いいかげん | 群衆コラム

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耳目を惹きつけて止まない話題の数々。
僭越ながらお届けいたします。

ひさしぶりに英語の文章を訳す作業をした。

これは人に話さなければならないので、

あまりいいかげんにやるわけにもいかない。



依頼を受けたとき依頼主は

「google翻訳を使えばいいですから大丈夫」

と言ったのでそれを真に受けたのだが、

残念ながらgoogle翻訳は

まだそれほど賢くなかった。

結局、自分で英語を訳すことになった。



書いてある英語が比較的易しかったのかもしれない。

学生時代よりは早く訳せている気がした。

それは間違いないと思うが、

早くなった理由は、

わたしの能力が伸びたからではなさそうだ、

とも思った。



まずは辞書。

うちには拾ったものだが一応電子辞書がある。

この辞書が捨てられた原因はおそらく

新しい辞書が来たからだろう。

つまりこの辞書はいま売られている辞書に比べて

機能が少なく画面がきれいでない。

それでも辞書としての機能は十分にもっている。

紙の辞書を引くよりはるかに早く目的の語にたどり着ける。

わたしには捨てられた辞書で十分である。



もうひとつの理由は、

わたしの性格が学生のときより

いい加減になったことだろう。

わからないところは即座にとばす。

わかるところもだいたいわかる程度の理解で、

細かく読んだらきっと意味を取り違えていることだろう。

それでもいいや、だって英語なんだから。

というのが現在のわたしの考え方であるため、

あまり悩む時間が生まれないのである。



こうして取り組んだ英語の翻訳は

期日までにぜんぶできず、

しかたがないあやまろうと開き直った本番当日、

Skypeの調子が悪くて会議が流れるという幸運にあった。

いい加減ではないはずのコンピュータがこれである。

学生のころより

いい加減でもなんとかなる世の中になったと思う。