【今回見た映画】

ドラゴン危機一髪(1971英領香港)

ドラゴン怒りの鉄拳(1972英領香港)

ドラゴンへの道(1972英領香港)
死亡遊戯(1978英領香港・米)

死亡の塔(1981英領香港)


Mr.Boo!(ミスター・ブー 1976英領香港)

狼 男たちの挽歌・最終章(1989英領香港)

クレージーモンキー 笑拳(1979英領香港)

醒拳(せいけん 1983英領香港)

少林寺(1982中国・英領香港)





ドラゴン危機一髪 ★★★☆☆

1971英領香港。100分。ロー・ウェイ監督・脚本。ブルース・リー。ジェームス・ティエン。ラム・チェンイン。


タイで製氷工場を隠れ蓑にして麻薬を密売しているギャングに、従兄弟たちを殺害されたチェン。


復讐のために1人乗り込む。



本作の公開は以前に見た「燃えよドラゴン」(1973英領香港・米)の2年前。


個人的な印象だけど、もっと前の作品かと思った。とても若く見えたので。



香港では興行記録を更新するほど大ヒットしたそうだ。


今見るとさすがに平凡な作品に見えるけど、ブルース・リーの魅力が溢れている。


スターダムにのしあがるきっかけになったのはよく分かる。



ブルース・リーはシリアスでストイックなキャラのイメージが強かった。


これまで「燃えよドラゴン」しか見てなかったので。


本作では工場長の宴会で酔いつぶれるシーンがあって、ちょっとコミカルで面白かった。


あまり向いてないとは思ったけど。笑





ドラゴン怒りの鉄拳 ★★★☆☆

1972英領香港。102分。ロー・ウェイ監督・脚本。ブルース・リー。ノラ・ミャオ。橋本力。


20世紀初頭、清朝末期の上海。精武館の創始者で中国武術の大家霍元甲が殺害される。


愛弟子の陳真は、日本人による犯行だと知って日本柔道場へ1人乗り込む。



ストーリーはシンプル。日本人は絵に描いたような悪役。


アクションシーンは危機一髪より多め。やはり見せ場で、格好良い。


「危機一髪」より一般受けしそう。日本ではどちらも6億円の興行収入となっていたけど(wiki)。


ローマでロケをしていたり、その他にも本作の前に見た「ドラゴン危機一髪」、「〜怒りの鉄拳」と比べて少しお金がかかっているように見える。


公開した年の順番に見てきたんだけど、映画のヒットで徐々に大作が作れるようになってきたのかも。


内容も少し明るい。





ドラゴンへの道 ★★★☆☆

1972英領香港。100分。ブルース・リー監督・脚本・主演。ノラ・ミャオ。トニー・リュウ。チャック・ノリス。


イタリア・ローマにある中華料理店「上海」は立ち退きを迫るマフィアから執拗な嫌がらせを受けていた。


香港から呼ばれた中国拳法の達人タン・ロンはマフィアを撃退する。


しかし、マフィアはアメリカから強力な用心棒を雇い入れ、抗争は激化していく。





死亡遊戯 ★★★☆☆

1978英領香港・米。110分。ロバート・クローズ監督。ブルース・リー。ギグ・ヤング。ディーン・ジャガー。コリーン・キャンプ。サモ・ハン・キンポー。カリーム・アブドゥル=ジャバー。


ドクター・ランド率いるシンジケートはスポーツ選手や俳優を終身契約にして暴利を貪っていた。


シンジケートは世界的なアクションスター・ビリー・ローに終身契約を迫るが拒否される。


脅しにも屈しないビリーに業を煮やしたランドはビリーの暗殺を命じる。



ラストシーンを最初に撮影した後、ブルース・リーは急死。


それから5年後、未公開フィルムを編集して作り上げた“最後の主演作品”。


あまり面白くないなあ、と思って見ていたが、舞台裏を知るとよくここまでに仕上げたものだと感心してしまう。


「キル・ビル」のスーツ、ブルース・リーが本作で着ていたとは知らなかった。





死亡の塔 ★★★☆☆

1981英領香港。96分。ウー・シーユェン監督。タン・ロン。ブルース・リー。



ジークンドーの達人ビリー(ブルース・リー)は親友の武術家チン・クーの謎の死について調べる途中、日本で非業の死を遂げる。


ビリーの弟ボビーは兄の後を追い、ついに巨大な地下秘密基地「死亡の塔」にたどり着く。



本作も「死亡遊戯」撮影中に並行して企画されていた作品だそうだ。


ブルース・リーの急死で脚本を改訂し、撮り終えていた一部シーンと未公開フィルムによって編集されたもの。



さすがにブルース・リーの出番は少なく、時々出てくると「おお、出てきた出てきた」と思って見ていた。


「死亡遊戯」で味をしめたのか、それでもお客が入るくらいブルース・リーの人気がすごかったということか。


しかし、今はサブスクで見られるからいいけど、映画館まで行ってこれが出てきたらがっかりかも。





Mr.Boo! ★★★☆☆

1976英領香港。100分。マイケル・ホイ監督・脚本。


ウォンは香港の私立探偵。助手のチョンボと秘書のリッキーと3人で探偵事務所を営んでいる。最近、カンフーの達人であるお調子者のキットが加わった。


持ち込まれるのは浮気や万引きなど小さな事件ばかりだったが、ある日映画館への爆弾脅迫時間が舞い込む。


そこは凶悪な強盗団も狙っていたことから、ウォン達は大きな事件に巻き込まれていく。



昔テレビで見たと思う。細かいことはあまり覚えていないけど、こんなノリだったと懐かしかった。


香港映画の全盛期はこの辺りか、もう少し後くらい。今では想像もつかないほどよく見られていた。


今はサブスクで見られるのでとても便利。




狼 男たちの挽歌・最終章 ★★★☆☆

1989英領香港。111分。ジョン・ウー監督・脚本。チョウ・ユンファ。サリー・イップ。ケネス・ツァン。


引退を決意していた殺し屋のジェフリーはクラブ歌手のジェニーを失明させてしまい、治療費のために組織から暗殺の仕事を引き受ける。


その為にジェフリーは警察に追われることになりる。更に組織の裏切りで彼は窮地に立たされる。


一方、リー刑事は警察内で孤立している自分とジェフリーの姿が重なり、2人は奇妙な絆を感じ始める。


アジアのヤクザ映画って感じ。昔のヤクザ映画を思い出した。


本作は撃ち合いがやたらと多いのが特徴。


後で検索してみたら、本作辺りからジョン・ウー監督のスタイルが確立されてきたんだそうだ。





クレージーモンキー 笑拳 ★★★☆☆

1979英領香港。98分。ジャッキー・チェン監督・脚本(共同)・主演。ジェームス・ティエン。ディーン・セキ。


清朝末期の広東。


自らの軽薄な行動のために祖父チェンの死を招いたシンロン青年は8本足の麒麟」に師事して特訓、遂に人間の感情「喜」「怒」「哀」「楽」をもとにした4つの型から成る「行意門」の最終奥義を伝授され、祖父を殺したエン一味に立ち向かう。

 

ブルース・リーを何作か見た後だったので、ジャッキー・チェンとの持ち味の違いが印象的だった。


コミカルなシーン多数。女装して決闘してみたり。


好みはあれど、どちらも面白い。


若い頃のジャッキー・チェンは本当に身軽で、すごい運動神経だと思う。

 




醒拳(せいけん) ★★★☆☆

1983英領香港。90分。チェン・チュアン監督。ジャッキー・チェン。ジェームズ・ティエン。ワイ・ティンチー。ハン・クォツァイ。


清朝末期の広東。


六合八卦拳の使い手・チン兄弟は宿敵である末世流の極悪兄弟に命を狙われ、幼い息子を連れて別々に逃亡する。


数年後、青年に成長した息子のロンは六合八卦拳を伝授されるが修行をさぼってギャンブルとケンカに明け暮れていた。 


ある時、ロンは町で末世流兄弟に見つかり、父を殺されてしまう。


ロンは伯父を頼るがそこにも末世流兄弟が現れ、伯父も殺されてしまう。


ロンと従兄弟は特訓を積み、末世流兄弟へ仇討ちを挑む。

 


ブルース・リー「死亡遊戯」のような継ぎ接(は)ぎ映画。


こちらは事情が違って、「ジャッキージャック事件」という契約のトラブルがあったそうだ。


売り出し方についての意見の相違、映画会社(羅維影業公司・ロー・ウェイ)との争いなど寡聞にして知らず、本作をきっかけに興味深くwikiを読んだ。

 

映画は一応成立している。ひどいけど。笑

 

 

 


少林寺 ★★★☆☆
1982中国・英領香港。100分。チャン・シン・イエン監督。リー・リンチェイ(ジェット・リー)。ティン・ナン。フー・チェン・チャン。ユエ・ハイ。

中国・隋朝の末期。

東都では王仁則将軍が暴政の限りを尽くしていた。

武術家の神腿張は捕えられた仲間を助けようとして逆に殺されてしまう。

息子の小虎は重傷を負って少林寺へ逃げ込み、パイ(白無瑕)らに助けられる。

少林寺で修行を積んだ小虎は再び王将軍に挑む。


日本でも少林寺拳法ブームを巻き起こした映画。

ジェット・リーのデビュー作。中国武術大会で5年連続チャンピオンに輝いた経歴を持つそうだ。

(wikiより)


ジェット・リーが若い。幼い感じもする。この時18歳だそうだ。

ルックスの良さは正直よく分からない。アクションが良い。



【今回見た映画】

会議は踊る(1931独)

天使(2006日)

MEGザ・モンスターズ2(2023米・中)

うつくしいひと(2016日)

うつくしいひと サバ?(2017日)


荒野のガンマン(1961米)

荒野に生きる(1971米)

グロリア(1999米)

新ポリス・ストーリー(1993英領香港)

21ブリッジ(twenty-one bridges

2019米)





会議は踊る ★★★★☆

1931独。エリック・シャレル監督。リリアン・ハーヴェイ。ヴィリー・フリッチ。


題名は、オーストリアのリーニュ侯爵シャルル・ジョセフの言葉といわれる「会議は踊る、されど進まず」から。


1814年。


ナポレオン・ボナパルト失脚後のヨーロッパ。


オーストリア帝国の首都・ウィーンで戦後処理のために開催されたウィーン会議。


オーストリアの宰相メッテルニヒとロシア皇帝・アレクサンドル1世の駆け引き。


アレクサンドル1世とウィーンの街娘・クリステルとの夢のような逢瀬と別れ。



白黒。


ミュージカル。オペレッタ映画。コメディ。



歴史を描いている、というよりは題材にして楽しくエンタメに仕立てた映画。


今となっては、本作そのものが映画史を彩る1作になっているけど。


楽しさが溢れる、夢のような作品。最後はちょっと切ない。





天使 ★★★☆☆

2006日。117分。宮坂まゆみ監督。桜沢エリカ原作。深田恭子。内田朝陽。永瀬正敏。永作裕美。西田尚美。泉谷しげる。


オムニバス。


人間と言葉は交わせない。ジンライムが好きな天使。


東京のとある街で、悩みを抱えた様々な人たちが、そんな天使と出会って悩みを解決していく。



セリフは無いんだけど、深田恭子が可愛らしい。


永瀬正敏は久々に見た。この人の濱マイクシリーズが好きだった。





MEGザ・モンスターズ2 ★★★☆☆

2023米・中。116分。ベン・ウィートリー監督。ジェイソン・ステイサム製作総指揮(共同)・主演。ウー・ジン製作総指揮(共同)・出演。ソフィア・ツァイ。シエンナ・ギロリー。クリフ・カーティス。


前作で巨大生物メガロドン(メグ)が発見されてから5年後。


ジョナス・テイラーは地球で最も深いと言われるマリアナ海溝への調査で、謎の生命反応を探知する。


巨大なサメ“メグ”の群れと、更なる巨大生物たち・・。



難しいことは考えずに楽しめるエンタメ大作。


前作の方がインパクトはあったかもしれないけど、本作も迫力。


こういう映画を見る度に、技術の進化を感じる。





うつくしいひと ★★★☆☆

2016日。39分。行定勲監督・脚本(共同)。橋本愛。姜尚中。米村亮太朗。高良健吾。石田えり。


行定勲監督が、故郷の熊本県を舞台に撮った映画。


熊本で迷子になってしまった外国人のマチュー。


私立探偵の玉屋末吉と仲間たちは、言葉が通じない(サバ?“元気ですか”以外)マチューを助ける。



うつくしいひと サバ? ★★★☆☆

2017日。45分。行定勲監督・脚本(共同)。高良健吾。米村亮太朗。中別府葵。石橋静河。ロイック・ガルニエ。井手らっきょ。中原丈雄。


行定勲監督が、故郷の熊本県を舞台に撮った映画の第2弾。


亡き妻の遺骨をフランスへ持ち帰るために熊本を訪れ、再び迷子になってしまったマチュー。


私立探偵の玉屋末吉と仲間たちは、言葉が通じない(サバ?“元気ですか”以外)マチューを助ける。



熊本の景色が美しい。


監督を始め主要キャストは熊本出身の人だそうだ。





荒野のガンマン ★★★☆☆

1961米。93分。サム・ペキンパー監督。ブライアン・キース。モーリン・オハラ。チル・ウィルス。


南北戦争終結から数年後。


元北軍兵のイエローレッグは、戦争中に殺されかけた元南軍兵のタークを探していた。


カードのイカサマで首をくくられそうになっていたタークを見つけたイエローレッグは、後で自分の手で殺すために救い出す。


イエローレッグ、ターク、タークの相棒ビリーの3人は銀行強盗を計画する。


3人は銀行のある町で子持ちの美女キットと出会う。



西部劇。


主人公の復讐という全体を通じてのテーマはあるけど、ストーリーは行き当たりばったりな印象を受ける。


こういう感じの、思いつきみたいに旅をする西部劇は結構見た。


西部劇は数限りなく作られたそうだから、似たような作品もたくさんあるんだろう。


ロードムービーの元祖みたいなものか。想像だけど。





荒野に生きる ★★★☆☆

1971米。99分。リチャード・C・サラフィアン監督。リチャード・ハリス。ジョン・ヒューストン。


開拓初期のアメリカ西部。


危険な奥地へ毛皮商を先導するザックは、熊に襲われて重症を負う。


毛皮商はザックを荒野へ置き去りにして先を急ぐ。


ザックは生き延び、毛皮商へ復讐するためあとを追う。



西部劇。


実話ベース。


ヒュー・グラスという実在の猟師がモデルだそうだ。


同じテーマで、「レヴェナント:蘇えりし者(2015米。アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ監督。レオナルド・ディカプリオ主演。坂本龍一他音楽)」という映画も作られている。


こちらは未視聴。



果てしなく広がる荒野、先住民や人間を襲う野生動物がたくさんいる危険な場所が舞台。


こんなところでよく生きてきたものだと思う。





グロリア ★★★☆☆

1999米。108分。シドニー・ルメット監督。シャロン・ストーン。ジェレミー・ノーサム。キャシー・モリアーティ。


1980年公開の同じタイトル作品(ジョン・カサヴェテス監督・脚本。ジーナ・ローランズ主演)のリメイク。


3年の刑期を終えて出所したグロリアはニューヨークの組織の元へ帰るが、かつての仲間に裏切られる。


組織に捕らわれていた少年・ニッキーを人質に脱出したグロリアは、組織の秘密を記録したフロッピーディスクも持ち出してしまったために執拗に追われるはめになる。



シャロン・ストーンはきれいだけど特に好きな女優でもなく、本作も期待してなかった。


しかし、これが意外と面白かった。


予備知識もなしで見たので、リメイク作品だとは知らなかった。


平凡(と言うにはきれいすぎるが)な女性が、時に足を引っ張る少年を連れて逃げ惑い、活路を見出だすところは見応えがあった。


シャロン・ストーンの演技も良かった。


検索してサイトを見ていたら、世間の評判は良くないみたいだけど。



印象に残ったところ。


モーテルで、ニッキーがグロリアに


“女なのに大きい足だね”


って言うシーンがある。グロリアは


“何それ、おせじのつもり?”


と答える。


ここが良く分からなかった。


ニッキーが、無神経な、女性に言うべきでないことを言ってしまって、グロリアが冗談ですませたっていうことなのか。


それとも、アメリカ(あるいは、グロリアの周り)では女性の足が大きいのは褒め言葉なのか。


日本では、あまり褒め言葉になることはないと思うけど。





新ポリス・ストーリー ★★★☆☆

1993英領香港。107分。カーク・ウォン監督。ジャッキー・チェン。ケント・チェン。ロー・カーウィン。


誘拐事件が多発する香港。


香港警察の刑事エディ・チャンはマフィアによる誘拐事件の捜査で独断からミスを犯して謹慎中だった。


そんな中、不動産王のウォンが誘拐されるという時間が起こる。


エディはハン警部と組んで捜査に当たるが、このハン警部こそ誘拐事件の黒幕だった。


汚職が蔓延する香港警察内で、エディはハン警部の犯罪を暴こうとする。



おなじみのNGシーンはなし。コミカルな雰囲気は薄め。


話はシンプルで分かりやすい。


公開時のジャッキー・チェンは39歳と男盛り。今見ても魅力的。





21ブリッジ ★★★☆☆

2019米。99分。ブライアン・カーク監督。チャドウィック・ボーズマン製作(共同)・主演。シエナ・ミラー。キース・デイヴィッド。


ニューヨーク・マンハッタン島で強盗事件が発生、銃撃戦で警察官8人が死亡する。


アンドレ・デイビス刑事は捜査を命じられる。彼の父は優れた警察官だったが殉職していた。


アンドレと相棒のフランキー・バーンズ刑事は警察とFBIの許可を取りマンハッタン島を完全封鎖して犯人を追う。


しかし、捜査を進めるにつれ警察内部の汚職が浮上してくる。



期待以上に話が面白かった。テンポも良い。




今回読んだ本。
「祈りの幕が下りる時」東野圭吾
「麒麟の翼」東野圭吾



「祈りの幕が下りる時」東野圭吾

東京都葛飾区・小菅のアパートで滋賀県在住の押谷道子の絞殺死体が発見された。

なぜ滋賀県在住の女性が小菅で殺害されたのか。

同じ頃、新小岩の河川敷でホームレスの殺人事件があり、捜査一課の松宮は関連性を疑う。

松宮は捜査を進める内、押谷道子が中学の同級生で演出家の浅居博美を訪ねて上京したことを突き止める。

さらに、博美は松宮の従兄で日本橋署の刑事である加賀恭一郎の知り合いだった。

やがて、事件は加賀の中で未解決となっていた失踪した母に関する謎と結びつく。


加賀恭一郎シリーズ第10作目。

出生の秘密に絡んだ事件。

トリックも複雑で、最後まで引き付けられた。

印象に残ったところ(ページは講談社文庫)

本筋とは関係ない部分ですが。

P151 彼女は単なる顔かたちだけでなく、絵を見た印象で語っている。かつて警察で頻繁に活用されたモンタージュ写真がすたれたのは、あまりに具体的すぎて、抽象的な印象を伝えられないからだ。(後略)




「麒麟の翼」東野圭吾

ある寒い夜。寒い夜のこと。日本橋の欄干で腹を刺された男性が凭れかかっているのが発見された。

病院で死亡したその男性は、建築部品メーカー「カネセキ金属」製造本部長・青柳武明だと判明。

間もなく、その会社でしばらく前まで派遣社員として働いていた八島冬樹が容疑者として浮かび上がる。

しかし、彼は現場から逃走中にトラックにはねられ、昏睡状態に陥っていた。

やがて、「カネセキ金属」に「労災隠し」が発覚し、被害者である青柳部長がその責任者であり、八島冬樹の恨みを買っていた可能性があると判明する。

八島が犯人だと結論付けられそうな中、加賀はまだ納得していなかった。


加賀恭一郎シリーズの第9作目。予備知識がなくて第10作目の「祈りの幕が下りる時」を先に読んでしまった。

本作もとても良かった。

謎解きももちろん、被害者である青柳部長と息子の悠人との親子関係、八島冬樹と恋人の中原香織などドラマ部分も良かった。

中原香織が八島冬樹について語るところは涙が出た。

(ページは講談社文庫)
P100 「(前略)日本橋の袂で降ろしてくれたんです。あたしたち、橋の上で万歳しました。ここからすべてが始まるって思ったら、すごく幸せだった」

その他、印象に残ったところ。

P238 「(前略)その点ハガキだと、(中略)ふつうは敬遠しますよね。だから当たる確率が高くなるんです」

P239 「(前略)男の人って、手間のかかることをするぐらいなら、お金を払ったほうがいいっていう人のほうが多いでしょ」

P243 「もし世の中を甘く見ているのなら安心だ。どこにも光がないと絶望しているほうが、余程心配です」

P365 「(前略)ごまかせば何とかなる(中略)だから杉野は同じことを繰り返した。(中略)青柳さんは、あんたに間違った教育を施された息子に、正しいことを教えようとしたんだ」