興が乗らねば漫画は描けぬ。
とは、いいわけであると思っている。
描きはじめようと思ってから、
もう1週間が経ってしまった。
ぜんぜん進んでないわけではない。
文章もだいたいの体裁も整えてある。
でも、最初のひとコマが描けない。
よく聞くセリフだ。
最初の1行、最初の1画、最初の1枚。
これが描けない(あるいは書けない)と
作り手はいう。
自分で漫画を描いていて思うが、
あれは本当。
最初のひとコマ。
これが本当に描けない。
描き出せない。
描き出せると、いままで唸っていたのが
ウソのように筆が進みはじめる。
そしてそのときに思うのだ。
興が乗らねば描けないというのは、
自分の無精をごまかすいいわけであったと。
しかし、いままさに描けない状態にあると、
やはり「興」というものはあると思わざるを得ない。
ある方向から見ればあり、
その反対から見ればない。
結局そのもの自体の
ありなしではないのかもしれない。
こういうことを
色即是空
空即是色
というのだったっけ。
と、あらぬ方向に考えをめぐらし、
また描けないことをごまかしている。
こいつめ。