司馬式勉強法 | 群衆コラム

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耳目を惹きつけて止まない話題の数々。
僭越ながらお届けいたします。

司馬遼太郎という人はどんな人だったか。

これについていろんな人が語っている本を読んだ。

そのなかに司馬さんの勉強法について

書かれているところがあった。



どんなふうに勉強するのだろうと興味もって読んだが、

これはわたしがイメージしていた勉強ではなかった。

司馬さんは作家なので、

作品を書くために資料を集めて読む。

これが勉強ということらしい。

この勉強が驚異的だった。



司馬さんの作品には「竜馬がゆく」など歴史ものが多い。

こういったものを書くときに、

司馬さんは神田の書店に

「関連のあるものを全部集めて」と頼んだそうである。

「竜馬がゆく」なら、

坂本龍馬に関するものはもちろんのこと、

幕末の市民の暮らしのような細かいことも含まれる。

それを神田書店が全力でかき集めるから、

関連書籍が神田からごそっとなくなる。

神田に行けば

司馬さんがなにを書こうとしているのかわかるほどだったという。



このような集め方をすると、

資料は千の単位で集まってくる。

ちょっとした図書室くらいになる。

はたして司馬さんはこれを全部読んでいたのか。

ご本人は「読んでいる」とおっしゃっていたらしい。



ある人が司馬さんの横でコーヒーを飲んでいたら、

それを飲み終わるまでに

司馬さんは200ページくらいの本を三冊読み終えていたという。

明日へつづく。