今年、新型コロナという災害が発生し、街角を歩く人々の様相はずいぶん変わり、今年の写真なのか以前の写真なのかを見分けるには、マスクをしている人の数ではっきりわかる。また、行列しているときの様子を見ると、ソーシャルディスタンシングとして距離を置いていることも今年の写真の見分け方の一つだ。
ことアキバでは、昨年までは日本人よりも外国人の方が多いのではと思えるほど外国人の多い街角だったら、今年は殆ど見かけない。いるのは日本住居者で、海外からの客はほぼ皆無である。
そんな具合に人々の変化はたった一年でも著しく変わることもあるが、建物などは大きな違いはわからないものの数十年というスパンで見ると、やはりそこにも変化が見えてくる。
そこで、秋葉原の古い写真と最近撮影した写真とで、同じ場所における定点観測をしてみた。いわば、左が秋葉原、右がアキバの風景である。
左は有名な、終戦後間もないころのアキバ、いや秋葉原の写真。ラジオデパートの踊り場にも掲載されている写真で、中央通りにある総武線ガード下だ。みるとラジオセンターとミツワ電機商会という看板がよく見えるが、これらは現在も健在だ(ミツワ電機商会は現在、ミツワ電機と社名変更)。
とはいえ、秋葉原の頃にはベコが闊歩しているのがオドロキである。
万世橋辺りから総武線陸橋を見たところ。左の写真にある「松波無線」は、現在のLaOXの前身。すなわち現在も同じ位置にあることがわかる。
この写真でのトピックスは20系統の都電が中央通りを走っているところだろう。実は小生も、この都電を利用して秋葉原で部品を買ったものだった。
こちらは、現在のベルサール秋葉原がある辺りから総武線陸橋を見たところだ。左が秋葉原、右がアキバである。現在のこの周辺はアニメ系がメインとなっている。
アキバはヲタクの集う街として名高い。電波少年、オーディオマニア、パソコン小僧からアニメヲタに至るまでがお互いに不可侵条約を結んで仲良く共存している。エレクトロニクス技術とアニメの世界。さらにそこへメイドカルチャーまで侵入して久しいが、間に軋轢はなさそうだ。ともすれば風俗系が街を席巻するという可能性もありうるのだが、今のところは自発的な自浄作用が奏功してか、少なくとも表面的には平和に歩んでいるように見える。
小生は専らエレクトロクス系だけしかアキバを利用していないが、この平和な状態がずっと続くことを祈っている。