顔平均というソフトがある。昔からあることは知っていたが、アプリとして手に入ることはつい最近知った。
かつてこれを用いて作成した画像がYouTubeに上がっていたので、ここで紹介したことがあった。
https://ameblo.jp/millimeter-wave/entry-11261483410.html
その後、もしこのソフトが入手できるのであれば是非試してみたいと思っていたのだが、簡単に入手できる上、価格も150円とちょー安いこともわかり、早速入手してまずは乃木坂46の平均顔を作成してみた。それがこれだ。
使い方は簡単で、目鼻、口といった顔構成要素のそれぞれの特徴点、つまり瞳孔の位置や唇の先端などの位置と顔の輪郭を定めて足しこむだけ。重ね合わせながら平均されていく様子が画像として見れるので作業中もかなり楽しいが、もう少し丁寧にやれば重ね合わせの誤差が減るため、ボケはもう少し減少すると思われる。
ところで、平均の算出方法だが、実は平均の取り方というのは相当に間違えやすい。
やり方を間違えると結果が異なってしまい、本当の平均の値ではない数字になってしまうのだ。
前回のブログでは、平均化ということが自然であることや、整った顔というのは即ち平均化された顔に他ならないということに就いて述べたが、今回は平均値を求めるうプロセスについて書いておく。
一般的に良く知られている様に、平均値を求めるには総ての数字を足してその数字の個数で割って求める(相加平均)。例えば1,2,3,4の平均は1+2+3+4の合計である10を個数の4で割り、つまり10/4=2.5と算出する。
(1+2+3+4)/4=2.5
アタリマエのことだ。
これは、もう一つの方法でも導くことが出来る。
(1+2)と(3+4)の、それぞれの平均値を平均するという方法だ。
(1+2)/2=1.5
(3+4)/2=3.5
(1.5+3.5)/2=2.5
これも良く使われる方法である。
ところが、これを最初の2つで平均をとり、それと次の数字との平均を取るという具合に端からやろうとすると正しい平均値とはならない。これ、結構間違えることが多いのだ。例えば、平均点が70点のクラスに、新たに90点を取った人が加わった時の平均点を求めると行った時に、平均点70と90を足して2で割る、といったミスをしがちなのだ。これに就いて説明しておこう。
先に示した1,2,3,4の平均を求めるとした場合に、間違えた方法で算出すると事実と異なってしまう。正しい平均値は2.5である。
(1+2)/2=1.5
(1.5+3)/2=2.25 ←1,2,3の平均なので実際は2であるべき
(2.25+4)/2=3.125 ←1,2,3,4の平均なので実際は2.5であるべき
この様に、平均値よりも大きな値になってしまうのだ。これは、足していく数字の重みが大きいことに起因する。つまり上の例で言えば、3は2.5であるべきだし、4は3であるべきなのだ。これを適用すると次のように正しい数字が算出できる。
(1+2)/2=1.5
(1.5+2.5)/2=2
(2+3)/2=2.5
この方法を数式で表すとこうなる。
新しい数字が加わった平均値=(加わる前の平均値+(1+新しい数字/2))2
更にこれを一般化させると次のようになる。
a: これまでの平均値
b: 新たに加える数字
n: 平均をとる総ての個数
新たな平均値=a+(b-a)/n …(1)
こうすれば、加える数字を弄る必要はない。
例えば、2,5,3,7,3の平均は(2+5+3+7+3)/5=4であるが、これを(1)に示す順次方式で平均を取ると、
(2+5)/2=3.5
3.5+(3-3.5)/3=10/3
10/3+(7-10/3)/4=4.25
4.25+(3-4.25)/5=4
となり、値は等しくなる。
この様に、平均値へ新たな数字を加えて新たな平均を求める場合は、この順次方式を用いる必要があるのだ。こうすることによって、当たらに加わる数字の重みが軽減され、すべての数字を足しこんでから全体の個数で割った平均、即ち本来の相加平均値が算出できるわけだ。
平均点が70点のクラスに、新たに90点を取った人が加わった時の平均点を求めるといった場合には、70点という平均点は何人の平均なのかを知る事が必要で、つまり、5人の平均なのか、それとも50人の平均なのかといった様な情報であり、それを知って上の式を適応すれば、正しい平均値が求まることになる。
さて、話を戻して顔平均を見てみると、このアプリは平均過程を確かめられる様に順次足しこむ方法となっている。もしも先に述べた様に、単に平均の値に新しい値を加えて二分すると、足しこむ数、つまり新しい顔の要素が強く現れてしまうのだが、このソフトはその辺りもきちんと計算されている様なので、安心して足しこむことが出来る。
最初に足しこんだ三名は生田絵梨花、斎藤ちはる、久保史織里の三人である。確かに足して割った感がある。
今後、色々と試してみよう。