上級者の店 その2 | 群衆コラム

群衆コラム

耳目を惹きつけて止まない話題の数々。
僭越ながらお届けいたします。

回転寿しは、子どもがよろこぶ。

どうしてよろこぶのかというと、

たぶんゲームみたいだからと思う。



流れてくる寿司に狙いをつけて取り上げる。

取った寿司をやっつけるように食べる。

これがおいしいのだからたまらない。

もっともっととほしくなる。

うれしいことに、寿司は

次から次へといろんなやつが流れてくる。

大物あり、小物あり。

ときに特急に乗ってくるものもある。

回転寿しには楽しいことがいっぱいなのである。



だからこそ、

回転寿しにはゲームのような中毒性があると思う。

回転寿しに来ると、

子どもはいつもよりたくさん食べてしまう。

たくさん食べるのはいいけれど、

食べることがゲームになると、

食べるという行為そのものが薄くなりはしないか。



食べるのは、ただ食べるのではない。

しっかりと噛むこと。味わうこと。

欲張っていうと

作法を学ぶことや食べものをありがたく思う気持ちも含まれる。



食べることがゲームになると、

それらが全部なくてもよくなってしまう。

行儀よくするかどうかは

個人の裁量に委ねられるのだが、

放っておいたら、そんな面倒なことする子どもはいない。

子どもは楽しいほうへ流れていくものである。