フェルメールの代表作、「真珠の耳飾りの少女」が14年ぶりに来日するそうで、いくつかの本が出版されており、この青いターバンはラピスラズリという瑠璃色の岩石を顔料として描いたものだということも紹介されています。
ラピスラズリの語源、ラピスはラテン語の「石」、ラズリはペルシャ語の「青」に由来しているとされる。石の硬さを表すモース硬度は6。
これまで日本では産出されないとされていたが、過去に新潟県の姫川で採集されたサンプルの中から今年2月に発見され、分析の結果ラピスラズリであることが判明し、現在上野科学博物館で展示中。
高貴で鮮やかな群青色のを呈することから「ウルトラマリンブルー」と呼ばれ、日本では瑠璃色、群青色などと呼ばれており、産地が限定的なことから紀元前から重宝されていたというこのラピスラズリ、これまでは青金石(ラズライト、lazurite)が青色の主成分とされていたが、2021年の研究で青金石は殆ど含有せず、藍方石(アウイナイト、hauynite)が大部分ということが分かったとか。
つまり、同年以前の岩石鉱物関係出版物はラピスラズリのことを「青金石」と書いてあるとか、青金石で出来た石と書いてあるものが大半でしたが、実は間違いだったという経歴の石でもある。
なお、カタカナ表記のラズライトには2種類あり、青金石(lazurite)の他に天藍石(lazulite)という青い鉱物もラズライトだが、天藍石はラピスラズリには含有されていない。
この青い部分に金色の模様が入っているが、これはパイライト(黄鉄鉱)の結晶。これがバランスよく入っていると、星が輝く夜空の様に見えることで人気がある。
ラピスラズリは熱による変成作用を受けた石灰岩(大理石)の中に胚胎されるものであるが、産地が限定的なという理由は、硫黄や塩素が必要とされるということがある。つまり、様々な鉱物を含有する岩石であり、生成条件が限られていることから産出地がすくなく、アフガニスタンやロシア、タジキスタン、アメリカ、イタリア、チリなどの一部に限定されている。
フェルメールとラピスラズリ。フェルメールブルーとも呼ばれるラピスラズリについて、美術と岩石学の両方からアプローチした研究も楽しそう。特に今年はラピスラズリが日本でも発見されたと話題になっていることもあり、絶好の機会かも。
また、国内では奈良県飛鳥村の高松塚古墳にある壁画には、アフガニスタン産のラピスラズリが使われていたそうだし、古代エジプト、ツタンカーメン王の黄金マスクの青色部分はラピスラズリがはめ込まれているらしい。
科博での展示は地味なものだが、フェルメールヲタクも岩石鉱物ヲタクも向学のためにどうぞ。9月6日まで公開展示中。



