家の焼きもち | 群衆コラム

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耳目を惹きつけて止まない話題の数々。
僭越ながらお届けいたします。

1ヶ月半かかって、大仕事をひとつ終えた。

誰に頼まれたものでもなかったが、

とにかく完成させて終えた。

1ヶ月半、この仕事のことばかり考えてきたのに、

一度終えてしまうと頭の中から消えてなくなる。

それはもうきれいさっぱり。

すると空いたところにあれこれと、

やるべきことがわき出してくる。



まず手をつけたのは、台所の水回りの掃除だった。

油のはね、水垢など、

わかってはいたが、ずっと手が付けられなかった。

時間がなかったとは言わないが、

時間のあるなしに関わらず、

手を付ける余裕はなかった。

心の問題である。



ごしごしと流しをこすっていると、

あれもしなくちゃこれもやってないと浮かんでくる。

自分がやらねば誰もやってくれないひとり住まいだから、

器用にこなしているつもりだったが、

切り離していただけだった。



そう思うと、最近は家が荒れやすかった。

家のことには可能なかぎり手を抜いていた。

最低限きれいにするのが週末の仕事であった。

それもかかり切りの作業がうまく運ぶためにしたことであり、

家はいささか不満だったかもしれない。

家族サービスは来週のゴルフのためでしょ、

と見抜かれるご主人の気持ちかもしれない。



つぎの仕事までは、家の世話を手厚くやろう。

家の状態は、心の状態。

整っていないと次の仕事に支障が出る。

あ、これではまた怒られてしまう。