかでお洒落な世界の人というイメージだったから。

ただ、本人はその割に気取ってなくて、発言が明け透けで楽しい人だった。


アンチも多かった印象がある。

原因は、本書に詳しい。

「女だって、金、地位、名誉がほしいのだ」や「感性という名の錬金術」とか、色々。

妬みや悪口が一杯で、痛快だ。こうした本音トークは、本書の魅力のひとつだ。

でもこれなら、叩く記事も書きやすい。

知名度があるから、そんな記事も需要があったんだろう。


ネタはさすがに今読むと古いけど、固有名詞を入れ替えれば新しいエッセイとして今でも通用しそう。


たとえば、
「打ち明け話はもう古いつうもの」で、小池真理子の悪口を言う市井の女性たちの話は面白かった。

(東京都知事は百合子。こちらは作家さん。私は申し訳ないけどこの方のことはよく知らないですが、当時話題の人だったと思われる)



「女性の本音」という本質部分においては今も色褪せない魅力がある本だ。

本書は今でも絶版になっていなくて、普通に買える。

40年も売れ続けているのは、きっとそうした魅力があるからだろう。

たぶん、作者は女性に向けて書いてると思うけど、男性でも「ふむふむ」と共感できるところがたくさんあった。


最近は話題のエッセイって聞かなくなった気がする。

文章を書くよりも、最近は動画にする人が多いのかも。


本書に出てきた、今では変わった固有名詞。

トルコはソープランドになった。

第一勧銀は、みずほになった。

もっとあったと思うけど、忘れてしまった。




「武器よさらば」 アーネスト・ヘミングウェイ

第一次世界大戦。イタリア軍の救急車隊に歩兵中尉として志願参加したアメリカ人のフレデリック・ヘンリーは、イギリス人の看護師キャサリン・バークリーと出会い、恋に落ちる。

ハード・ボイルドの元祖と言われるヘミングウェイの小説。

確かに、内面描写はほとんどなかった。

読みやすくて面白かったけど、これって文学なんだろうか。

ノーベル賞を貰ってる作家の本に文学だろうかもないけど、これまで読んできた文学作品とは趣が違って、考えてしまった。

正直なところ、本書は文学というよりもむしろエンタメとして優れているような気もする。

それはともかく、魅力ある小説だってことは確かだった。


ラストシーンがとても印象に残った。

ヘンリーの妻になったキャサリンが、出産時の出血多量で亡くなってしまう。

ここでも、心理描写はなく事実だけが簡潔に描かれている。

それが却って強烈な余韻を残していた。

ヘンリーの心中や、亡くなったキャサリン、赤子、そして戦争のことなどが読み終えた後でも次々に頭に浮かんできた。

こういう小説の書き方もあるんだと改めて感じた。




「知らないと恥をかく世界の大問題17 米・中・露、三極構造の時代」 池上彰


もう17冊目。今年も、日々のニュースを整理した本。

こちらの頭の中も整理。忘れていたり、見逃していた気付きがあったり。

2027年は中国・人民解放軍の建軍100周年。台湾有事リスクに注目が集まる。




「ぼくはこんなふうに本を読んできた」 池上彰
著者が「ラジオ英会話」(NHK出版)に連載した「こんな本どうですか」をもとに大幅に加筆・編集したもの。

本屋で見かけて面白そうなので買ってみた。

「週間こどもニュース」の頃は通勤時間を使って年間300冊も読んでいたそうだ。すごいことだ。

著者がおすすめする本のエッセンスが少しずつ書かれている。それだけでも気付きがある。

タイトルも知らない本、知っていたけど読んでない本がたくさんあった。

そんな中から、読んでみたい本を何冊かピックアップした。

入手が難しい本は無いようなので、少しずつになるけど、これから読んでいこうと思う。



【今回見た映画】

愛の嵐(1974伊)
愛にイナズマ(2023日)
彼女が水着にきがえたら(1989日)
さんすうのもんだい(2023日)
タマテバコ(2015日)

うどん侍(2016日)
悲しみと怒り(2025日)

押し入れ女の幸福(2013日)
よく当たる占い師(2017日)
眼鏡と太郎(2021日)




愛の嵐 ★★★☆☆
1974伊。117分。リリアーナ・カヴァーニ監督・脚本(共同)・原作(共同)。ダーク・ボガード。シャーロット・ランプリング。フィリップ・ルロワ。ガブリエル・フェルゼッティ。イザ・ミランダ。

1957年冬。ウィーンのとあるホテル。

マクシミリアン(マックス)は、元ナチス親衛隊の将校で、現在は身分を隠してフロント係兼ポーターとして働いている。

そこへ、アメリカから有名なオペラ指揮者が訪れる。

指揮者の妻・ルチアは13年前、マックスが強制収容所で弄んだユダヤ人の少女だった。

2人は再会に驚き、再び禁断の愛に溺れていく。


初見。有名な映画なので、一度は見ようと思っていた。

これまで、紹介記事の写真やサムネイルを見て、倒錯趣味の変態的な映画というイメージを持っていたんだけど、まあ何と言うか、そういうところもあった。苦笑

個人的には、エロスが芸術に繋がるとは必ずしも言えないと思う。

でも、本作からエロスを抜いたらこんなに有名な映画にはなっていないかも。

商業的でも大切だったのかもしれない。女性監督ってことも知名度でプラスになったのかな。全部想像ですが。


ともあれ、題材といい内容といい、なかなか作れない映画。

話題を呼び、映画史上に残ったのは分かる。

歴史の負の側面に、倒錯した愛が乗っかった話。

ストーリーはトンデモ。(言いすぎかもしれないけど。)

個人的にちょっとモヤモヤする映画ではあった。




愛にイナズマ ★★★☆☆
2023日。140分。石井裕也監督・脚本。松岡茉優。窪田正孝。池松壮亮。若葉竜也。仲野太賀。趣里。高良健吾。MEGUMI。三浦貴大。鶴見辰吾。北村有起哉。中野英雄。益岡徹。佐藤浩市。

26歳の折村花子は夢だった映画監督になり、初めての撮影に臨んでいた。

しかし、助監督の荒川と対決してしまい、プロデューサーの原は監督を荒川に交代させる。

失意の花子は長年不通だった家族の元を訪れる。


気持ちのいい話ではなく結構暗い。それでも、役者はみんなうまくて引き込まれた。

後半が良かった。家族の話。特に父親役の佐藤浩市が良かった。

最後の、「ニュー・シネマ・パラダイス」みたいな音楽が印象に残った。

パチモン臭はあるけど、場面によく合っていた。




彼女が水着にきがえたら ★★★☆☆
1989日。103分。馬場康夫監督。原田知世。織田裕二。伊藤かずえ。田中美佐子。谷啓。伊武雅刀。竹内力。安岡力也。坂田明。白竜。今井雅之。

湘南でスキューバダイビングを楽しんでいた田中真理子は偶然にも朝鮮戦争で沈んだ100億のお宝を発見する。

真理子はヨット乗りの青年・吉岡文男やアマチュア無線仲間たちと引き上げ計画を開始する。

しかし、同じく財宝を狙う謎の武装集団(悪徳実業家の一味)が彼らの前に立ちはだかる。


バブル期ピークのホイチョイ・ムービー第2弾。


wikiによれば、これら↓をホイチョイ三部作というそうだ。
「私をスキーに連れてって」(1987年)
「彼女が水着にきがえたら」(1989年)
「波の数だけ抱きしめて」(1991年)

監督は馬場康夫、主演は「私を~」、「彼女が~」が原田知世、「波の数だけ~」は中山美穂。

どれもヒットしていた。

フジテレビ(と小学館)の製作だったから、出演者が番宣でたくさん出ていた。

他にもことあるごとに宣伝してたから、タイトルを目にする機会はとにかく多かった。

残念ながら、映画自体が面白かった記憶はないけど。

あと、当時のフジテレビはとにかく勢いがあった。

フジで流れているものは何でも流行った。

実際にはそんなわけないんだろうけど、それくらいの印象だった。


今回、何十年振りに見た。

軽くて明るい映画。バブルだけあって、テレビで当時よくやっていた「トレンディドラマ」みたい。

映画な分、もっと豪華になってる。

話は「私をスキーに連れてって」のスキーが海に変わっただけのような気もするけど。結構楽しく見てしまった。笑

サザンオールスターズの音楽が良かった。

原田知世がきれい。織田裕二は若くて、まだこれからという感じがした。

豪華クルーザーやジェットスキー、水上のチェイスなどバブルを感じさせる豪華な映像だった。

タバコの吸い方や留守番電話が懐かしかった。




さんすうのもんだい ★☆☆☆☆
2023日。8分。伊藤啓太監督・脚本。阿蘇晃司。神林斗聖。有村友花。

たかし君は訳ありりんごを買いました。

ひとつはひろし君にあげました。ひとつは甘口カレーに使いました。

たかし君はともこさんと仲直りしてカレーを食べました。

りんごは残りいくつでしょう。


広島こわい映画祭2024: 実行委員賞受賞。

その他、いくつかのインディーズ映画や短編映画を対象とした国内外の映画祭に出品されている。

話がよく分からなかったので、解説記事や書き込みを検索した。

あまり出てこなかったのと、実際に見た印象とどうも合わないような気もするんだけど、かいつまんで書いておく。


たかし君と付き合っていたともこさんは、ひろし君と浮気しました。

それを知ったたかし君は、ひろし君を殺害(引き算)したことが暗示されます。

しかし、ともこさんはたかし君の犯行に気づいており、甘口カレーに毒を仕込んでたかし君を殺害します。

「たかし君が死にました。ひろし君もいません。ともこさんもいなくなりました。では、部屋には何人の人が残っているでしょう? ……正解は、0人です」

というブラックユーモア&ホラーなんだそうだ。

色々と読んでみても、モヤモヤする映画だった。




タマテバコ ★★★★☆
2015日。7分。堤真矢。灰地順。松本脩吾。尾本萌。清里流郷。品川恵子。
中学生の沙希は同じクラスの太郎に小さなプレゼントの箱を渡す。

「開けちゃだめ」という沙希をからかって、太郎が箱を開けようとした瞬間、二人の周りの時間が急激に動き出す。

堤真矢監督が主宰する映像制作ユニット「Tick Tack Movie(ティック・タック・ムービー)」によって企画・製作された。

「浦島太郎」をモチーフにした連作短編映画(全5作品)の製作の1編。

「那須ショートフィルムフェスティバル 那須アワード2015」にて上映。


ストーリーその他のクオリティが高くて面白かった。

この2人はきっとこの先も一緒に過ごすんだろう。




うどん侍 ★★★☆☆
2016日。5分。高山直美監督・脚本。伊丹孝利。大道建介。朝霧靖子。

はるおが行きつけのうどん屋に入ると外国人カップルの会話が聞こえてきた。

「うどんとそばは友達だよ」「うどんとラーメンは恋人だよ」

微笑ましいやりとりだったが、やがて2人は喧嘩を始めてしまう。

はるおは一喝し、“うどんの食べ方”を教授する。


「さぬき映画祭」上映作品。

外国人の扮装はコントレベル。

チープさがインディーズらしい。




悲しみと怒り ★★★☆☆
2025日。14分。上本聡監督・脚本・撮影・編集。坂巻有紗。蓬莱舞。江藤アリア。ほんだひまり。深田晃司。

とある地方都市でいじめを苦に女子高生が自殺。

疑問を抱いた女性フリーライターが取材するが、町の人々は無関心で冷淡だった。

彼女は記事を書くことを諦め、ある決意をする。


「第3回横浜国際映画祭」にてワールドプレミア上映。

ほぼすべてのカットが、ライターの女性が撮った白黒写真(静止画像)と彼女のモノローグで構成されている。独特な演出。

上本聡監督がフランス映画「ラ・ジュテ」(1962仏。クリス・マルケル監督。28分)※に感銘を受けて制作した。

※「ラ・ジュテ」は第3次世界大戦後、廃墟になったパリを舞台にしたSF映画。

白黒の静止画で構成されている。

フランスの映画運動である「ヌーヴェル・ヴァーグ」の重要作とされる。

インディーズ映画。


以前に見たけど、私には良さが分からなかった。

静止画という独特な表現方法、28分という短い時間にしては描きたいものが大きすぎるように感じた。

実験作品みたいな映画で、刺さる人には刺さるらしい。検索したら、多くの映画監督に影響を与えたとあった。

ジャン=リュック・ゴダール。クリストファー・ノーラン。押井守。

上本聡監督もそんな1人なんだろう。

個人的には、本作は表現と内容がマッチしていて自然に見られた。

話は最後に飛躍してしまったけど、こうした映画は所謂「ショートショート」みたいなものだし、ありだと思う。




押し入れ女の幸福 ★★★☆☆
2013日。29分。大橋隆行監督。太田いず帆。金谷隆之。菅谷東雄。

人類が誕生した時から人間たちを見守ってきた「押し入れ女」。

男は「押し入れ女」に食事を届ける役割を父から引き継いだ。

「決して彼女に話しかけてはならない」というルールを破って、男は押し入れに向かって話しかけてしまう。

「SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2014」短編コンペティション部門最優秀作品賞受賞。

「福岡インディペンデント映画祭2014」優秀賞受賞。


最初のシーンを見て、手塚治虫の「火の鳥」を思い出してしまった。

設定は壮大。

絵的には、押し入れに向かって男が話しかけるシーンが続く。

話しかけてはならないってルールの筈だけど、一度破ったらもういいらしい。

どんな結末が待っているのか、先が気になる映画だった。

ただ、映像は単調で長く感じた。

インディーズの30分って結構辛い。

何せ、場面がほとんど変わらないから。

低予算の中で、撮影は工夫して頑張ってると思うけど。

色々と書いたけど、この映画は良かった。

先日見た「彼の日常」も良かったし、この監督はちょっと気になるかもしれない。


ふと、「人類が誕生した頃」にはまだ押し入れはなかったと思うけど、どうしていたんだろうと思った。

天照大神が天岩戸に隠れた「岩戸隠れ」の神話みたいに、岩の中に隠れて見ていたんだろうか。

素朴な疑問として頭に浮かんだんだけど、粗探しみたいになってしまうし、それはいいか。




よく当たる占い師 ★★★☆☆
2017日。5分。高明監督。森本のぶ。田山由起。髙木直子。谷手人。斉藤一平。

ノブオは今日、サチコに5年越しのプロポーズをしようとしていた。

彼女の元へ向かう朝、ノブオは道端の占い師から「今日は最高に運がついている日だ」と声をかけられる。

その直後から、ノブオを次々にハプニングが襲う。果たして、プロポーズの行方は…!?

「MORIMOTO映画祭2019」、「MORIMOTO映画祭2020」にて上映。


コントみたいな映画。最後はダジャレ落ち。

ショート映画だし、それもまたありかも。




眼鏡と太郎 ★★★☆☆
2021日。9分。串田壮史監督・脚本。眼鏡太郎。吉田電話。赤田耕哉。黒田悠月。

眼鏡太郎は、眼鏡の部分が兄で、眼鏡以外の部分が弟という、ひとつの身体を共有する双生児。

ある日彼らは、喫茶店で働く眼鏡美女・鯖江に同時に一目惚れする。

恋のライバルとなった2人は、文字通り体が引き裂かれるような争いを繰り広げる。

映画祭への出品実績はなし。池袋シネマ・ロサにて1週間限定で劇場公開された。


インディーズでしか作れない話だと思う。シュールで楽しい話だった。

主人公の顔はちょっと気持ち悪かったけど。