【今回見た映画】

ギターを持った渡り鳥(1959日)

カリガリ博士(1920独)

波止場(1954米)

美しい暦(1963日)

もしも徳川家康が総理大臣になったら(2024日)


堂堂たる人生(1961日)

あじさいの歌(1960日)

花と竜(1962日)

ドリームプラン(2021米)

チェーン・リアクション(1996米)





ギターを持った渡り鳥 ★★★☆☆

1959日。78分。齋藤武市監督。小林旭。浅丘ルリ子。中原早苗。渡辺美佐子。金子信雄。宍戸錠。


背中にギターを背負った「流し」の男・滝伸次が函館にやって来た。


用心棒として伸次を雇った秋津組の組長・秋津は地上げのために住民の立ち退きを命じる。


そんなある日、港で密輸取引を行ったボスは、取引相手と彼を同時に始末しようとする。



「渡り鳥シリーズ」第1作。


このシリーズは合計8作品が作られた。


8作いずれも刑事をやめてギターの流しとなった主人公・滝 伸次が、流れ着いた土地で女性と知り合ったのち、暗躍する黒幕を懲らしめて旅立つというプロットである。(wikiより。身も蓋もない書き方だ。笑)


同タイトルの歌もあってか、第1作が一番有名だと思う。


面白さは1番ってほどでもない。シリーズの全部は見てないけど、続編でもっと面白いのもあった。


シリーズってそんなものかと思う。


ここから、続編で受ける部分を発展させていった感じがする。


あとから見ると、第1作はおとなしめというか、地味に見える。





カリガリ博士 ★★★☆☆

1920独。71分。ローベルト・ヴィーネ監督。ヴェルナー・クラウス。コンラート・ファイト。

フリードリッヒ・フェーエル。リル・ダゴファー。


ドイツ北部。カリガリ博士はカーニバルで“眠り男”ツェザーレの予言を見世物として客を呼び込んでいた。


ツェザーレは自分の寿命を尋ねたアランに対して、明日の夜明けまでに死ぬと予言。予言は的中し、アランは何者かに殺される。


アランの友人で、一緒にカーニバルを見に来ていたフランシスは謎の究明に乗り出すが、実は全ては精神病患者であるフランシスの妄想であった。



白黒。無声映画。


まだ技術的に複雑な内容を表現するのは難しそう。その中で精一杯ひねった話になっている。


セットのデザインが個性的で、センスを感じる。


ヒッチコック監督など後の多くの人に影響を与えたそうだ。


昔読んだ手塚治虫のマンガを思い出す。


見た目がそうだし、時代的に影響を受けていただろうと思う。


あと、藤子不二雄とかも。





波止場 ★★★☆☆

1954米。108分。エリア・カザン監督。マーロン・ブランド。エヴァ・マリー・セイント。カール・マルデン。リー・J・コッブ。ロッド・スタイガー。


ニューヨーク。


元ボクサーの青年・テリーは兄・チャーリーの指示で八百長試合をしたことでリングを追われ、今はギャングのジョニーが支配する波止場で働いている。


ある時、テリーとチャーリーはジョニーに命じられて殺人事件に関わってしまう。


しかし、被害者の妹・イディと知り合ったテリーは、彼女に惹かれていき、やがてジョニーに逆らっても自らの信念に基づいて生きようとする。



白黒。


第27回(1954年の映画を対象とする)アカデミー賞では作品賞、主演男優賞(マーロン・ブランド)など8部門を受賞した。


同じ年の映画は他に「掠奪された七人の花嫁」、「ケイン号の叛乱」、「裏窓」、「麗しのサブリナ」、「ショウほど素敵な商売はない」、「禁じられた遊び」「道」など。


今でも残る映画がたくさん出ている。



ギャングのジョニーに従ってきたテリーだったが、イディの影響もあって次第に心は離れていく。


テリーがイディの兄の裁判で証言しためにチャーリーは殺され、テリーも波止場から締め出される。


映画は労働者たちがテリーに味方して終わるけど、うまく行かずに潰されてしまう可能性だってあっただろう。


ジョニーの側に立てば、長く支配を続けるにはもっと良い方法があったと思う。


70年以上前の映画ながら、理不尽な支配は今でも残っている。色々と考えるきっかけになる映画だった。





美しい暦 ★★★☆☆

1963日。88分。森永健次郎監督。石坂洋次郎原作。吉永小百合。浜田光夫。芦川いづみ。長門裕之。丹阿弥谷津子。奈良岡朋子。桂小金治。山岡久乃。


矢島貞子は女子高校生。ハンサムな武井先生や、尊敬するから化学の村尾先生等に囲まれて楽しく過ごしている。


ある出来事がきっかけで、貞子たちの演劇部はA高校の演劇部と合同公演することになる。


A高の演劇部には、以前に登山で知り合った田村邦夫がいた。


貞子は田村に惹かれていく。



青春映画。


吉永小百合は公開時18歳。同名の主題歌を歌っている。


アイドルみたいな可愛らしい感じ。


途中のテレビでは後楽園球場で巨人の長嶋茂雄が国鉄スワローズの金田正一と対戦している。


他にも、教師が他校の生徒を「不良」と称しただけで大騒ぎになったりするところなどは時代を感じる。


その後に発言した教師が改ざんとごまかしを試みるところは、今でも変わらないかもしれないけど。笑





もしも徳川家康が総理大臣になったら ★★☆☆☆

2024日。110分。武内英樹監督。眞邊明人原作。浜辺美波。赤楚衛二。GACKT。髙嶋政宏。江口のりこ。池田鉄洋。音尾琢真。小手伸也。長井短。観月ありさ。竹中直人。野村萬斎。


新型コロナで総理大臣が死亡。


政府はAIとホログラムを使って歴史上の偉人たちを復活させ、徳川家康を内閣総理大臣とした最強の内閣を作る。


うまく行っていたかに見えた“最強内閣”だったが、ある日織田信長が謎の“死”を遂げる。



正直、期待外れだった。タイトルはすごく面白そうだったんだけど。


せっかく、これだけ豪華な登場人物を揃えてるのに政治手腕を発揮するエピソードが弱かった。


もしくは、時代に合わなくて失敗するのでもいい。


この辺のエピソードが弱いので、全然引き込まれない。


後半、信長が“抹消”されてからの謎解きは良かったけど、これは歴史上の人物が出てくる面白さとはあまり関係ない。


歴史上の人物ならではのエピソードをもっと頑張って欲しかった。


原作は未読。文章なら印象も違うのかもしれない。



浜辺美波は良かった。この人は昔より上手になった気がする。


野村萬斎の徳川家康がイケメンすぎ。


絵的には小手伸也の足利義満が一番はまってた。


2時間の映画だからしょうがないけど、義満のエピソードも何か見たかったくらい、見た目が良かった。





堂堂たる人生 ★★★☆☆

1961日。97分。牛原陽一監督。源氏鶏太原作。石原裕次郎。長門裕之。芦川いづみ。中原早苗。東野英治郎。宇野重吉。


中部周平は、倒産寸前のおもちゃ会社に就職。同僚の紺屋小助、寿司屋の娘で周平と一緒に働きたい石岡いさみ等と共に奮闘する。



先日見た「天下を取る(1960日)」と監督、原作が同じだけあって、テイストも似てる。


石原裕次郎と長門裕之のコンビは今回も良い。


好評を受けて、続けたのかもしれない。


寿司屋のカウンターでタバコを吸っているところは時代を感じる。



周平(裕次郎)は子供の意見からヒントを得て、汽車のおもちゃを開発する。


最近はこういうおもちゃをあまり見なくなった。


そういえばおもちゃ屋も減った。しばらく前は、少し大きいスーパーには必ず入っていたと思うけど。





あじさいの歌 ★★★☆☆

1960日。105分。滝沢英輔監督。石坂洋次郎原作。石原裕次郎。芦川いづみ。中原早苗。大坂志郎。東野英治郎。


デザイナーの河田藤助は倉田という老人を助けたことから屋敷の外に出ることを禁じられた娘のけい子と知り合う。


けい子の母・倉田の妻は昔、使用人と駆け落ちしていた。それ以来、倉田はけい子の外出を禁じているのだった。


藤助と出会ったことで、けい子と倉田の人生は変わろうとしていた。



デパートの化粧品売場に藤助(裕次郎)が座って、販売員が「髭剃り後にウテナの男性クリーム」と言うシーンが登場する。


有名な「あたり前田のクラッカー」みたいなタイアップか。


先日見た「堂堂たる人生」(1961日)ではチキンラーメン。


「美しい暦」(1963日)では、「バーモン」という商品が登場する。これは馴染みがないので検索したら、ミヤリサン製薬から出ていた製品で、りんご酢と蜂蜜から成るシロップだそうだ。


この頃の日活映画ではタイアップが流行っていたのかも。





花と竜 ★★★☆☆

1962日。109分。舛田利雄監督。火野葦平原作。石原裕次郎。浅丘ルリ子。岩崎加根子。葉山良二。桂小金治。大坂志郎。


北九州の門司港へやって来た二十六歳の玉井金五郎は浜尾組へ入り、次第に頭角を現していく。


紆余曲折を経て金五郎は遂に玉井組を立ち上げる。



原作は未読。本作以外にも何度か映画化されている。

原作者は「糞尿譚」で第6回(1937年下半期)芥川龍之介賞を受賞、その他には「麦と兵隊」が有名。

どれも読んだことはないけど。


裕次郎が演じると、ヤクザ者も爽やかでスケールの大きな男に見える。


私は好きだけど、東映のヤクザ映画とは大分雰囲気が違う。好まない人もいるかもしれない。


ヤクザらしい迫力はしっかりあるんだけど、裕次郎はどこか優しそう。



最後の、血塗れの決闘シーンはかなりの過激さだった。


でもやっぱり、東映とは別物。日活はカラッとしてるのかも。



同じ原作で、1969年の映画化では高倉健が主演している(マキノ雅弘監督)。


まだ見ていないけど、こちらは情念のこもったいかにも日本のヤクザみたいな映画が見られそうな気がする。





ドリームプラン ★★★☆☆

2021米。144分。レイナルド・マーカス・グリーン監督。セリーナ・ウィリアムズ、ビーナス・ウィリアムズ他製作総指揮(共同)。ウィル・スミス主演・製作(共同)。アーンジャニュー・エリス。トニー・ゴールドウィン。ジョン・バーンサル。


テニス経験が皆無だったリチャード・ウィリアムズは2人の娘を最高のテニスプレイヤーに育てると決意。


独学でテニスの指導法を研究し、78ページに及ぶ詳細な計画書を書き上げる。


ギャングがはびこる治安の悪いカリフォルニア州・コンプトンの公営コートで、リチャードの型破りな指導のもと2人の娘ビーナス、セリーナは類いまれな才能を開花させていく。


ビーナス、セリーナ姉妹のことは、テニスのトッププレーヤーという以外の知識はなかった。


こういう家庭だったとは知らなかった。


日本のイチローや亀田親子のようだ。



言葉だけだけど、当時の選手名が懐かしかった。


サンチェス。ヒンギス。クルニコワ。カプリアティ。





チェーン・リアクション ★★★☆☆

1996米。107分。アンドリュー・デイヴィス監督。キアヌ・リーブス。モーガン・フリーマン。レイチェル・ワイズ。フレッド・ウォード。ケヴィン・ダン。ブライアン・コックス。


シカゴ大学のエンジニア・エディは、バークレー博士の率いる科学プロジェクト・チームのメンバーとして、水からエネルギーを生み出す画期的な技術を開発する。


しかし既存のエネルギーを駆逐する発明には反発する勢力も大きかった。


バークレイ博士が何者かに殺され、研究所も爆破されるという事件が起こる。


エディは身に覚えのない証拠がでっち上げられ、物理学者のリリーとともにFBIに追われてしまう。



直訳すると「連鎖反応」。


主人公は無実の罪で追われながら、協力者とともに徐々に真相を明らかにしていく。真犯人は身近な人物だった!


・・という、割りとありがちなストーリー。発明内容は爆発シーン以外の絡みはなく、“画期的”でさえあれば代替がきく感じ。


見る方もある程度お約束が頭にあって、展開も予想の範疇で進むんだけど、主人公にちゃんと感情移入できるので、ハラハラしながら楽しめる。テンポも良い。



キアヌ・リーブスが若くて格好良い。


公開時32歳。本作は「スピード」(1994年)、「マトリックス」(1999年)の間になる。


モーガン・フリーマンが良かった。







【今回見た映画】

紳士は金髪がお好き(1953米)

ゴーストバスターズ/フローズン・サマー(2024米)

ホーンテッドマンション(2023米)

マッド・シティ(1997日)

トレーニングデイ(2001米)


渡り鳥いつまた帰る(1960日)

ファイナル・プラン(2020米)

見える子ちゃん(2025日)

ナイトメアー・ビフォア・クリスマス(1993米)

天下を取る(1960日)





紳士は金髪がお好き ★★★☆☆

1953米。91分。ハワード・ホークス監督。マリリン・モンロー。ジェーン・ラッセル。トミー・ヌーナン。チャールズ・コバーン。


ニューヨークで舞台に立つショー・ガールのローレライとドロシーは豪華客船でパリに行く。


ローレライが、船で知り合ったダイヤモンド鉱山の所有者ビークマン卿からティアラをもらったことから、予想外の事件に発展してしまう。



カラー。


本作はパブリックドメイン扱いになっているそうだ。そんな映画もあるんだ。


ゆるい雰囲気のコメディ。


91分のうち歌とダンスが結構入っているので、ストーリー部分は短くてシンプル。


リラックスして楽しめる映画。


マリリン・モンローが可愛らしくて魅力的。


“セックスシンボル”とよく言われるけど、今見ると可愛らしい感じの方が強い気がする。





ゴーストバスターズ/フローズン・サマー ★★★★★

2024米。115分。ギル・キーナン監督。キャリー・クーン。フィン・ウルフハード。マッケナ・グレイス。クメイル・ナンジアニ。パットン・オズワルト。アーニー・ハドソン。アニー・ポッツ。


オクラホマ州サマーヴィルで、破壊の神ゴーザが復活した事件から2年。


ニューヨークへ引っ越したスペングラー家はゴーストバスターズとして活動を続けていた。


しかし、娘のフィービーはまだ15歳であることを理由にメンバーから外されてしまい、不満を募らせる。


義父であるゲイリーはそんな彼女との関わり方に思い悩む。


そんなある時、あらゆるものを凍らせる力を持つ最強のゴースト・ガラッカが復活してしまう。



シリーズ第5作。前作「アフターライフ」の続編。


前作も良かったけど、これまでのSF要素にホームコメディとジュブナイルものの要素が加わって、色んな魅力が詰まっている。


楽しくて居心地の良い映画だった。



思い返すと、シリーズの第1作はビル・マーレイのコメディアンとしての面白さが大きかったと思う。


もちろん、映画自体も面白かったけど、ビル・マーレイの魅力は私にはよく分からなかった。(外国人には通じにくかったと思う)


その後の続編も良かったけど、「アフターライフ」からの路線は結構お気に入り。


これからも、ぜひこの方向性で続いて欲しい。





ホーンテッドマンション ★★★☆☆

2023米。123分。ジャスティン・シミエン監督。ラキース・スタンフィールド。オーウェン・ウィルソン。ダニー・デヴィート。ロザリオ・ドーソン。ジェイミー・リー・カーティス。ジャレッド・レト。


医師でシングルマザーのギャビーは9歳の息子トラヴィスとニューオーリンズに引っ越してきた。


しかし、彼女が破格値で買ったその家は、真夜中を過ぎると奇妙で恐ろしい現象が次々と起こり、999の亡霊が棲む不気味な館だった。


ギャビーは息子を守るために悪魔祓いとして神父のケントを雇う。


更には幽霊写真家のベン、霊媒師のハリエット、歴史学者のブルース教授が集結し、幽霊と館の謎を解き明かそうとする。



ディズニーランドの人気アトラクションを実写映画化。そんなパターンもあるのかと少し驚いた。


“ポリコレ”って話をよく目にする。


確かに、昔の映画と比べると白人が減って色んなルックスの俳優が出ている。


“ポリコレ”を知らなかった頃は、最近の映画の変化に戸惑ったものだけど、悪いことではないんだろうと思う。


ふと、昔の自分のブログを読み返してみたら、本作と同じディズニーの「モアナと伝説の海」でも同じようなことを書いていた。


モアナは3Dアニメだけど、たぶんディズニーは本作と同じように色んな人種が出るようにしてるんだろう。


行き過ぎだって記事を読むこともあるけど、正直ディズニー作品に限れば分かる気もする。





マッド・シティ ★★★★☆

1997米。114分。コスタ=ガヴラス監督。ダスティン・ホフマン。ジョン・トラヴォルタ。アラン・アルダ。ミア・カーシュナー。テッド・レヴィン。ロバート・プロスキー。ブライス・ダナー。


博物館の警備員をクビになったサムは、館長に交渉に行く。


脅しのために散弾銃を持って行ったサムは誤って元同僚を撃ってしまい、成り行きで館内にいた子供を人質に立て籠ってしまう。


ちょうどその時、取材に来て館内のトイレに居たTV報道記者のマックスはサムの信頼を得て独占インタビューに成功。


高視聴率を取り、世間で注目される。



風刺映画。前半はコメディ、後半はシリアスタッチ。


前半はまさに映画でしかあり得ないようなトンデモ展開で、とても面白かった。


記者役のダスティン・ホフマン、犯人役のトラボルタとも素晴らしい。


特に、ひょんなことから犯罪を犯してしまったお人好しのサムが気の毒で、すっかり感情移入してしまった。


トラボルタのこういう役は初めて見た。


後半で追い詰められていくサムを見るのは辛かった。


期待以上だった。良作だと思う。





トレーニングデイ ★★★☆☆

2001米。120分。アントワーン・フークア監督。デンゼル・ワシントン。
イーサン・ホーク。スコット・グレン。トム・ベレンジャー。


ロサンゼルス市警のパトロール警官・ジェイクは念願の刑事に昇進し、麻薬取締課に配属された。


コンビを組むベテラン刑事アロンソは「悪を倒すには悪になる必要がある」を信条とする悪徳刑事。市民から金を奪い、殺人も犯す。その上、ロシアン・マフィアと揉めていた。


ジェイクも殺されそうになるが、間一髪逃れる。ロシアン・マフィアに支払う金を用意出来なかったアロンソは遂に消されてしまう。



これも期待以上だった。


本作の公開は2001年と、もう25年も前の作品だけど、古さを感じなかった。


2001年だと、最近(2020年代とか)の映像と比べてもあまり見劣りしない気はする。


80年代、90年代の映像はハッキリと古さを感じるけど。


映画史に詳しい訳じゃないけど、「ジュラシック・パーク」あたりからCGを駆使するようになって、今のような映像になったと記憶している。



話がそれてしまった。本作に戻って、映像もさることながら話やテンポも良くて引き込まれた。


デンゼル・ワシントンが悪役を演じている。幅広く、何でもできる人だ。





渡り鳥いつまた帰る  ★★★☆☆

1960日。74分。齋藤武市監督。小林旭。浅丘ルリ子。中原早苗。川地民夫。宍戸錠。


「渡り鳥シリーズ」第3作。


渡り鳥こと滝伸次はギターを片手に新潟県の佐渡に帰ってくる。


弟を殺した仇と疑い、伸次を追う哲。伸次を慕う踊り子のユリも後を追って佐渡へ渡ってくる。


伸次は鉱山を巡る抗争に巻き込まれる。



期待通りスッキリさせてくれる映画。


小林旭は無敵のスーパーマンで格好良く、宍戸錠は魅力的な悪役。というかライバル的立ち位置。


浅丘ルリ子がきれい。





ファイナル・プラン ★★★☆☆

2020米。99分。マーク・ウィリアムズ監督・脚本(共同)・製作(共同)。リーアム・ニーソン。ケイト・ウォルシュ。ジェイ・コートニー。ジェフリー・ドノヴァン。


銀行強盗のカーターは恋人のアニーと残りの人生を共に生きようと改心し、「減刑を条件に奪った金を全て返す」とFBIに取り引きを持ちかける。


FBI捜査官のニヴェンスは大金を見て心変わりし、カーターに殺人の濡れ衣を着せて金を奪おうとする。

カーターは汚名を晴らし、復讐に乗り出す。



リーアム・ニーソンのイメージによく合ってる。


テンポもよくて面白かった。





見える子ちゃん ★★★☆☆

2025日。98分。中村義洋監督・脚本。泉朝樹原作。原菜乃華。久間田琳加。なえなの。山下幸輝。堀田茜。吉井怜。高岡早紀。京本大我。滝藤賢一。


ある日突然、普通の人間には見えない存在が見えるようになった女子高生のみこは対策を調べて「見えていないふり」がベストだと判断。


全力でスルーする。


しかし、霊に憑かれた親友ハナはどんどん様子がおかしくなってしまう。



原作マンガは未読。


原菜乃華が上手。可愛くても下手な子が演るとこういう話は見れないので。


この人はアマプラの「推しの子」で認識した。


有馬かな役がとても良かった。


そういえばその前に、うどんのCMもあった。思い出した。


推しの子を見たときに、wikiを読んでうどんのCMに出ていた女優だと知った。坂道とかのアイドルの子だと思っていた。


その後の、ガソリンスタンドのCMもインパクトがあった。


朝ドラの「あんぱん」にも末っ子役で出ていた。このドラマでは次女役の河合優実がとにかく目立っていて、ちょっと影に隠れた感じだったけど。



映画に戻って、地味だけど良い話だった。


アイドルのホラー映画みたいに、ファンを手堅く狙った低予算な映画なのかも。


原菜乃華ファンがどれだけいるのか知らないけど、京本大我とか、山下幸輝とか。


私の周りにも、多くはないけど(失礼!)京本大我推しという人はいた。


私はとりあえず何でも見る人なので見たけど、ターゲットにされてないのは間違いなさそう。


安っぽくはなかった。昔はこういう低予算な映画ってひどい映像だったけど、最近のはこういうところはすごくいい。





ナイトメアー・ビフォア・クリスマス ★★★☆☆

1993米。76分。ヘンリー・セリック監督。ティム・バートン原案・製作(共同)。

クリス・サランドン。キャサリン・オハラ。ウィリアム・ヒッキー。


死者の町「ハロウィン・タウン」の住人・パンプキン・キング ジャック・スケリントンはハロウィンに飽きていた。


そんな彼は陽気で明るい別世界「クリスマス・タウン」を知り、「ハロウィン・タウン」にもクリスマスを作ろうとする。


ジャックに密かに想いを寄せる人形のサリーが心配して見守る中、ジャックはサンタクロースをさらおうとする。


3Dアニメ。


金曜ロードショーで、「トイ・ストーリー・オブ・テラー!」と一緒に放送していた。


(トイ・ストーリーの方はアメリカのテレビ番組。このブログでは「ナイトメアー・ビフォア・クリスマス」だけ感想メモを書いておくことにします)


「アダムスファミリー」のアニメを思い出した。


子供向けミュージカル風の楽しい映画。





天下を取る ★★★☆☆

1960日。89分。牛原陽一監督。源氏鶏太原作。石原裕次郎。長門裕之。北原三枝。中原早苗。笹森礼子。


東洋物産株式会社の型破りな新入社員、大門大太が同期の亀村たちと「天下を取る」と大活躍する。


尾山人事係長は、同じく新入社員で娘の沢子を監視役に付ける。



サラリーマンもののコメディ。


裕次郎は、豪快で天真爛漫な役がよく似合っている。


ラストの老け役(夢の中)も、何とも言えず愛嬌があって良かった。


“参謀”役の長門裕之が意外とはまっていた。良いコンビだと思う。





【今回見た映画】

私はあなたのニグロではない(2016米・仏他)

ゲットスマート(2008米)

ネゴシエーター(1997米)

デルタフォース2(1990米)

若い東京の屋根の下(1963日)


青年の樹(1960日)

インディ・ジョーンズと運命のダイヤル(2023米)

名犬ウォン・トン・トン(1976米)

ふたりの女王 メアリーとエリザベス(2015米・英)

9デイズ(ナインデイズ) (2002米)





私はあなたのニグロではない ★★★☆☆

2016米・仏・ベルギー・スイス合作。93分。ラウル・ペック監督。サミュエル・L・ジャクソン:ナレーション。ジェイムズ・ボールドウィン脚本・出演。マーティン・ルーサー・キング。マルコム・X。メドガー・エバース。


ドキュメンタリー。


アメリカ黒人文学を代表する作家にして、60年代公民権運動にも深く関わったジェームズ・ボールドウィンの脚本を通して、人種差別の歴史と彼の考察が描かれる。


ナレーションはサミュエル・L・ジャクソン。



心の中の差別感情を失くすことは難しい。完全には、恐らく永遠に無理だろう。


しかし、社会的な差別は失くさなければいけない。


そんなことを思った。



印象に残ったところ。


“私はニガーではないのだから人間である!しかし、あなたが私をニガーだと思うなら、それはあなたが黒人を必要としていることを意味する”


“あなた方白人がニガーを発明した”


また、ロバート・ケネディ元司法長官の“近い将来に黒人の大統領が生まれる可能性もある”という発言に対する言葉は強烈だ。


“白人の耳には黒人解放宣言に聞こえたはず。ハーレムの人々には大違いです。(中略)彼の発言は嘲笑されました。(中略)“従順にしていれば大統領にしてやる”と”



“アメリカの黒人の物語は”


“アメリカの物語だ”


“美しい物語ではない”


“歴史は過去ではない 現在だ”





ゲットスマート ★★★★☆

2008米。111分。ピーター・シーガル監督。スティーヴ・カレル。アン・ハサウェイ。ドウェイン・ジョンソン。アラン・アーキン。


マックスウェル・スマートは極秘諜報機関「コントロール」の敏腕分析官。


しかし、国際犯罪組織「カオス」の襲撃によってエージェント全員の個人情報が漏れ、各地でエージェントが殺される。


そこで、スマートがエージェント86として起用され、整形手術を受けたばかりでカオスに顔が知られていないエージェント99とコンビを組み、「カオス」を追ってロシアへ向かう。



コメディ。


1965~70年にかけてアメリカで放送され、人気を博したTVドラマ「それ行けスマート」のリメイク。


特に期待していなかったが、これは面白かった。


手慣れた感じで、最初から最後まで楽しかった。


テレビシリーズのノウハウがあるんだろうか。



スティーヴ・カレルって初めて見たと思うけど、良い役者。笑わせてもらった。


(途中までライアン・ゴズリングかと思っていた。そこまで似てないのに。笑)


アン・ハサウェイも魅力的。


続編も見ようと思ったら、なかった。


絶対あると思ったのに。


そこまでヒットしなかったのか、他に何かあったのか。





ネゴシエーター ★★★☆☆

1997米。117分。トーマス・カーター監督。エディ・マーフィ主演・製作総指揮(共同)。マイケル・ラパポート。マイケル・ウィンコット。カルメン・イジョゴ。


ネゴシエーターとして数々の事件を解決に導いてきたサンフランシスコ市警のスコット刑事は新人ケヴィンの教育係に任命される。


当初はこの命令を不服に思うスコットだったが、徐々にケヴィンと協力関係を築き、二人で凶悪犯のコーダを追い詰めて行く。



有名タイトルながら、見たことがなかった。


出だしは面白くて期待したんだけど、尻すぼみな印象。


ネゴシエーターというよりも割りと普通の刑事物だった。


エディ・マーフィは良かったけど既視感があって、飽きられたのもしょうがないのかな、と思った。





デルタフォース2 ★★★☆☆

1990米。111分。アーロン・ノリス監督。チャック・ノリス。ビリー・ドラゴ。ジョン・P・ライアン。マーク・マーゴリス。


デルタ・フォースによって拘束された南米サン・カルロスの麻薬王ラモン・コタは裁判で無罪となり釈放される。


ラモンは報復に出て、ボビー・チャベス少佐が殺害される。


アメリカ大統領は捕まっている捜査官たちの救出をデルタ・フォースに命令する。



前作に続いてデルタ・フォースは男臭くて格好良く、ストーリーは単純明快でスッキリ。


午後ローにふさわしいB級映画という感じがする。


気軽に楽しめるエンタメ映画。


ほめている…ことにはならないか。





若い東京の屋根の下 ★★★☆☆

1963日。90分。斎藤武市監督。源氏鶏太原作。吉永小百合。浜田光夫。山岡久乃。初井言栄。


19歳の蕗子は両親と弟の4人で暮らしている。


ある日、既に家を出ている2番目の兄・次郎から後輩の大学生を家に下宿させて欲しいと頼まれる。


その大学生・三上良平は蕗子と路上で衝突して口論となった相手だった。


蕗子は良平とぶつかりながら、次第に惹かれていく。



「いつでも夢を」に続く、橋幸夫と吉永小百合のデュエット曲。


ヒットを受けて、同名の映画が製作された。歌謡映画ながら珍しく原作がある。


橋幸夫はスケジュールが合わず、出演していない。


(wikiより)



青春映画。


吉永小百合がきれい。


ただ、何本も見ていると本当に似た作品が多いと感じる。


たまに見る分には良いんだけど。





青年の樹 ★★★☆☆

1960日。88分。舛田利雄監督。石原慎太郎原作。石原裕次郎。北原三枝。芦川いづみ。中原早苗。大坂志郎。笹森礼子。


表向きは港湾作業、裏ではヤクザ稼業を営む和久組の後とり、和久武馬は家を出て1人になろうと東京学院大学に入学し、同じ学部で親しくなった赤坂の料亭の娘・山形明子の紹介で踊りの師匠紫雨の許へ下宿する。


明子の母・えい子は議員の桜井との関係を苦にして自殺する。


彼女は武馬の父・達之助のかつての恋人だった。


達之助は和久組と対立する川名組によって殺されてしまう。


武馬は和久組を再建して新しいヤクザの世界を作ることを決意する。



青春映画。


その割にはストーリーが物騒だけど。


青春ヤクザ映画という感じか。



昔の映画って今では取り上げないような題材が普通に出てきたりする。


和久組についても、劇中で武馬はヤクザで港湾作業をしていると堂々と話している。


時代が違うってことなんだろうけど、長年の間に色んなことが変わってきたんだと思う。



石原裕次郎が魅力的。この人はやっぱり別格だと思う。





インディ・ジョーンズと運命のダイヤル ★★★☆☆

2023米。154分。ジェームズ・マンゴールド監督・脚本(共同)。ジョージ・ルーカス原作(共同)。スティーヴン・スピルバーグ製作(共同)。ハリソン・フォード。フィービー・ウォーラー=ブリッジ。アントニオ・バンデラス。ジョン・リス=デイヴィス。シャウネット・レネー・ウィルソン。トーマス・クレッチマン。トビー・ジョーンズ。ボイド・ホルブルック。オリヴィエ・リヒタース。イーサン・イシドール。マッツ・ミケルセン。


考古学者で冒険家のインディアナ・ジョーンズは、若き日にその片割れを発見した伝説の秘宝「運命のダイヤル」の調査を、かつて一緒に調査した友人の考古学者バジルの娘・ヘレナから依頼される。


同じ頃、インディの宿敵で元ナチスの科学者であるフォラーもダイヤルを取り戻すべく、ナチスの残党と共に動き出していた。



ハリソン・フォード最後のインディ・ジョーンズ。


154分は最近の映画では随分長い。正に、大ヒットを約束された超大作。


ハリソン・フォードはさすがに歳を取ったけど、存在感は抜群。また、周りの豪華な出演者がカバーしてる。


映像もアクションも良かった。


進化する一方で、雰囲気はちゃんとインディ・ジョーンズだった。懐かしい感じもした。





名犬ウォン・トン・トン ★★★☆☆

1976米。92分。マイケル・ウィナー監督。ブルース・ダーン。マデリーン・カーン。アート・カーニー。


1924年。無声映画の時代。映画スターを夢見るエスティは、オーディションに向かう途中でシェパードのノラ犬と出会う。


ノラ犬が偽監督からエスティを助けたところを見て、撮影所の社長は映画に出そうと思い付く。


犬はウォン・トン・トンと名付けられ、スターダムにのしあがる。



コメディ。


ノリが昔のカトゥーンアニメみたい。


ウォン・トン・トンが可愛らしい。


ウォン・トン・トンがサーカスを追い出され、逆境の中エスティを探すところは迫真の演技(たぶん)なんだけど、結構しょうもなくて(失礼!)ウォン・トン・トンの可愛らしさに目が行ってしまう。


ラストで、再びウォン・トン・トンを取り上げようとする記者たちにエスティが「この子はウォン・トン・トンではありません、普通の犬です」って守るところは良かった。



昔の、ハリウッド黎明期の雰囲気も伝わってくる。今と比べたら、まだ小さいビジネスだったんだと思う。





ふたりの女王 メアリーとエリザベス ★★★☆☆

2015米・英。124分。ジョージー・ルーク監督。

シアーシャ・ローナン。マーゴット・ロビー。ジャック・ロウデン。ジョー・アルウィン。


フランス王・フランソワ2世の崩御により18歳で未亡人となったメアリーは、故郷のスコットランドに帰国して再び王位に就く。


しかし、当時のスコットランドではプロテスタント教徒の勢力が増しており、カトリックで女性の君主を快く思っていなかった。


また、メアリーはイングランドの王位継承権を主張し、独身で後継者のいないエリザベス女王と対立する。


やがて、メアリーはエリザベス女王の元幽閉され、暗殺計画が明るみに出たことで処刑される。



メアリーとエリザベスの対立であると同時に、男社会で生き抜く2人の姿を描いている。


話は分かりやすく整理されていて、且つ見応えがあった。


新しい映画だけあって演出も良く、臨場感があった。


(10年前の映画を新しいとは言えないかもしれないけど、それこそ1930年とか50年などの昔の映画も見ているので、個人の感覚としては2000年代の映画は新しいと感じている。CGが当たり前になって、映像がぐんと良くなった。)



政争に破れたメアリーは結局、処刑される。中世の処置は厳しい。


話は変わるけど、ヨーロッパが舞台の映画って寒そう。これは毎回思う。





9デイズ(ナインデイズ) ★★★☆☆

2002米。117分。ジョエル・シュマッカー監督。アンソニー・ホプキンス。クリス・ロック。ピーター・ストーメア。ガブリエル・マクト。ケリー・ワシントン。


チェコ共和国の首都プラハで囮捜査中のCIAエージェント・ケヴィン・ポープが殺されてしまう。

彼なしでは、ポータブル核爆弾の密売捜査が振り出しに戻ってしまう。


CIAは生き別れとなっていたケヴィンの弟・ジェイクを見つけ出し、ケヴィンの相棒でベテランエージェントのゲイロードと組ませるのだが…。



期待以上だった。


話はシンプルで分かりやすく、テンポがいいので引き込まれる。


クリス・ロックが魅力的。アンソニー・ホプキンスもいい味を出していた。


アクションのカメラワークを見て、2000年代の映像ってやっぱりすごいと思った。


ちなみに、ネットの記事や書き込みを読んでると、こういう感想を書いてる人ってあまりいないようなんだけど、みんなすごいと思わないんだろうか。私はいつも感心してしまうんだけど。笑